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“スリップインするだけ™”じゃない!《スケッチャーズ スリップ・インズ》快適学。
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大人になった今こそ、子供の遊びをヒントに己のカラダを鍛えよう。友人や子供たちと一緒に競い合えば、楽しく遊んでいる間にカラダの機能が向上する全10種目を紹介。真面目に自体重やフリーウェイトでトレーニングするのも良いけど、たまには笑顔イッパイで筋肉に刺激を入れるのも、粋というものです。
懐かしの少年、少女時代。放課後、暗くなるまで、友達と思いきり遊んだ。校庭で、公園で、空き地で。すごく楽しかった。仲間には絶対負けたくなかった。そして、そんなココロが体力を向上させ、運動能力を高めてくれた。ごく自然にである。
今、あんなふうに童心に帰って、遊びながら鍛えたらどうだろうか。仲間や会社の同僚と競い合えば、面白がっているうちに日々のトレーニングになり、カラダも変わってくれるだろう。
というわけで、ここでは「清水道場」でおなじみ清水忍トレーナーに、子供の遊びをベースに全部で10種類のトレーニングを考えてもらった。
彼の指導のもと、トレーナーを目指す学生たちにも協力してくれた。できても、できなくても、キツくても笑顔がイッパイ。楽しい“大人の体力テスト”。ぜひ、あなたも試して、鍛えてほしい。
目次
床にうつ伏せになる。両手をカラダの後ろに回して組み、カラダと脚をまっすぐに伸ばして、爪先を立てる。顔は正面に向けて、顎を床につける。ここから、手を使わないで、床の上に立ち上がる。どのような立ち上がり方をしてもよい。秒数で、その速さを競う。
「どんな立ち方でもよいというのがミソ。私のように膝をカラダの下に滑らせてから、それを支点に立ち上がるのもいいし、股関節の柔らかい人なら、脚を左右に大きく開いて背中を丸め、上体を起こすのも、ひとつの手だ。カラダを上手く使うための能力、巧緻性を養うことができる」
床に四つん這いになる。パートナーはその上に乗り、抱きつくように腕をカラダに回して、左右の手で肩をホールドする。膝でしっかりとカラダを挟む。この状態から、下になった人が床の上に立ち上がる。どんな立ち上がり方でもよい。秒数を計測して速さを競う。
「背中に大きな負荷がかかっている。この負荷が、立ち上がりの動作によって左右に揺れるために、バランスをとるのが大変。ある程度の筋力がないと成功は難しいかも。もしも毎日行うならば、全身の筋力を高めることができるし、バランス感覚や巧緻性もよくなっていくはず」
パートナーは膝をやや曲げて、上体を前傾させて馬になる。この馬の背に手をつき、脚を開いて跳び越える。右から左へ跳んだら、すばやくターンして、左から右へ。30秒間、できるだけ速く繰り返し、その回数を競う。馬になる人は常に同じ高さを保つように。
「まず背中に手をつく。脚を大きく開いてジャンプ。そして着地といった流れになるが、いちばん重要なのは着地。このときカラダの向きを馬側へと向け、すぐ次の動作へ、スムーズにつなげていきたい。繰り返すことで、カラダをすばやく動かす能力、敏捷性を高めることができる」
地面に直径30cmの円を左右に並べて描く。前方1mに円を1つ、さらに1m前方に2つ描く。両足、片足、両足とケン、パの要領で跳び、ターンして続ける。中央の片足着地は、左右の足で交互に行う。30秒で、着地回数を競う。円の外に足が出たら、ノーカウント。
「30秒という時間は、やってみると長い。跳び続ける筋力が必要になってくる。とくに片脚立ちからジャンプするときは、大臀筋やハムストリングスの持久力が問われる。続けていくことで、立つ、座る、歩く、走るなどの日々の動作が滑らかになるはず」
地面に直径1mの円を描く。対戦する人は、この土俵の中央で背中を合わせる。互いの左手、右手を組む。行司の「はっけよい、残った」の合図で相手を土俵から押し出す。カラダの反動を使ってはいけない。単純に押し合うことで、勝負を決するようにすること。
「ポイントは相手より下にカラダを潜り込ませること。尻の位置を下げ、相手を押し上げるように力を入れれば、有利な展開に。そのためにはスクワット動作が重要で、試合するごとに太腿の筋肉が鍛えられる。また、相手に揺さぶられたときに、それを処理する巧緻性も養われる」
タオルを1本用意して、中央を一重結びにする。まず、片側の手でタオルを持って、腕を後方へ振って、タオルを反対側の肩越しへと投げ上げる。それを逆の手でキャッチ。また反対側へ投げてキャッチ。30秒で捕った回数を競う。タオルを落としたら、そこで終了。
「後方、つまり目で確かめられない場所へ投げるときは、自分の感覚に頼るしかない。どれぐらいの強さで、どのような動作で行えば、うまくいくのか。これは、自分のカラダをいかにコントロールできるかという巧緻性と、柔軟性にかかっている。楽しみながら向上させたい」
対戦する相手と向き合い、両足を腰幅に開いて立つ。互いにタオルを右手で摑み、腰を落とす。「スタート」の合図で、腕でタオルを引き合って、先に足が一歩でも動いたほうが負け。今度は、左手でタオルを摑み、もう一度。左右とも勝ち星をつける。
「体重を後方へとかけることが重要。綱引きのように、腰をしっかり落としたい。これによって、足腰の筋肉が鍛えられていく。また、腕を引くときは、体幹の筋肉や背中の広背筋がモノをいう。巧緻性にバランス感覚も必要だし、全身に効かせるのに、いいトレーニング」
500ml入りのペットボトルを用意する。太腿が床と平行になるように、腰を落とす。まず、片側の膝の上にボトルを、次にもう一方の膝の上に乗せる。バランスをとりながら、最後に頭の上に1本乗せる。すべてのボトルが静止したら成功。何秒で成功するかを競う。
「まずは、膝の上にボトルを乗せるために、太腿を床に平行にした状態で耐えなければならない。大腿四頭筋をはじめ、下半身の筋持久力が試される。最後に頭の上に乗せるのだが、そればかりに注意が向くと、膝のペットボトルを落としてしまうので注意。バランスが問われる」
中央に1人が、足を腰幅に開いて立つ。左右に1人ずつ、中央の人と互いの手首を摑んで立つ。両サイドの人は、足を揃えて中央の人の足の外側へ置き、カラダを倒して斜めになる。小学校の組み体操の「扇」だ。中央の人はスクワットして、その回数を競う。
「左右の人の体重の違いがなければ、それほど難しくないだろう。ただ、どちらかが軽いと反対側に重心が移るため、横方向へカラダが引っ張られてしまう。それに耐える体幹の筋力と、バランス感覚が必要になる。もちろん、スクワットを行えば、下半身の筋肉もかなり鍛えられる」
地面に10cm刻みで印をつける。手前の印に爪先を合わせ、正面を向いて、片脚で立つ。同じ側の手でペットボトルの首を持つ。カラダを前傾させて、腕を前方に伸ばし、爪先からできるだけ遠くにペットボトルを立てて置く。左右1回ずつ行って、その合計距離を競う。
「ボトルをより遠くに置くには、高度なバランス感覚が必要。カラダが左右に傾いてしまうことが多い。また、ボトルを置いた距離に左右差がないほうがよい。左右同じように動けるというのが理想だ。大丈夫、やっていくうちにバランス感覚は高まり、左右差もなくなってくる」
しみず・しのぶ インストラクションズ代表。トレーニングジムIPFヘッドコーチ。アマからプロまで、さまざまなアスリートのフィジカルコーチ、トレーナーを務める。本誌をはじめ多くのメディアで活躍中。
取材・文/鈴木一朗 撮影/角戸菜摘
(初出『Tarzan』No.754・2018年11月22日発売)