問1. 高血圧となる数値を次の中から選べ
- 120mmHg/80mmHg
- 120mmHg/95mmHg
- 130mmHg/80mmHg
血圧とは、血管を流れる血液が血管壁を押す力(圧力)のこと。血圧は、心臓がドクンと拍動して血液を送り出すとき(収縮期)に最も高くなり、次に送り出す血液を溜め込むとき(拡張期)に最も低くなる。
それぞれ、高くなったときの血圧を「収縮期血圧(または最高血圧)」、低くなったときの血圧を「拡張期血圧(または最低血圧)」といい、一般的には「収縮期血圧/拡張期血圧」の形式で表記される。
全身の血液量が少なくなったり、血管が拡張して血液がスムーズに流れれば血圧は下がり(低血圧)、反対に血液量が多くなったり、血管が収縮して血液が通りにくくなると血圧は上がる(高血圧)。
動脈硬化などの命に関わる病気を招く恐れがあり、日頃から意識したいのが後者である「高血圧」だ。病院や健康センター、スポーツジムなどでよく血圧測定器が設置されているのは、日常的に数値を確認することで心臓病や脳卒中など重症度の高い疾患が発症するリスクを評価するためでもある。
トレーナーは“診断”こそできないが、リスクが潜む高血圧の基準となる数値は頭に入れておきたい。
日本高血圧学会「高血圧治療ガイドライン2019(JSH2019)」では、成人における血圧値が下記の通り分類されている。
日本では病院やクリニックなどで測る「診察室血圧」と自宅で自分で測る「家庭血圧」が診断基準に用いられるが、ここでは診察室血圧の数値を参考までに。
- 正常血圧:120mmHg未満/80mmHg未満
- 正常高値血圧:120〜129/80mmHg未満
- 高値血圧:130〜139/80〜89mmHg未満
- 高血圧(Ⅰ度):140〜159/90〜99mmHg
- 高血圧(Ⅱ度):160〜179/100〜109 mmHg
- 高血圧(Ⅲ度):180mmHg以上/110mmHg以上
高血圧の診断基準は、収縮期血圧が140mmHg/拡張期血圧90mmHg以上。いずれかが超えるだけでも高血圧となる。というわけで問いの答えは2。
問2. クールダウンの目的で正しいものはどれ?
- 筋肉の硬直を防ぐ。
- 血液の循環をよくする。
- 筋温を上昇させる。
運動をすると交感神経が優位になり、心拍数上昇や血管収縮が起こるため一時的に血圧は上昇する。これはイメージがつきやすいだろう。
ならば血圧が高い人は運動をしてはいけない? 否。実は適度な運動をした後は、むしろ運動前よりも血圧が下がりやすいことがわかっている。その理由はこう。
運動中にたくさんの酸素や血液が全身に運ばれることで、血管が拡張している状態=血流がいい状態が運動後もしばらく続くことになる。さらに一度血圧が上がると次に副交感神経が優位になり、心拍数の低下や心収縮力が弱まる。つまり血液がスムーズに流れる条件が整い、血圧が下がるというわけだ。
ただし一つ注意がある。それは“運動を急激にストップしてはならない”ことである。運動を突然中止すると血液を心臓へ送り返すポンプ機能が停止し、血液がカラダの中で鬱血して心臓に戻るのが遅くなる。
これは酸素が心臓や脳に供給されにくい非常に危険な状態であり、ときには意識が朦朧としたり、めまいが起こったりすることもある。
クールダウンには心拍数がある程度下がるまで酸素と血液を全身に供給し、筋肉の硬直を防ぐという意味もあるのだ(答えは1と2)。