血糖値を上げやすいのはどっち!? 普段口にしている食べ物の、血糖値上昇リスク・クイズ12
「GI値」ではなく「GL値」でみると、ほんとうに気をつけるべき食べ物が何なのか、見えてくる。ぼくらが普段食べ慣れている/飲み慣れている食べ物を、GI値とGL値、双方で比較してみました。(参考/Harvard Health Publishing、The University of Sydney、永田孝行『低インシュリンダイエット日常食品GI値ブック』GI値、およびGI値よりGL値計算)
取材・文/黒田 創 撮影/内田紘倫 スタイリスト/高島聖子 イラストレーション/越井 隆 取材協力/麻生れいみ(管理栄養士、低糖質料理研究家)
(初出『Tarzan』No.738・2018年3月22日発売)
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目次
1. 朝はご飯派?それともパン派? GL値に注目
GI値を比べるとご飯が72、食パン75で血糖値上昇リスクはほぼ同じ、と思いきや、GL値では一転してご飯29、食パン11と大きく差が開いた。たったお茶碗1杯程度でもご飯の糖質量はかなりのもの。それが数値に表れた結果だ。
しかし、食パンも決して安心はできない。このGL値はパンのみのもの。ジャムや蜂蜜をつけたりするとGL値はグンと上がると思われる。
2. フレッシュジュースにも意外な盲点があるのだ
ミルクとグレープフルーツジュース、どちらも起き抜けの一杯にふさわしい飲み物だが、GI値と同じく、GL値においてもグレープフルーツジュースの方が高い結果に。
グレープフルーツに限らず果汁系のジュースは、生搾りか濃縮還元タイプかによっても糖質量が異なるので、当然GL値も変わってくるはず。注意しよう。
ちなみに牛乳に含まれている乳糖は体内での分解に時間がかかり、さらに乳脂肪の働きによって食べたものが胃から腸に移行する速度がゆっくりになるため、食事と一緒に飲むと血糖値が上がりにくくなるといわれている。その点でも朝食時は牛乳をゴクリ、がオススメ。
3. ベーグルのGL値は、ご飯1杯にも匹敵する
ヘルシーなイメージの強い両者だが、GI値はコーンフレーク81、ベーグル72とともに高く、特に前者の方がハイリスク。しかしGL値を見ると、コーンフレーク20、ベーグル25でベーグルが大逆転! 「ベーグルは1個で腹持ちがいいもんね」と毎朝のようにベーグルを食べている人はしっかり覚えておこう。
また、いずれもGL値20オーバーの要注意食材であることも見逃せないポイントだ。コーンフレークの方はあくまでプレーンタイプの数値で、ドライフルーツなどが加わったタイプはさらにGL値が高くなる可能性がある。牛乳をかけたりして血糖値を上げにくくする工夫を。
4. 魚の方がカラダにいい? 残念でした!
ハンバーガーとフィッシュバーガーなら、少しはカラダによさそうじゃない?とフィッシュバーガーをチョイスしている人は要注意である。GI値は両者とも66でタイスコアだし、GL値はなんとフィッシュバーガーの方が高いという驚愕の事実。
ここでもポイントとなるのは糖質量である。バンズはともに2枚だが、ハンバーガーの具はシンプルにグリルしたパテとピクルス、刻みタマネギと炭水化物の要素が少ない。一方、フィッシュバーガーは具の白身魚に衣をつけて揚げており、さらにタルタルソースまで使っている。これらが合わさると要注意レベルのGL値20になってしまうのだ。
5. たかがサイドメニュー、されどサイドメニュー
ファストフードのサイドメニューの定番、フライドポテトと食後のスイーツに選びがちなホットケーキの対決。こちらもGI値では両者ともに60台で大差ないが、GL値ではホットケーキ38、フライドポテト21とホットケーキの圧勝! やはりホットケーキは小麦粉がベースの分、必然的にスコアは高くなってしまうのだ。
バーガー系+フライドポテトの組み合わせも結構なGL値になりそうだが、バーガー系+ホットケーキはさらに凄いことに。もし血糖値のリスクを気にしているなら、この両者はセットではなく単体で食べた方がベター。気軽に食べるようなものではないと心得よう。
6. シュワシュワ感を欲したらコーラでなく炭酸水を
ハンバーガーやフライドポテトなどを食べるとついつい飲みたくなっちゃうコーラとオレンジジュースの対決は、GI値、GL値いずれもコーラの勝ち。これはだいたい予想通りという感じではないだろうか。ともに250㎖での比較だが、コーラはやはり糖質たっぷり、血糖値を上げるリスクが高い飲み物なのだ。
ちなみにオレンジジュースは果汁100%の無糖タイプでこのスコア。濃縮還元タイプや低果汁タイプだとほぼ加糖されていると考えられるので、値はもっと高くなるはず。ファストフードを食べるなら、ドリンクはミルクかノンシュガーのコーヒー、またはメニューにあれば炭酸水が無難。
7. どちらを選ぶにしても、早食いはやめよう
オーダーすればすぐ出てくるし、サクッと食べられて腹持ちもよく、ついでにお財布にも優しい。働く男たちのド定番ランチメニューのうどん&蕎麦だが、ことGL値で比較するとうどん18、蕎麦13でうどんが高い。GI値だとうどん85、蕎麦59とさらにその差は大きくなる。似たような麺類なのに、差がつく理由はうどんの原料となる小麦粉だろう。
とはいえ、蕎麦のGL値も決して低くはないので大盛りはご法度である。また、両者に共通するウィークポイントはよく嚙まずに飲み込むように食べてしまう点。27ページでも詳しく触れるが、早食いは血糖値を急上昇させやすいのだ。
8. イタリアンランチ対決は初のタイスコア!
茹でたスパゲティとピザ。こちらもよく似たテイストの料理である。GI値を比較するとピザ80、スパゲティ45でピザのボロ勝ちだが、GL値になるとどちらも22でタイスコアという結果になった。
ちなみに、スパゲティは麺だけの数値なので、どんなソースと絡めるかによっても全体のGL値が変わってくる。たとえばシンプルにオリーブオイルで調理するペペロンチーノであればそう増えないと思うが、こってり系のソースだともう少し数値が上がる可能性がある。
ランチだからって大盛りにせず、肉や魚、野菜など具の多いタイプをチョイスしよう。ピザについても同じことが言える。
9. 同じジャガイモでも意外に差がつくのだ
ハンバーグなどの洋食系メニューや、ワンプレートランチの付け合わせに茹でたジャガイモやマッシュポテトが付くケースも多い。材料は同じジャガイモだし、調理法もそう大きくは違わない。差なんてほとんど出ないのでは…と思ったらさにあらず。茹でジャガイモの方がGL値が高いのである。こちら、GI値はマッシュポテトが勝っているから面白い逆転現象だ。
もちろん食べる量が異なるから単純比較はできないが、ハンバーガーショップの項目にあったフライドポテトと茹でジャガイモのGL値は同じ。血糖値リスクを踏まえると、いろんなことが見えてくる。
10. スイーツ好きならカカオ多めのチョコをどうぞ
午後のおやつタイムにキャラメルやチョコをパクリ。どちらも脳にガツン!とくる甘いイメージのあるお菓子だけど、GI値はキャラメル86でチョコ49。GL値の差はもっと大きく開いており、キャラメル67でチョコ14という結果に。
これはある程度想像がつくが、キャラメルは小さな粒の中にギュッと糖質が詰まった、血糖値急上昇間違いなしのスイーツなのだ。一方、最近のチョコレートは昔ながらの脂質と糖質中心のタイプではなく、カカオの含有量が高いタイプが増えている。カカオ70%以上のものならポリフェノールが多く、強い抗酸化作用があるのでキャラメルよりもオススメ。
11. ケーキは別腹、とはいかないのが現実なのだ
季節は春を迎え、ポカポカ陽気の日はおやつにアイスクリームでも食べたいところ。実はこれ、血糖値上昇のリスクを考えたら非常に賢いチョイスなのである。甘さで言ったら似たようなものでしょ?と思われがちなショートケーキはかなりの量の砂糖を使っており、GL値は20まで跳ね上がるが、こちらはたったの8。意外なヘルシースイーツなのだ。
理由として考えられるのは、アイスクリームの主原料が牛乳で、糖質量はイメージほど多くはないこと。高原リゾートで食べる生乳100%使用タイプなど、特に美味しいと感じるアイスクリームは血糖値にも優しいのである。
12. ポテチのダラダラ食いの習慣がある人は要注意!
昔から映画鑑賞のよきパートナーであるポップコーンと、カウチポテト族の時代からジャンク・スナックの定番であるポテトチップス。食べた後に指が油でベタベタになる点では共通しているが、GI値、GL値ともにポテトチップスに軍配が上がる。
GI値だけを見ればトウモロコシが原材料のポップコーンも決して低いスコアではないが、炭水化物の割合が多いジャガイモを使っているポテチはどうしても高くなるのだ。また、ポテチは味つけの妙で一度食べだすと止まらなくなりがちなのも要注意ポイント。いつの間にかビッグサイズを1袋全部食べてしまったなんてのは血糖値に最悪。