焼き肉はヘルシーと対極にあるものだから、お腹まわりの内臓脂肪が気になるから。そんな理由で焼き肉を避けているならもったいない。カラダ作りに欠かせない良質なタンパク質を気軽に摂取できるのだから、トレーニングに励む人ほど実は焼き肉を活用してほしい。
注意するべきはその食べ方。脂身の多い霜降り肉をひたすら食べ、食が進むからとご飯は食べ放題、焼肉と合うからと生ビールを飲み続ければ、当然あっという間に体重は増えてしまう。
「食べ方のルールさえ守れば、焼き肉は積極的に食べてほしいものです」とは管理栄養士の伊達友美さん。月島の名店〈韓灯〉のメニューを元に、カラダ作りに役立つ焼き肉のルールをチェックしていこう。
目次
ルール1.肉は「脂少→脂多」の順番で注文すべし!
腹が減っているうちに大好きなカルビをたっぷり、という気持ちはわかる。しかし、ヘルシーに焼き肉を楽しみたいなら、脂質の少ない赤い色の割合が高い部位から食べるべき。なぜなら、脂肪燃焼効果を高めるL―カルニチンを多く含んでいるから。先に食べておけば脂肪を燃やすスイッチをオンにすることができるのだ。
「空腹が続いた後の食事は脂肪の吸収率が高いので、脂質が多い部位は後半戦に持っていきましょう」(伊達さん)
脂質が少なめの部位
脂質が多めの部位
ルール2.最初にスープでウォーミングアップをする
まずはキンキンに冷えたビールで乾杯といきたいが、その前に温かいスープを1杯飲んでおこう。
「タンパク質が多い肉を食べる行為は内臓のエクササイズのようなもの。しっかりと消化し、タンパク質を吸収するためには、胃腸のウォーミングアップが必要なんです」
トレーニング前に筋肉を温めるのと同様に、胃腸にも準備が必要なのだ。
ルール3.サンチュの食べ過ぎに注意せよ!
ビタミンA、ビタミンC、カリウムなどが豊富なサンチュ。血中コレステロール値を下げる水溶性の食物繊維も含んでいる。
焼き肉との相性も良く、基本的にはカラダにいいのだが、食べ過ぎは禁物。不溶性の食物繊維が胃腸の中で水分を吸収し膨らむと、胃腸の負担になる場合も。また、食べ過ぎは胃腸を冷やす要因にも。あくまでも適量(1人前)が望ましいのだ。
ルール4.付け合わせはナムルではなく、キムチを選ぶ
肉をたくさん食べる場合、ひとつ問題になるのが腸内環境の乱れ。それを防いでくれるのが、整腸作用のある植物性の乳酸菌をたっぷりと含んだ発酵食品のキムチだ。使用している唐辛子が脂肪燃焼を助けるカプサイシンを含んでいるのも嬉しいポイント。
「白菜キムチでも、オイキムチでもOKですが、消化のしやすさを考えるとカクテギが最強です」。
ルール5.オススメの酒はマッコリだ!
焼き肉を食べながらの生ビール、レモンサワーは当然旨い。それは百も承知のうえでおすすめしたいのがマッコリ。
発酵飲料であるマッコリは、キムチ同様、乳酸菌を多く含んでいる。乳酸菌の整腸効果が腸内環境の乱れを防いでくれるというわけ。また、常温で楽しむことが多いため、胃腸を冷やす心配もない。焼き肉、キムチ、マッコリの布陣で攻めるべし。
ルール6.運動で500kcal消費したなら「中盛りご飯」を追加してよし
焼き肉を食べるときのご飯問題。肉の旨さにつられて食べたくなるが、運動をしていない日は我慢だ。理由は、焼き肉のタレだけで必要な糖質量は十分に摂取できているから。
「運動で500キロカロリー以上を消費した日は、むしろ中盛りのご飯を食べて糖質も摂っておきましょう。大盛りは、よほどストイックに有酸素運動をしたときに限りますね」
ルール7.ダイエットをしたいなら、この3種類だけをチョイス
現在、ダイエットの真っ最中である。そんな人は、「サラダ→キムチ→脂質少なめの肉」の3つをこの順で食べるのがおすすめ。ベジファーストでメタボの要因となる食後血糖値の急上昇を抑え、腸内環境を整える乳酸菌を含んだキムチを摂取。
そのうえで筋肉の材料となるタンパク質を含み、脂質の少ない部位を食べれば、ダイエットのための筋トレの効果も出やすいのだ。
素材の味を活かす韓国家庭料理 韓灯
北九州・小倉で長く愛された後、東京へ移転して十数年。本場の韓国家庭料理と極上の焼き肉が味わえる。東京都中央区月島2-8-12 AS ONE月島B1、03-3536-6635。17:30〜23:30、月曜定休。
※価格はすべて税込み表示で、取材当時のものです。