サプリ、スキンケア、美容点滴…。今注目の最新アンチエイジングアイテム。
アンチエイジングというと、ガッツリ美容医療を思い浮かべる人も多いだろうが、実はセルフでできて、研究機関お墨付きの様々なアイテムが登場している。そこで、今回はスキンケア、サプリメント、ギア、美容点滴など手軽にできる最新アイテム、注目成分を併せてご紹介。多少、値は張っても、投資する価値はあるかも!?
取材・文/廣松正浩、小田芳枝 撮影/北尾 渉
初出『Tarzan』No.869・2023年11月22日発売

目次
セルフ注射も!? 顔に針を刺して、確実にエイジング成分を届ける。
若返りのためにガッツリ美容医療を受けるのはハードルが高いけれど、かといって自宅でのセルフスキンケアだけでは心もとない。そんな悩みに応えてくれるのが超微細な針、マイクロニードルを採用した化粧品だ。
もともとは美容クリニックで肌の奥まで成分を浸透させるための技術を応用したもの。容器の先端が中空の針状になっているタイプや美容液の中に超微細な針を溶け込ませたもの、保湿成分そのものを針状に固めたものなどバリエーションも豊富で、目的や好みで選ぶことができる。使用時にマイルドな刺激を感じることがあるが、いかにも“効きそう!”と気持ちが盛り上がるエンタメ感も楽しい。
NMN商品はなぜ高額?
名だたる研究機関が安全性と抗老化効果を報告するNMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)は、いまなお大人気だが、どれもなかなかの価格。これは一体なぜ?
一般的にNMNの製造は化学合成法、または酵母発酵法による。化学合成法は生産性に優れるものの、製造の過程で使われる化学物質の一部に不安の声が残る。
一方、効率では分が悪いが安全性の高い酵母発酵法は、まず酵母からNAD(ニコチン酸アミドジヌクレオチド)を作り、これを酵素反応でNMNに変換する。だが、NMNはかさ密度(軽く充塡した体積当たりの質量)が低いため、十分量を経口摂取するには純度を上げ、小さくまとめる必要があるという。時間も手間もかかるのだ。
価格の理由を《パワーサプライNMN+》担当者も「酵母由来であることと、日本国内で生産した純度99%以上といった事情などによります」と明かす。
ただ、最近になって乳酸菌でも作れることが判明。今後もしかしたら低価格化もありえるか?
※価格はいずれも編集部調べ。
新たに注目のアンチエイジング成分とは?
サプリ先進国アメリカでは、いまなお抗酸化成分が花盛り。目的を連想させる商品名や容器の絵柄はいろいろでも、レスベラトロールや新顔のPQQが頻繁に顔を出す。
酸化を防いで、外見を若々しく保ちたいと願う執念と、認知症に対する強い不安も垣間見える。とどまることを知らない高齢化の波が打ち寄せる先進国では、こうしたサプリの人気が続きそうだ。
レスベラトロール
ストレス、紫外線などに反応して植物が作るポリフェノール化合物。実験容器内では多くのがん細胞株で血管新生を抑制することで増殖を阻み、細胞死(アポトーシス)を誘発するという報告が。また、高カロリー食にレスベラトロールを加えると、マウスの寿命が延びたとする研究もある。
MSM
正式名称はメチルスルフォニルメタン。自然に存在するイオウ化合物。変形性膝関節症の患者50人(40~76歳、アメリカ)を対象にした二重盲検無作為化比較試験で、メチルスルフォニルメタン(3g×2回/日、12週間)の摂取で痛みと身体機能の指標が改善されたとする報告がある。
PQQ
正式名称はピロロキノリンキノン。1979年に細菌から発見され、2003年に理化学研究所のチームが新しいビタミンとして機能していることを解明した補酵素。お茶や納豆、果実などに多く含まれる。PQQを含まないエサを与えたマウスは毛並みが悪くなり、繁殖能力も低下したという報告も。
※価格はすべて編集部調べ。
早くも話題、〈ヤーマン〉の目元リフトアップギアを試してみた!
イノベーティブな美容機器作りに定評がある〈ヤーマン〉。この秋の新作はなんと“伸びる電極”ともいえる通電性ストレッチ素材を採用したリフトアップギアだ。
〈YA-MAN TOKYO JAPAN〉デザインリフト
25,300円。WEBサイト
コントローラーは1個につき約11gと軽量で、ながら美容も快適。使用後はシートを軽く水拭きするだけで粘着力がキープできる。
これは、老け顔の原因となる目元のゆるみ対策、眼輪筋のケアに的を絞ったアイテムで、使い方は簡単。目尻をぐぐっと引き上げるようにL字形シートを貼ったら、マグネット式のコントローラーを装着してEMSレベルを選択するだけ。目元が若々しくリフトされた理想の状態でEMSトレーニングができるから、若かりし頃の表情が再現できるかも!というわけ。
〈iHerb〉担当者に聞く。いま摂るべきエイジングサプリ
日本食の頻度が減ると動物性の脂肪が増え、血清脂質のバランスが乱れがちに。魚介を食べる機会の少ない人にはオメガ3がいいだろう。加齢に伴い体内から減少していくコラーゲンの補給を習慣化したい向きには、サプリとしてではなく、食事の中に組み込んでしまうのがいい。健康に不安の募る中高年は、きのこ系を取り入れて、守りを固めよう。
※価格はすべて編集部調べ。
次なる美肌成分は、ヒト“歯髄”幹細胞エキス
新しい細胞が生み出されるときには、EGFやFGFと呼ばれる成長因子が分泌される。これらは細胞の再生や修復に関わる若返りのチート成分のような存在で、今やアンチエイジングの主流成分となっている。
では、その成長因子はどこから抽出してくるのかというと、再生医療でおなじみの幹細胞を育てる培養液の上澄み、つまり“幹細胞培養上清液”から。
さらに脂肪由来、臍帯由来など幹細胞にも種類があるなかで、近年注目されているのが歯の神経、“歯髄”由来の幹細胞培養上清液だ。成長因子の種類と量が多いとされ、それらを配合した化粧品も。
《ステムトリートメントローションセラム》《ステムトリートメントデュアルリペアセラム》
左/8,910円、右/5,940円。
東大との共同開発から生まれた歯髄由来のヒト幹細胞エキス、独自成分の「ENGY ステム S」を配合したエイジングケアシリーズ。右/15種類のビタミン類もブレンド。98mL。左/2層式美容液で、潤い、ツヤ、張り感などエイジング対策の全方位にアプローチ。30mL。共にレインカ。
アーユルヴェーダとアンチエイジング
インド亜大陸発祥の伝統医学、アーユルヴェーダ。世界最古の長寿科学ともいわれる、その叡智と治療法を取り入れた商品にも注目。
アーユルヴェーダには「ラサーヤナ」という、強壮や若返りのための療法があるほどで、まさに5000年の歴史あるアンチエイジング法だ。ただしその理論を我々が学び実践するのは少々難しい。なので、アシュワガンダやアムラといった伝統的なハーブを取り入れたサプリメントやドリンクから始めてみるのがいいだろう。免疫力がアップし体内環境が整うと同時に、アーユルヴェーダそのものへの理解も深まるかもしれない。
1万円超のシャンプー! 効かないわけがない豊富な栄養成分の手応え。
肌以上に深刻な悩みが、頭髪の老化。今すぐブレーキをかけたいなら、毎日のシャンプーに高額投資するという選択も。1万円超を目安に選べば、高品質な洗浄成分や育毛を助ける希少な栄養成分がふんだんに配合されている。当然洗い心地と洗い上がりの手触りは別天地レベル。かなり贅沢ではあるが、その価値ありのアイテムだ。
話題の再生医療、エクソソーム点滴ってどんな感じ?
アンチエイジング医療の入門編として、男女問わずに体験しやすいのが美容点滴だ。トレンドは、再生医療で注目を集めるエクソソーム点滴。
こちらは成長因子と同じく細胞から分泌され、細胞間でさまざまな情報を伝達するメッセンジャーの役割を果たす物質。その過程で抗炎症や抗酸化、組織の修復に関与するため、内側からの若返りケアを望む人の一助に。
エクソソーム点滴|33,000円
今回取材をしたクリニック〈タテバ芍薬〉では、隠れ家バーのようなカウンターで点滴を受けられるのが特徴。問診票の記入、医師の診断を経て、点滴自体は20分ほど。翌朝は疲労の軽減を、3日後からは肌の潤いに変化を感じた。理想は2週間に1回、計6回のワンクール。
NMN点滴|33,000円
エクソソーム点滴と人気を二分するのが、若返り遺伝子にスイッチを入れるといわれるNMN点滴。より明確な美肌効果を求める人に選ばれているという。体験後は「しばらくは朝の目覚めがよくなった気がする」「毛穴がキュッと引き締まって肌のキメが整った」との感想が。
神楽坂美容クリニック タテバ芍薬
- 住所:東京都新宿区神楽坂3-6
- TEL:03-6457-5021
- 診療時間:10:00~19:00 (最終受け付け18:30)
- 定休日:木・日
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