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軍隊格闘技システマに学ぶ、緊急時でも呼吸を乱さない危機回避術

緊急時には呼吸を乱さないことが、危機回避にとって重要な条件。システマ公認インストラクター・天田憲明さんに、緊急時に焦らず対応するための呼吸法を指南してもらおう!

システマとはロシアの特殊部隊の軍隊格闘技。と聞くとなにやら恐ろしいが、その目的は、サバイブ=戦場で生き残ることにあるという。日本で数少ない公認インストラクターの一人、天田憲明さんによれば、

「システマには4大原則があります。キープブリージング(呼吸をし続ける)、キープリラックス(リラックスし続ける)、キープポスチュア(よい姿勢を維持する)、キープムービング(動き続ける)。この4つを守っていれば生き残ることができるという考え方です」

呼吸を重視していることがシステマの最大の特徴。

「窮地に陥ったり緊張したときは、息が止まったり呼吸が浅くなります。その悪い呼吸をいい呼吸に切り替える練習をします。やり方は簡単。まず息を吐き、その後、鼻からゆっくり息を吸って口から吐く」

息を吐いて吸って吐き、意識を広げるべし

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システマ
固まった姿勢はNG/猫背でうなだれた悪い姿勢をまず作る。上司に叱られてしょんぼりの姿勢。これでは呼吸も浅く、危機を乗り越えられない。

システマ
まずは口で吐いて、鼻で吸う/一度口から息を吐いてリラックス。その後、鼻からゆっくり息を吸い、お腹と背中の力を抜いて首をまっすぐ上に伸ばす。

システマ
最後に“フゥ〜”と口から吐く/最後に口からゆっくり息を吐いて姿勢を正し、視界を広げる。上下左右、自分のまわりの全体的な空間を把握するつもりで。

へ? それだけですか?

「姿勢も重要です。背中が曲がっていると肺が凹むので息が吸えない。首が曲がると視界も狭まる。そんなダメな姿勢でも、上の写真のように呼吸で背すじと首を伸ばして視界を広げると、よい姿勢になります」

なるほど、そして?

「敵意を持った相手が目の前にいたとして、意識と視界を広げていくと、自分と相手が広い空間で相対化される。客観視すると恐怖心がなくなり、危険を回避できます」

上司に叱られたとき、応用を!

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システマ
【 NG 】ナイフを突きつけられたとき、切っ先を凝視すると恐怖心に囚われる。

システマ
【 OK 】呼吸しつつ視界を広げて自分と相手が大きな空間の一部だと認識すれば、スッと避けられる。

教えてくれた人
システマ公認インストラクター・天田憲明
システマ公認インストラクター・天田憲明(あまだ・のりあき)/中国武術、ムエタイ、ブラジリアン柔術、クラヴマガなどを経てシステマと出合う。システマの呼吸法を紹介する『最強の呼吸法』(弊社刊)を手がけた。

取材・文/石飛カノ 撮影/山城健朗、小川朋央、大嶋千尋、角戸菜摘

(初出『Tarzan』No.752・2018年10月25日発売)

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