猫背を改善したいなら。自宅でセルフマッサージ＆ツボ押し

3ステップの「スポーツマッサージ」で改善

両肩が前に出て左右の肩甲骨が離れ、背中が丸まる猫背は背中のトラブルの元凶。

猫背が直ると背すじが伸びて姿勢が良くなり、肩こりも軽くなる。肩を前に引っ張る胸の小胸筋を緩め、お腹を腹巻きのように包む腹横筋を活性化して腹圧アップ。猫背矯正に努めよう。

ステップ① 胸を温める

お祈りをするように、両手のひらを胸の前で合わせる。肘を左右に開いて、前腕を床と平行にする。

手のひらを思い切り30秒ほど強く押し合うと、ふるえ熱産生で胸の筋肉が温まり、筋肉が緩みやすい。

ステップ② 小胸筋のマッサージ

肩の斜め下にある凹み（小胸筋）に、反対の手のひらを押し当てる。

手のひらでゆっくり大きな円を描くように10～20秒ほどマッサージする。左右を変えて同様に行う。

ステップ③ 腹横筋の指圧マッサージ

両足を腰幅に開いてまっすぐ立ち、へその高さで脇腹の左右に親指を押し当てる。そのまま深く押し込み、10～20秒ほどマッサージ。

この刺激で腹圧が上がり、丸まった背骨が伸び、猫背が直りやすい。

2箇所を刺激する「ツボ押し」で改善

前屈みの姿勢が続くと、肩甲骨は開いた状態でロックされてしまう。これを外すのに有効なのが「肩貞」。押さえながら肩を回し、効率的にほぐそう。

また、首が前に倒れるストレートネックも猫背を促進する要因。首の後ろの「大椎」を刺激しつつ首を動かして、解消を。

肩貞（けんてい）

場所：脇の下のシワの後ろ端から2cmほど上がったところにあるくぼみ。

押し方：中指で押さえ、後ろ回しに円を描くようにしながら10回、押し揉む。反対側も同様に行う。肩こりや頭痛、五十肩対策にも役立つので、覚えておくと便利。

大椎（だいつい）

場所：下を向いたときに最も出っ張る首の骨、第7頸椎のすぐ下にあるくぼみ。

押し方：中指で押さえ、頭をゆっくりと上下に10回動かす。最後に正面を向きながら、二重顎を作るように顎をぐっと引いて、頭の位置を後ろ気味にセットするとなおよい。

スポーツマッサージ：取材・文／井上健二　撮影／マルコ・ペルボニ　スタイリスト／高島聖子　ヘア&メイク／村田真弓　マッサージ監修／高林孝光（アスリートゴリラ鍼灸接骨院院長、鍼灸師、柔道整復師）ツボ：取材・文／新田草子　撮影／中島慶子　スタイリスト／高島聖子　ヘア&メイク／天野誠吾　イラストレーション／野村憲司（トキア企画）　マッサージ監修／寺林陽介（六本木・寺林治療院院長、あん摩マッサージ指圧師、鍼灸師）

初出『Tarzan』No.845・2022年11月2日発売

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