友野なおさん
教えてくれた人
日本公衆衛生学会、日本睡眠学会、日本睡眠環境学会正会員。行動療法からの睡眠改善、快眠を促す寝室空間づくりを得意とし、睡眠コンサルタントとして、講演や執筆活動など幅広く活動している。
睡眠不足が引き起こす4つの問題
モデルが着用しているのが「HUAWEI Band 8」。前シリーズの機種と比べて本体重量が軽く、バッテリー性能も向上している。
編集部
世界的にみても、日本人の睡眠時間は少ないと言われています。現在の睡眠事情はいかがでしょうか?
友野なおさん(以下、友野さん)
2021年にOECD(経済協力開発機構)が発表したデータでも、日本は最下位でしたね。
編集部
あらためて、睡眠不足が引き起こす諸問題を教えてください。
友野さん
大きくは4つあります。ひとつめが健康の弊害。風邪を引きやすくなったり、感染症にかかりやすくなったりと、あらゆる病気のリスクが上昇します。それから、睡眠不足だと太りやすくなるんです。
友野さん
睡眠と食欲は大きく関係していて、質の高い睡眠が取れていないとジャンクフードなどを好む、といったデータも出ています。
次が心への弊害です。様々な研究結果から、うつ病や不安神経症などのリスクが高まることがわかっています。
3つ目が脳機能。認知症の発症率を上げるだけではなく、感情の抑制ができなくてキレやすくなる。集中力や判断能力の低下、クリエイティブ能力やコミュニケーション能力なども低下します。
編集部
寝不足のままだと仕事のみならず、普段の生活すべてに影響があるわけですね。
友野さん
最後に見落とされがちなのが、行動への影響です。子どもであれば不登校、大人は「社会的引きこもり」になりやすくなります。海外の研究では、早期の退職率が増えるという結果も出ています。
睡眠は時間ではなく、質が重要
編集部
自分では寝れていると思っていても、実は「睡眠負債」を貯めている、つまり寝不足の人も多い。そこで、「まずは8時間睡眠を目指す」といった話になりがちですが、それで問題は解決するのでしょうか?
友野さん
睡眠は「時間」よりも「質の高さ」が重要なんです。ただ、それを自分で判断することはすごく難しくて。
編集部
本人は「寝れている」と思っているわけですからね。たとえば、睡眠の質をチェックできる「睡眠日誌」という方法もありますよね?
友野さん
いまのようにデジタルデバイスが普及する前は、日本睡眠学会でも睡眠日誌を推奨していました。
記録するのは「一日の合計睡眠時間」「就寝中に目を覚ました回数」「起きたときの気分」「起きている間の眠気が強かった時間帯」「寝床で横になっていた時間」などの項目です。
HUAWEI Band 8はスマートフォンとペアリングせずとも、デバイス上で睡眠データや心拍数、ストレス値などの身体データを確認できる。
友野さん
そうなんです。睡眠を研究しようにも、「よく眠れた」とか「眠れない感じがする」といった主観的な部分に頼らざる得ない部分もありました。完全に定量化しようとするなら、ずっとヘッドセットを装着して脳波を測ることになってしまうので。
友野さん
最近はスリープテックも発展して、計測データの精度が向上しています。質の高い睡眠を得るには、ウェアラブルデバイスを活用して、より正確なデータを基に自分の睡眠を客観視することが重要だと思います。
睡眠データ、ここをチェックすべき!
HUAWEI Band 8は、専用アプリ「HUAWEI Health」とペアリングすることで詳細な睡眠データをチェックできる。快眠に導くアドバイスも出るので、こちらも参考にしたい。
編集部
では、ウェアラブルデバイスで計測された睡眠データの、どの数値をチェックすべきでしょう?
友野さん
まずは、「深い睡眠」「浅い睡眠」「レム睡眠」の数値をみてください。睡眠学的にも、深い睡眠とレム睡眠はとても重要です。そのふたつがしっかり取れていないときに、浅い睡眠の数値が高くなる傾向があります。
編集部
レム睡眠も「浅い睡眠」に含まれると思っていましたが、ここでいう「浅い睡眠」はまた違ったものなんですか?
レム睡眠も浅い睡眠ではあるのですが、前者は感情や思考の整理、体がしっかりと休んでいる状態のことをいいます。かたや、浅い睡眠は「失神してるような睡眠」とか「ダラダラした睡眠」といった表現をよく使います。
友野さん
可能ならば、睡眠時の「音」もチェックしたいですね。騒音は睡眠の質に影響しますので、周囲の音が大きくて熟睡度が低いのであれば、カーテンを厚くしてみるのもいいかと思います。
編集部
ウェアラブルデバイスで「いびきの有無」をチェックができる場合、たとえば睡眠時無呼吸症候群の兆候を把握することも可能なのでしょうか?
友野さん
とくに男性で、日中の眠気が強くて困っている、仕事にならないといったお悩みがあった場合、いびきは大事な要素です。
ひとり暮らしの方ですと、いびきを知る術がありません。だから、従来は「起きた時に口が乾いてますか」とか「お酒を飲んで寝ていますか」「どの向きで寝ていますか」といった質問項目から評価するほかありませんでした。
いまではそれも「計測」できます。クリニックを受診するにしても、睡眠データがあると話が早いですね。
寝室にスマホを持ち込むことなかれ
2種類の睡眠モードからセレクトできるようになったのも、HUAWEI Band 8のポイント。画面点灯の有無を選べるため、夜中に通知などの光で覚醒することも避けられる。
編集部
睡眠の質を上げるために、いますぐ取り入れられることはありますか?
友野さん
ずばり、スマートフォンを寝室に持ち込まないことです!
編集部
持ち込むこと自体がダメなんですね。ついつい、スマホをいじりながら寝落ちしてしまいます…。
友野さん
絶対にダメです! そもそも、視界に入らないところにスマホが置いてあっても、緊張感が高まることがわかっています。
私が睡眠コンサルタントとしてアドバイスするときは、「視覚、嗅覚、聴覚、温熱感覚、触覚の“睡眠五感”をベースに、眠れる体と心と脳をつくっていきましょう」と言っています。
なかでももっとも大事なのが、視覚から入る光の情報です。
起きたらまず太陽光を15秒間、目に取り入れます。昼間も外で太陽の光を浴びる。それが叶わなければ、ランチ時にテラス席を選んだり、仕事中も窓際の席を選ぶようにする。家でリモートワークをしているのなら、カーテンを全開にしてください。
そうして、夜になったらやや暗めの暖色系の照明に切り替える。一日のなかで光のメリハリをつけることがすごく大事で、かつすぐに始められる方法です。
そして、就寝の1時間くらい前からパソコンやスマートフォン、テレビといったデバイスの光に暴露されないようにすること。それらを意識するだけで、その日から熟睡度は変わると思います。
HUAWEI Band 8では、睡眠測定のアルゴリズムを改善。測定精度が向上し、心拍数もより正確に測れるようになっている。
友野さん
とくにスマートフォンをベッドのなかに持ち込んでいる方だったら、より実感するはずです。
せっかく寝る前は画面を見ないようにしても、いざ寝る段になって睡眠データを計測しようとアプリの測定ボタンを押したら、本末転倒ですよね。
その点、ウェアラブルデバイスは意識せずにデータを記録してくれる。それがとても魅力的なんです。
編集部
たしかに、夜中に通知で画面が光るだけでも目が覚めることはあります。
友野さん
そうなんです。ですから、スリープモードに設定することをおすすめします。
そもそも、睡眠は夜の出来事だけではなくて、しっかり眠るためには昼間からできることがたくさんあります。
逆に言うと、日中にイキイキと活動するために、質の高い睡眠が必要なんです。みなさん、睡眠を語るとなると夜にフォーカスしがちなんですが、本来は24時間を語るべきなんです。
編集部
健康的な生活を送る上でも、自分の睡眠データを把握することはかなり重要ですね。
友野さん
食事や運動も大事ですが、研究を進めていくほどに睡眠がすべてのスタートラインだなと実感します。質の高い睡眠が取れていれば、食欲も正常になって、自ずとヘルシー思考になります。そして、活動意欲も湧いてくるので、運動習慣もついて健康的になっていく。
とくにコロナ禍になってから、睡眠のお悩みもすごく増えました。セルフケアの重要度が今まで以上に大事になるなかで、心と体の健康を守るためにも活用できるツールは積極的に取り入れていくべきです。
編集部
適正な睡眠時間や質を把握するには、どのくらいの期間を見ておくべきでしょう。
友野さん
睡眠日誌が推奨されていた時代は、最低2週間と言われていました。ただ、女性の場合は生理があるので、最低でも1ヶ月は続けて測ることが必要かなと思います。さらに、日本は四季があるので、季節によって状況は変化します。
編集部
できる限り、長期間でデータを計測することが眠りのパターンを見つける近道になる、と。
友野さん
人は、現状を知ると「改善したい」と思えてくるものです。睡眠データに限らず、ご自身のことを客観視するのは難しいと思うので、ウェアラブルデバイスは“健康状態を見つめてくれるパートナー”として接するのがいいと思います。
友野さんには取材に際し、発売前のHUAWEI Band 8を試していただいた。「付けていることを忘れるくらい」と驚いた軽さは、よい睡眠を邪魔しない。
INFORMATION
HUAWEI Band 8はミッドナイトブラック、エメラルドグリーン、サクラピンクの3色展開。8,580円と手頃な価格だが、十分な睡眠データが採れるだけでなく、心拍数・血中酸素などそのほかの24時間健康モニタリング機能も多数搭載。また、100種類のワークアウトに対応したスポーツモニタリングや、ペアリングしたスマートフォンからの通知も表示されるなど、スマートウォッチとしての機能も充実している。WEBサイト
ファーウェイ コールセンター
TEL:0120-798-288
※本製品は一般的なウェルネス・フィットネス目的の製品であり、医療機器として設計されたものではなく、病気などの診断、治療、予防の目的にはご使用いただけません。