ランナーに必要な糖は3種類。その違いを知る
取材・文/黒田 創 撮影/山城健朗 スタイリスト/高島聖子 ヘア&メイク/大谷亮治 取材協力/牧野 仁(Japanマラソンクラブ代表)
(初出『Tarzan』No.728・2017年10月12日発売)

ランニングに不可欠なエネルギー源である「糖」。しかし糖はエネルギー変換効率が良い一方でもともとの貯蔵量がそれほど多くないため、ランナーは炭水化物フードでカーボローディングしたり、走る前やランニング中にドリンク類で補給したりする必要があるのだ。
その糖はいくつかに分類でき、普段摂る機会が多いタイプはここで挙げる3種類。それらを特徴に合わせて摂り分けることで、より効率的にエネルギー変換できる可能性が高くなる。ポイントを押さえよう。
ブドウ糖、果糖、デンプン
「まずはブドウ糖。即効性が非常に高いのが特徴で、筋肉内にあるグリコーゲン自体もブドウ糖、即ちグルコースが結合したものです。すぐに使われてしまうためマメに摂る必要があり、また血糖値が安定しないなど弱点もありますが、レース中などには重宝します」(牧野さん)
2つ目は果糖。その名の通り果物に含まれる単糖類で、糖の中でも甘味が強い。分子構造はブドウ糖と似ているが、吸収速度はブドウ糖に比べるとやや遅い。走り始めに摂れば後半のエネルギーになり得る。
「最後はデンプン。これは小麦や米類、豆類や芋類などに多く含まれており、吸収速度は遅いですが後々まで貯め込んでおけるのが利点です」
こうした糖の特徴を生かしたスポーツ飲料もたくさんある。目的に応じてチョイスしよう。