ゴッドハンドが選んだ、エッセンシャルなツボ7選。

鍼灸師、中医師、トレーナーなど「ツボ押しのプロ」30名にアンケートを実施し、高い評価を得た7つのツボをピックアップ。万能・優秀・的確に効くツボを覚え、健康管理に役立てよう。

取材・文/石飛カノ 撮影/幸喜ひかり スタイリスト/佐藤奈津美 ヘア&メイク/村田真弓 エクササイズ監修・指導/柳本真弓(目白鍼灸院院長、鍼灸師)

初出『Tarzan』No.891・2024年11月7日発売

エッっせんしゃるなツボ7選

1.足三里(あしさんり)|健脚の人・松尾芭蕉も養生に取り入れていた。

足三里

胃の不調や胃腸障害、消化不良などの改善が期待できる。その他、脚の疲れや膝の痛みにも対応。

「松尾芭蕉が健脚のツボとして紹介した、疲労回復や脚腰を支える万能ツボとしても知られています」(明治国際医療大学鍼灸学部部長、鍼灸学博士の伊藤和憲さん)

「胃腸調整、下半身強化、若返り、とくに下半身の調整に欠かせないツボです」(アスカ鍼灸治療院 院長の福辻鋭記さん)

ふくらはぎを後ろから支え持つようにして親指で押そう。

ツボの探し方

足三里

足三里

脛の外側の脛骨に沿って指を下から上に滑らせ骨のカーブで突き当たるところの外側。

2.合谷(ごうこく)|探しやすい場所にあり手軽に刺激できるツボ。

合谷

頭痛、眼の痛み、耳鳴り、歯の痛み、喉の痛みなど首から上に表れる痛みの症状の緩和が得意。手の甲のくぼみが谷のように見えるのが名の由来。

「痛みを軽減する際に広く用いられるツボです」(鍼灸学博士の和辻直さん)

「合谷への刺激が脳の中枢神経を介した鎮痛効果をもたらすと考えられています」(筑波技術大学保健科学部附属東西医学統合医療センター准教授の櫻庭陽さん)

指の股に親指を深く入れてつまむように刺激。

ツボの探し方

合谷

片手を反対側の手で摑み、人差し指と親指の間に親指を入れて第1関節を畳んだところ。

3.三陰交(さんいんこう)|その名の通り、3つの経絡が交わる要穴。

三陰交

「肝」「腎」「脾」の3つの経絡が交わるツボ。筋肉、血液、消化吸収に関わる不調の他、とくに婦人科系の不調に対して効果を発揮する。

「下肢や下腹部の冷えや血流を改善します。婦人科疾患や男性不妊にも有効」(公益社団法人京都府鍼灸師会会長の熊野利明さん)

「論文などでも効果の報告が多いツボです」(柔道整復師、鍼灸指圧師、カイロプラクターの坂本一志さん)

後ろから足首を挟んで親指で骨の際を押す。

ツボの探し方

三陰交

足首に対して垂直方向、内くるぶしに小指をつけて指4本分上の人差し指が当たる部分。

4.腎兪(じんゆ)|生命エネルギーを司る“腎”を癒やすツボ。

腎兪

全身不調の改善が期待できるツボ。腎臓や副腎などに関係し、水分やホルモンにも関わる。腰に手を当て両手の親指で押す。

「ストレス社会で被る不調やエネルギー消耗による不調を改善する万能ツボです」(白石鍼灸治療院 代表の橘広造さん)

「脊柱起立筋・腰方形筋に存在するため腰痛の改善に役立ち、臓腑の腎とも深い関わりがあるツボです」(帝京平成大学ヒューマンケア学部鍼灸学科准教授の皆川陽一さん)

ツボの探し方

腎兪

腎兪

ウェストのくびれの部分に両手を当てた高さ、背骨の両脇の筋腹の上にあるツボ。

5.百会(ひゃくえ)|頭のてっぺんにある超メジャーな名穴。

百会

「百」にも及ぶカラダの働きを司る多くの経絡が「会う」部分で、痛みや消化器不良、ストレスなど多くの不調改善が期待できる万能ツボ。頭のてっぺんに位置している。

「督脈に属し自律神経のバランスを整え、さまざまな症状の改善に効果的とされています」(北海道鍼灸専門学校校長の川浪勝弘さん)

「不眠や集中力の向上など現代人のあらゆる悩みに対応します」(aman治療院 院長のカピパラさん)

ツボの探し方

百会

百会

耳の上部に左右の親指を当て、ヘッドホンをするように4指を下ろして中指が合う部分。

6.内関(ないかん)|手首の腱の間にある反応点を狙う。

内関

ストレスから来る消化器のトラブルに有効なツボ。手の麻痺、神経痛などにも対応し、気持ちを安定させる。

「心包経のツボで手の指先から胸、肺を通って心臓に至るので心臓や肺の諸症状改善に有効」(統合針灸治療院元気 院長、鵜沼宏樹さん)

「車や船に乗ったときの胃のむかつきや酔いなどを緩和させることができます」(東雲鍼灸治療院 院長、仲嶋隆史さん)

手首を反対側の手で挟んで親指でプッシュ。

ツボの探し方

内関

掌の真下にある手首のシワに対して薬指を直角に当て、指3本分離れた部分。

7.太渓(たいけい)|滋養強壮と言えばココ。靴下の着脱時に刺激を。

太渓

消化器、泌尿器、腰痛、滋養強壮などに関わるツボ。探しやすい場所にあるのでセルフケアにもってこい。足首を後ろから摑んでくるぶしの下を親指で押す。

「泌尿器系の他、冷え性にも効果がある経穴で、特に下半身の冷えに効果があります。温灸やカイロがよりおすすめ」(福島県立医科大学会津医療センター教授、 漢方医学研究室教授の鈴木雅雄さん)

「重要な臓器、とくに男性機能のトラブルには有効です」(ソル・エ・マーレ鍼灸治療院 院長の滝澤幸一さん)

ツボの探し方

太渓

内くるぶしとアキレス腱の間を指でつまんだときに一番凹んでいる部分。

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