老若男女が楽しめる、巨大ボールを打ち合う競技「キンボール」って?
巨大なサイズのボールが目を引くこの競技は、「キンボールスポーツ」と呼ばれるボール競技。扱いなれないボールサイズゆえに、一見すると難易度が高そうだが、実は誰でも楽しめる競技だという。日本キンボールスポーツ連盟の理事長である今泉良正さんに、キンボールスポーツの魅力を聞いてみた。
取材・文/菅野茂雄
教えてくれた人
今泉良正さん/いまいずみ・よしまさ 一般社団法人日本キンボールスポーツ連盟・理事長。宮城県・文部科学省総合教育政策局CSマイスター、宮城県連盟前会長。
「キンボールスポーツ」ってなに?
「キンボールスポーツは、カナダで生まれました。創案者は、モントリオール大学体育学部卒のカナダ人体育教師のマリオ・ドゥーマス氏です」(今泉良正さん)
若年層の“無気力”や“無関心”といった問題を打開するために、“感動の共有”と“協調性”を高めるために新しいスポーツを考案したのが始まり。1986年には、カナダ・ケベック州キンボールスポーツ連盟が政府公認のもと設立され、現在の世界の競技人口は、500万人以上だという。
「日本では、1998年にキンボールスポーツ連盟日本支部が設立され、連盟登録者数だけで、2万人を超えました。学校・地域のレクリエーションを始め、クラブ主催大会、全国マスターズ大会、ジャパンオープン・チャンピオンズカップなどの国内大会、さらには、アジアカップ、ワールドカップといった国際大会まで様々なレベルの試合が行われています」(今泉良正さん)
紹介動画はこちら!
キンボールスポーツのルールは?
プレイ人数は1チーム4人で、3チームが同時に試合を行う。チームカラーは、ピンク、グレー、ブラックの3色。ゲームのスタートは、3人でボールを支え、コール(攻撃する相手チームを宣告)後に1人のプレイヤーがヒット(ボールを打つ)をする。
コールされたチームは、ボールが床に落ちる前に、カラダを使ってレシーブ。レシーブに失敗すると他の2チームに得点が入る。ちなみに、コールの対象チームは、自チームより上位のチームに限られ、万が一、下位チームを攻撃した場合は反則。
これらの動きをレシーブミスや反則があるまで繰り返す。
試合の勝敗は、得点制と時間制があり、あらかじめ決められた試合形式により定められている。
キンボールスポーツに必要なものは?
実際にキンボールスポーツをやってみたい!となった場合、どのような物が必要なのだろうか?
「まずは、コートですが、基本的に室内競技なので体育館で行われます。最大20m×20mで、参加者の身体条件や年齢などを考慮してコートサイズを決めます。正方形でも長方形でも構いません。
ボールは、直径1.22m重さ1kgです。国際大会などでは、パンパンに空気を入れたボールを使用するので、レシーブ側には結構な衝撃があります。ですが、参加者の状況次第で空気圧の調整をしています。あとは、チームカラーを示すゼッケンと3チーム表示のスコアボードが必要です」(今泉良正さん)
誰でも主役になれるのが魅力
身体条件や年齢など、参加者に合わせてルールをアレンジして楽しむキンボールスポーツ。今泉さんが考える、その魅力とはなんだろうか?
「なんといっても誰でもプレイが楽しめるというポイントです。他のボール競技と違って、運動能力の差が出にくいので、どなたでもプレイできますし、得点設定やコートサイズなど、参加者のレベルに合わせた柔軟な対応が可能なのも魅力です。プレイヤー全員が主役になれるスポーツなんです」(今泉良正さん)
キンボールスポーツを始めるには?
キンボールスポーツが誰でも楽しめる競技だとしても、ボールやコート、スコアボードなど、必要な道具はそれなりにある。実際にプレーをしたくなったら、どうするのが近道だろうか?
「日本には、ほとんどの都道府県に支部がありますので、公式サイトからお問合せください。用具の購入、レンタルも可能です。また、指導者資格制度、レフリー資格制度の取得を目指す方も募集しています」(今泉良正さん)
公式サイトでは、「仲間を集めてキンボールがしたい」「どこかの練習に参加したい」という風に、好みの楽しみ方に合わせたキンボールスポーツの始め方もガイドしている。普段とは違ったスポーツで汗を流したくなったら、挑戦してみてほしい。