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太めな人に朗報! 3%痩せるだけでも肥満合併症のリスクは軽減します

太ってくると似合う洋服も限られてしまうし、体型が崩れてモテない。「痩せたい!」という動機の大半はルックスに関わるが、洋服に興味もないし、非モテで構わないと開き直ってはダメ。体脂肪を放置すると健康を害して短命に終わる恐れがある。

肥満による健康障害を合併症と呼び、合併症があるか、ありそうと予測される場合、単なる肥満ではなく「肥満症」として医学的な治療の対象となる。

合併症には、糖尿病、高血圧、高LDLコレステロール血症、痛風といったおなじみのものから、アルコールの飲み過ぎやウイルス以外で起こる脂肪肝、寝ている間に呼吸が止まる睡眠時無呼吸症候群などがある。

診断基準には含まれないが、太るとがんも心配。日本人でもっとも罹患率が高い大腸がん、女性の罹患率トップの乳がん、“がんの王様”と恐れられる膵臓がんは、いずれも肥満との関連が疑われているのだ。

減量は、高血圧や高血糖に対して効果アリ

BMI25を超えて太るほど健康被害が増えてくる
BMI25を超えて太るほど健康被害が増えてくる。逆にそこから痩せれば痩せるほど(BMI18.5までは)、血圧や血糖値といった健康指標は改善してくる。多くの場合、体重の3%程度の減量で明らかな改善が見受けられる。
出典:厚生労働科学研究「生活習慣病予防活動・疾病管理による健康指標に及ぼす影響と医療費適正化効果に関する研究」(研究代表・津下一代)

体脂肪を背負ったらまず目指すべきは合併症領域からの脱出。まずは現在の体重の3%ダウンを狙おう。体重75kgなら2kgほど痩せればいい。

「標準体重まで落とさなくても、体重を3%減らすだけで血圧や血糖値や肝機能などの数値が良くなることがわかっています」(名古屋大学環境医学研究所の菅波孝祥教授)

目標のハードルを上げすぎると失敗確率が高くなり、失敗体験を負うと減量意欲がそがれる。まずはハードルを低く定め、小さな成功体験を積み上げて肥満とサヨナラしたい。

教えてくれたひと

菅波孝祥(すがなみ・たかよし)/名古屋大学環境医学研究所分子代謝医学分野教授。医学博士。基礎研究と臨床研究を繫ぎ、生活習慣病治療に繫がる研究を担う。京都大学医学部卒業。京大、東京医科歯科大学を経て現職。

取材・文/井上健二 イラストレーション/しりあがり寿 取材協力/菅波孝祥(名古屋大学環境医学研究所教授)

(初出『Tarzan』No.756・2019年1月4日発売)

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