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育毛にもゴールデンタイムがある! “抜け毛の秋”に知っておきたい5つのコト

いままで毛髪の悩みと無縁だった人には馴染みがないかもしれないが、実は、秋は抜け毛のシーズン。夏の間に蓄積したカラダと髪へのダメージが一気に結果となって表れるのだ。この時期に髪からのSOSを見逃していると、どんどん脱毛が進行してしまうかも。5つのコラムで、この機会に毛髪への理解を深めよう!

1. 髪は紫外線からもダメージを受ける

記録破りの猛暑だった今年の夏も過ぎ去り、海や山で自然を満喫した人たちの日焼けもだいぶ冷めた頃だろう。だが、ちょっと待て。髪の毛はどうなっている?

肌は回復できても、強い紫外線にさらされた毛髪は赤茶色に褪せていたり、枝毛が増えたりしてはいないか。紫外線が肌を焼く間、毛髪もそれなりのダメージは受けているのだ。

そして秋には毛髪に変化が起きる。動物には夏毛と冬毛があり、季節の変わり目に生え変わるが、実はこれは人間も同じ。抜け毛が急に増えてくるのを感じている人もいるだろう。抜ける以上に新しい毛髪が生えてきているなら問題ない。抜けるペースに発毛が追いつけなければピンチだ。頭皮と毛髪のケアが必要になる。

夏ほどではないにしても、秋もまだまだ紫外線は強い。外出時は帽子をかぶり、帰宅後は頭皮と毛髪をケアし、回復に努めたい

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2. 毎日100本以上の抜け毛は要注意

この時期に気をつけたいのは紫外線だけではない。他にどのようなことがポイントになるのかについてAGA治療を専門に行う銀座総合美容クリニックに話を聞いた。自分の抜け毛の多寡を知るための方法はこちらだ。

秋風に木の葉が舞い落ちるように、抜け毛が枕や洗面台、浴室の排水口に目立ったら、そっと拾い集め、1日に何本くらい抜けているか数えてみるといい。個人差はあるが、毛髪の総数は10万~12万本で、普通は毎日50~100本ぐらい抜けている。ただし、この範囲を大きく上回るようだと、何かが起きている可能性がある。

人の毛髪は毛母細胞が分裂を繰り返して成長し続け、2~6年かけて黒々と立派な姿となる。この成長期の後は伸びが低下する退行期となり、脱毛の準備にあたる休止期を経て脱毛に向かう。この一連の流れをヘアサイクルというが、男性ホルモンのトラブルで成長期が数か月で終わり、すぐ脱毛に向かってしまう人がいる。

毎日100本をはるかに超える抜け毛があったら、その疑いが強い。抜け毛が収まらないと発毛が追いつかなくなり、次第に頭皮が透けて見えるようになってしまう。本格的な対策を考える時だ!

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3. 育毛のために食べるなら“肉と牡蠣”

抜け毛、薄毛を気にし始めると、育毛にいいからとむやみに海藻を食べたがる人が現れる。コンブ、ワカメにノリ、ヒジキなどは黒々として、イメージとしてはいかにも毛髪によさそうに見える。確かに海藻はビタミン、ミネラルが豊富だから、日ごろ食に不安のある人が天然のサプリとして頼りたくなる気持ちは分かるが、ミネラルには摂り過ぎの弊害もある

例えば、海藻に多いミネラルで代表的なものがヨウ素。これは多すぎても、少なすぎても甲状腺に害を及ぼすことが知られていて、1日の推奨量はわずかに130μg。そして、耐容上限量は3000μg。鉄分の補給を兼ねてヒジキひとつかみ(乾燥、15g)を口にすれば、ヨウ素は6750μgにもなってしまい、摂り過ぎとなる。

それでは何を食べればよいのか。髪の毛には“タンパク質”や牡蠣に含まれている“亜鉛”などが良いとされているので、これらの食材を摂るのもいいかもしれない。しかし過信は禁物。それだけで髪が生えるわけではない。

毛髪もその人のカラダの一部だ。そもそも全身が健康なら毛髪も勢いよく伸びるもの。力強いカラダ作りの基本は特定の栄養素を大量に摂取するのではなく、バランスに注意するのが王道だ。育毛を目指すなら、まずはカラダ作りを見直すべし。

なおダイエットのために糖質制限を実践中の人もいるかもしれないが、極端な糖質制限は毛髪にはよくないので、この点も注意しておこう。

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4. シャンプーは天然成分をチョイス

シャンプーなんて、どれも似たようなもの。ストックが少なくなってきたら、ドラッグストアの店頭に積み上げられたセール品を買えばいい。でも、本当にそれでいいのだろうか?

手ごろな価格のシャンプーは、科学的に合成された合成洗剤。本質的にはキッチンで食器を洗う洗剤と同じだ。しつこい油汚れもすばやく落としてくれるすぐれもの。また、最近は育毛に軸足を置いたスカルプ(頭皮)ケアシャンプーが注目を浴びているが、これもほとんど合成洗剤と変わらない製品もある。雑に洗い、すすいでいると健全な頭皮に欠かせない皮脂をごっそり奪われる。

頭皮の健康を考えるなら、とにかく頭皮にやさしいものが良い。特に天然成分でできた石けんシャンプーが安心だ。よいものを選べば、優れた泡立ちで洗い上がりはすっきり。洗髪後の頭皮の潤いを保ってくれるような製品まである。毎日使うものだから、少々の投資は十分に考える価値アリ、である。

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5. 髪にもゴールデンタイムがある

筋トレをしてカラダ作りに励む人は、トレーニング後の栄養補給や回復のための睡眠を重視している。だから、良質なプロテインやサプリにも投資するし、夜はだらだら起きていない。成長ホルモンも味方に、今日より力強い明日の自分を目指すものだ。

実は育毛にもゴールデンタイムのあることが近年、分かってきた。その時間帯は深夜1時~2時ぐらい。この時間帯には成長因子が分泌され、毛髪の生え変わりが促されたり、たくましく育つらしいのだ。この成長因子の研究は急ピッチで進展し、いまでは成長因子を配合した育毛剤や化粧品が店頭でスポットライトを浴びている。

成長因子は医療機関でも採用され始めていて、育毛を目的に専門医が注射、電気装置やガスなども使って頭皮に送り込み、薄毛に悩む人たちに希望を与え始めている。秋風の吹くこの季節、毛髪に不安を感じている人はしっかりとケアをすることが必要だ

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最新育毛トピック1 | 成長因子ってなんですか?

タンパク質のうち細胞の成長・増殖を促進する物質のことで、特定の受容体に1対1で結合する。発毛、毛髪の伸長を促す成長因子はこれまでにいくつも見つかってきたが、例えば、その代表的なものであるEGF(上皮成長因子)は皮膚の新陳代謝を促進するため、皮膚科の外来で用いられたり、化粧品にも配合されている。

最新育毛トピック2 | 成長因子に着目した家庭用商品も

男性ホルモンが悪玉(ジヒドロテストステロン)になることで脱毛の進むのが男性型脱毛症(AGA)。2020年までにこの治療にiPS細胞を使った治療の実用化を目指すと理化学研究所は発表したが、現在クリニックで受けることのできる治療は投薬療法ぐらいだ。

なかには成長因子を専用の医療機器で頭皮に送り込んでくれる先進のクリニックもある。が、そうしたクリニックで施術を受けられるのは現実的には月に1~2回というのがせいぜい。恐らく多くの人にとって入浴、洗髪は日課なのに、本格的育毛がこの頻度では心細い。

成長因子を配合した製品をホームケアで利用できれば、この問題の解決につながる可能性があるのだが、成長因子は製造後時間が経つと失活し、効力を失うものがほとんどだったのだ。常温(25℃)の環境では4週間で成分の約20%が、20週が経過すると70%近くが失活してしまうというデータもある。

ところが、この弱点を解決した製品も登場してきた。“頭皮にまじめなスカルプシャンプー”で知られるメソケアプラスから発売された《メソセラポス スカルプリキッド》は成長因子そのものではなく、失活しにくい6種の疑似成長因子を配合。通販限定商品のため店頭で目にすることはないから、気になる人はHPで確認を。

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写真提供:メソケアプラス

取材・文/廣松正浩 イラストレーション/内山弘隆

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