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タンパク質と、何が同じで、どう違う?ジェーン・スーと〈味の素(株)〉社員が語るアミノ酸のこと。
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朝寝坊して走れる時間が少ないなら、思い切って里山チックな街ランに頭を切り換えよう。
さてさて、東京南西部の丘陵地帯は戦後の経済復興とともに電鉄会社による土地開発が進んだ。京王線、小田急線、そして東急田園都市線の各駅を起点にそれぞれ大きな街が形成され多くの人が都心に通う。それでもこの南西部、町田市の周辺には、開発をまぬがれた尾根道や丘、谷戸、緑地が点々と残っている。なんとか繫いで走れないものか?
GPSナビ機能を頼りに何度も走っては道を繫ぎ、削り、ネボスケのためにと10km以内に収めたのが今回のトレイル。小田急小田原線鶴川駅から南に駆け下り東急田園都市線・JR横浜線の長津田駅が終点だ、ここにおいしい中華も待っている。
今回は特に街の中を進むので道標の類いは「ない」に等しい。ページ下のGPSデータをPC経由で時計やスマートフォンにダウンロードしてもらおう。大丈夫、道に迷わない、だって取材時の実走データだから。
さあ行くよ。鶴川駅は南口から出て鶴見川を渡ろう、駅前の住宅地を5分も行くと広い畑のど真ん中、足元は舗装路だけどいきなり里山感がいっぱい。大根や冬瓜に迎えられてまっすぐ進むと、畑は突き当たりイヤでも舗装路に出る。GPS通りに進むと、まわりは果樹園、「はちみつあります」なんて看板も。
上り坂の途中右側に「岡上梨子ノ木緑地」のサイン、その手前に階段があって中に入っていくと……深い森と短いけれど周回のトレイルがあって、ちょっとした広場も。ここはなかなか楽しめます。
元に戻って坂を上り切ると、TBSの緑山スタジオ。広大な敷地で、中はまったく見えない。その敷地沿いに坂道をばんばん下ると、またまた広い田んぼ、その先に緑協和病院だ。
病院の前の広い通りを突っ切って、気になるカフェも素通りして、小さな川を渡って住宅地に突入だ。坂を上って奈良町さくら公園、園内(細長い)をまっすぐ直進して、突き当たりを右。再び住宅地へ、見上げると送電線鉄塔がニョキとあって、隣が奈良谷戸橋。橋の下はただの大通り、だから大した高さでないくせにとんでもなくビューがよろしい。
さあ、橋を渡ってからは尾根道だよ。進行方向右側が開けている、ちらちらさっきのビューが見え隠れ。
急階段を下り上ることになって、こどもの国駅がすぐ近い。ここらで全行程の半分くらいかな。
さあ、5分も走ると成瀬台2丁目38。ここからトレイルが始まります、成瀬尾根緑地、山吹緑地へと続く3㎞のトレイル。うれしいのなんの。一本道でまず迷うことはない、飛ばせます。ただし、地元人気の散策コースでもあるので、歩く人に出会ったら、走ることをやめて歩いてすれ違ってください。
やがて赤白鉄塔とグレー鉄塔のW鉄塔、足元に風の広場なる大きな空間、この日は先生に連れられて小学生たちがおべんとを食べていました。
W鉄塔の先は畑・畑・畑。しっかり里山です、日本の農業の現場です、大根が育ってました。
で、その先どっかーんと広い野っぱら。丘というか斜面というか、ここが山吹緑地。町田の街とその奥に丹沢の山々まで見事に見通せます。
野っぱらの隅からトレイルを進むと住宅地に出て、やがて140号線。その先の恩田川沿いに進めば10分くらいで長津田駅。全部で8.7km、のんびりのんびり走って2時間ってとこ。
あ、ラン後のおいしいごはんとは駅裏の中華料理〈臥龍〉のこと。
https://magazineworld.jp/tarzan/tarzan-trails/tarzan-trails-733/
GPSデータは「.gpx」と「.kml」の2種類があります。GPS時計各ブランドのアプリで読み込めます。GPS時計がなくても、『グーグルマップ』の「マイマップ」なら「.gpx」「.kml」どちらでもOK、スマートフォンでコースを持ち運べます。「.gpx」はMacアプリ『トレイルノート』で開けます。「.kml」はWinでもMacでもテキストとして書き出し、まるごとコピーしてwebサイト『ジョギングシミュレーター』に読み込ませると、自分のコースとして設定できます。
取材・文/内坂庸夫 撮影/小川朋央 トレイルランナー/山下晃和
(初出『Tarzan』No.733・2018年1月4日発売)