スマホ首をリセットして肩こり解消!
筋トレの効果を高めるなら、この3つのサプリ!
「最低限これだけは!」という自宅トレ2種目。
ジムで徹底的に「腕」を追い込んでみる。
内臓脂肪を減らす「油カット」10個のアイデア。
ジムトレーニングの間違いやマナー違反に喝!
筋トレ前のストレッチはこの4種目を!
症状別ペアストレッチで、運動不足の体を整える。
  • 公開:

どうして人は太るのか。ご名答、あなたの予想通りです

太るか、それとも痩せるか。運命を決めるのは、突き詰めるとエネルギー収支。食べ物から摂る摂取カロリーが、運動などによる消費カロリーを上回るとエネルギー収支が黒字になり、黒字分が体脂肪として蓄積する。太る理由は人それぞれだが、食べ過ぎか、運動不足か、またはその両方のどれかが肥満を招く。

だが少なくとも日本人男性の肥満には、食べ過ぎより運動不足の方が影を落としているのかも。BMI25以上の肥満者の割合はじわじわと増え続けており、この30年間で約1.5倍になった。それなのに摂取カロリーはほぼ横這いで、むしろ若干落ちている傾向が見受けられるほど。摂取カロリーが減ったのに、肥満者が増えているとしたら、消去法で運動による消費カロリーが落ちていると考えるのが妥当だ。

男性では肥満者の割合は増えている

事実、運動不足をもたらしやすい自家用車の保有台数は、前回の東京五輪後に始まったモータリゼーション以来、いまだに増え続けている。都市部と町村部を比べた研究でも、自動車への依存度がより高い町村部の方が男性の肥満率が高いというデータがある。

1980年から30年間の肥満者(BMI25以上)の割合
1980年から30年間の肥満者(BMI25以上)の割合。男性では右肩上がりになっており、近年は30%前後で高止まりしている。ダイエット志向を反映しているのか女性の肥満者の割合は横這いで逆に痩せ過ぎが問題視される。
出典:厚生労働省「国民健康・栄養調査」

もう一つ原因として疑われるのが、食事からの脂質摂取量の増加。こちらも前回の東京五輪以降、食の欧米化で糖質の摂取が減り、相対的に脂質の摂取量が増えている。脂質過多だと代謝が乱れやすく、あまり食べ過ぎてなくてもエネルギー収支が黒字に傾きやすく、太りやすいのだ。

1950年から60年間のエネルギー摂取量の変化と、糖質、脂質、タンパク質の3大栄養素からどんな割合でエネルギーを摂っているかの変化を示したもの。
1950年から60年間のエネルギー摂取量の変化と、糖質、脂質、タンパク質の3大栄養素からどんな割合でエネルギーを摂っているかの変化を示したもの。摂取カロリーは減少傾向なのに、脂質からのカロリー摂取は増加。
出典:厚生労働省「国民健康・栄養調査」

こちらもチェック! 関連記事:

教えてくれたひと

菅波孝祥(すがなみ・たかよし)/名古屋大学環境医学研究所分子代謝医学分野教授。医学博士。基礎研究と臨床研究を繫ぎ、生活習慣病治療に繫がる研究を担う。京都大学医学部卒業。京大、東京医科歯科大学を経て現職。

取材・文/井上健二 イラストレーション/しりあがり寿 取材協力/菅波孝祥(名古屋大学環境医学研究所教授)

(初出『Tarzan』No.756・2019年1月4日発売)

Share
Share