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難攻不落の“皮下脂肪城”は6か月で攻略せよ(2)|1か月目は気軽に始めて自信をつけるべし

皮下脂肪はなかなか落ちない。ならば、戦略を立てて、6か月間でじわじわと攻めるのだ。この記事では1か月目の戦い方を指南。最初から気合を入れ過ぎると、疲れて続かない。まずは気軽にできることから始め、自信をつけたい。

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朝は定時に起床し、太陽光を浴びる

朝は定時に起床し、太陽光を浴びる

人間はカラダの中に時計を持っている。体内時計である。そして、この時計に合わせるように、カラダのさまざまな機能は働いている。たとえば、あるホルモンの分泌が高まる時間、体内の代謝が活発になる時間、体温が高く(あるいは低く)なる時間等々。体内時計で、あらかじめ決められているのだ。

この時計が狂うと、実に困ったことが起きる。カラダの機能が低下して、身体やメンタルが不調に陥り、肥満へと繫がってしまうのだ。で、これを防いでくれるのが朝の光。体内時計をリセットしてくれるのだ。だから、平日も休日も、同じ時間に起床して、日光を浴びることが大事。毎日定時に、時計の針を合わせてやるのである。

朝食は起床後1時間以内に食べる

朝食は起床後1時間以内に食べる

夜9時に夕食を摂って、次の日の昼食まで何も口にしないと、15時間も絶食したことになる。こうなると、カラダは飢餓状態になり、エネルギーを蓄える、つまり脂肪を溜め込むモードへとシフトしてしまう。だから、朝食は必ず摂ることが重要。昼、夜も定時に摂るようにすれば、生活のリズムができる。

朝食は起きて1時間以内に食べたいところ。ポイントは必ずタンパク質を摂ること。パンとコーヒーだけではダメ。タンパク質には体温を上昇させる働きがあるため、体内の代謝が活発になり、エネルギー消費も高まるのだ。日中に働くための用意もできる。茹で卵、ヨーグルトなどの乳製品なら手間をかけずに手早く食べられるはず。

食前に200ccの水を飲み、野菜から食べる

食前に200ccの水を飲み、野菜から食べる

なぜ、食事の前に200ccの水を飲み、野菜から食べたほうがいいのか。ひとつには物理的な問題。胃は伸縮するものの、その容量はほぼ決まっている。だから、食事をする前にノンカロリーの水を飲み、カロリーが少ない野菜から食べれば、スペースが狭くなり、他の食べ物が入りにくくなる。とくに、野菜に含まれる食物繊維は、水分を含むと嵩が増えるから、エネルギーを過剰に摂取するのを防げる。

また、食物繊維には余分なアブラを包み込んで体外に排泄させる役割があり、腸を健康な状態に保ってくれる。とくに女性は、腸の機能が低下すると便秘になりやすく、それが肥満へと繫がってしまう。野菜を食べて腸内環境を整えることも、痩せるための大きなポイントなのだ。

一口食べるごとに箸をおく

一口食べるごとに箸をおく

本来、食事によって満足感が得られるのは、腹がイッパイになったからではない。実は、脳の視床下部という場所にある、満腹中枢によって得られるのだ。

この中枢は、血糖とレプチンという物質によって刺激を受ける。食事をしたときに食べ物が消化吸収されて血糖値が上がり、その後、脂肪細胞からレプチンが分泌される。これが満腹中枢に送られて、まさしく満腹状態になる。

ただ、食べ始めてこの状態になるまで、15~20分の時間がかかる。その間にガッツリ食べれば、当然、食べ過ぎになる。そこで、一口食べるごとに箸を置いて、30回は嚙む。これを実践すれば、自然にゆっくりと食べられるようになり、食べる量を抑えられる。

喉が渇いたら水やお茶

食前に200ccの水喉が渇いたら水やお茶飲み、野菜から食べる

喉が渇くと、ついつい清涼飲料水に手が伸びてしまう。皮下脂肪をたっぷりと抱えている人のなかには、こんな人も多いかもしれない。しかし、これらの飲料は砂糖がたっぷりと入っている。500mlを飲むと1日の糖質の必要摂取量を超えてしまうものまであるのだ。

それに比べ、茶や水はノンカロリー。だから、太る心配はまったくない。これらを飲むように習慣づけたい。

もし、それでは物足りないと思う人がいるなら、まずは清涼飲料水を2分の1に薄めて飲むところから始めて、水にシフトしていこう。また、コーヒーもブラックで飲めばカロリーはほとんどないが、カフェラテなどは脂肪分によってアップしてしまうので注意。

周りの人にダイエット宣言する

周りの人にダイエット宣言する

周りの人に、痩せることを宣言してしまおう。こうすることで、自分に対し責任感が芽生えるし、ダイエットへの意識も高くなる。人の視線が気になって、ついケーキに手を伸ばしてしまうことも少なくなるし、他の人もダイエットをしていることを知っていれば、間食などのお誘いも遠慮してくれるだろう。

加えて、日記を書くことを習慣にする。といっても全然面倒ではないので、ご安心を。毎日、体重と食べたものを記すだけでいい。スマホでチャッチャッと終わらせよう。体重が減っていけば、それがモチベーションになるし、自分の食事で何が余分だったのかを知ることもできる。さすれば、食事を改善していくこともできるわけだ。

通勤電車では座らない

通勤電車では座らない

立っているときは、座っているときに比べ、約2倍のエネルギーを消費できるといわれる。だから、皮下脂肪を燃やしたいなら、立って通勤が正解だ。そして、このときに試してもらいたい呼吸法がある。それがドローイン。背すじを伸ばして立つ。息を吐きながら、腹を背中につけるように凹ませる。吐き切って最大限に凹ませたら、そのままキープ。このときは、浅く呼吸するようにする。30秒たったら終了だ。簡単でしょ。

これを行うことで、呼吸によりカラダの代謝が活性化され、エネルギー消費に拍車がかかる。また、体幹が鍛えられるので、姿勢もよくなっていく。そして、これらによって、日々の消費エネルギーを上げていけるのだ。

40度の風呂に20分は浸かる

40度の風呂に20分は浸かる

人間の活動を司っているのが、自律神経だ。昼間、活発に働けるのは自律神経のひとつ、交感神経が優位だからだし、夜に眠りに誘われるのは副交感神経が優位になるから。毎日、朝日を浴びるのは体内時計をリセットすると同時に、交感神経を優位にさせるためでもある。

夜、温めの湯にのんびり浸かりたいのは、心身をリラックスさせ、副交感神経を優位にしたいから。快適な睡眠はカラダの機能を整え、痩身に繫がる。

また、ヒトが眠りに就くときは、深部体温が下がる。夜になると自然に体温は低下するが、入浴で体温を上げると、放熱により深部温度を下げる働きが強化される。いっそう気持ちよく眠れるのだ。

ナイトキャップは飲まない

ナイトキャップは飲まない

肝臓はカラダの再生工場といえよう。物質を代謝したり、解毒をしたりして、常に体内の機能が正常に働けるように、メンテナンスを行っているのだ。そして、これが行われているのが、主に睡眠中。

寝る前の一杯、ナイトキャップは肝臓の働きを阻害する。この臓器は、何よりもアルコールを代謝することを最優先する。睡眠中にアルコールが体内にあると、それにかかりきりになる。

また、アルコールは副交感神経を優位にして入眠を促す効果があるが、眠りに就いて酔いが覚めるに従い、交感神経が優位になり、浅い睡眠になってしまう。カラダの機能低下によって太ってしまわないように、酒を飲むのであれば夜9時頃までに切り上げる。

コレもやってみよう!

皮下脂肪撃滅の戦法は他にもある。できそうな案を取り入れて、続けられるコトを見つけよう。

  • 皮下脂肪激減の戦法は他にもある。できそうな案を取り入れて、続けられるコトを見つけよう
  • 毎日、姿見の前に立つ
  • 食べる前に本当に必要か考える
  • 夜は間接照明でリラックスする
  • 硬い食材を選んで食べる
  • 大盛り禁止。ダブル炭水化物も禁ず
  • 衝動的に食べ物を買わない
  • 缶コーヒーを飲まない
  • 帰宅後はパソコンやスマホを使わない
  • 酒を飲んだ後に〆を食べない
  • 冷蔵庫の扉に「開けるな!」という貼り紙を貼る

教えてくれた人

根来秀行さん
根来秀行さん(ねごろ・ひでゆき)/医師、医学博士。ハーバード大学医学部客員教授、ソルボンヌ大学医学部客員教授。内科学、抗加齢学、自律神経、睡眠医学など多岐にわたって国際的に活躍中。
棚橋伸子さん
棚橋伸子さん(たなはし・のぶこ)/管理栄養士。フードスタイリスト。国際薬膳師、中医薬膳専門栄養士。西洋、東洋の栄養学に基づいた、美味しくてヘルシーで健康的な食を提案。雑誌、テレビ等でも活躍。

取材・文/鈴木一朗 イラストレーション/Kiji-Maru Works 監修/根来秀行(事業構想大学院教授)、棚橋伸子(管理栄養士)

(初出『Tarzan』No.756・2019年1月4日発売)

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