どうしてヒトは、タンパク質を摂らなきゃダメなの?
取材・文/石飛カノ イラストレーション/クレメンス・メッツラー 監修/藤田 潤(立命館大学スポーツ健康科学部)
(初出『Tarzan』No.726・2017年9月14日発売)
答え:人間のカラダは約10万種のタンパク質でできているからです
カラダを覆う皮膚や毛、一皮剝いた内側にある筋肉や内臓、さらにその中に張り巡らされている血管、血液中を流れる色素成分、ホルモン、各種酵素に至るまで、すべてタンパク質で構成されている。その重量は体重の約20%、数にして数万から10万種類。
細胞核に存在するDNAにはヒトのカラダを構成するすべてのタンパク質の設計図が内蔵されている。
材料となるのは、水素、炭素、窒素、酸素から成る20種類のアミノ酸。これらのアミノ酸をこんな順列組み合わせで合体させてどんどん作りましょうという生命の設計図がDNAだ。たった20種類のアミノ酸から10万種のタンパク質を拵える、AIもびっくりの精緻なるカラダの仕組み。
仕組みだけあっても材料がなければ話にならない。口から摂ったタンパク質は一度アミノ酸に分解され、設計図に従ってタンパク質に再合成されて機能する。
アミノ酸の主要な行き先は筋肉。なので、1食20gのタンパク質補給は必須なのだ。