寺川綾が教える3種目のバランスボールトレ! 心身を楽しくリフレッシュ

トップアスリートである寺川綾さんも、現役引退後にはカラダの不調を実感したという。そんな彼女が実践している、リフレッシュに最適なバランスボールトレを教えてもらおう!

取材・文/徳原海 撮影/矢吹健巳 ヘア&メイク/住本由香

初出『Tarzan』No.815・2021年7月21日発売

引退後に感じたカラダの変化。

かつてロンドン五輪で銅メダルを獲得するなど

競泳女子背泳ぎのエースとしてその名を轟かせ、スポーツキャスターとして活躍する現在も50m背泳ぎ、100m背泳ぎの日本記録保持者であり続けている寺川綾さん。

寺川綾
寺川綾(てらかわ・あや)/1984年、大阪府生まれ。2004年アテネ、2012年ロンドンと五輪2大会に出場し、ロンドンでは個人とリレーで銅メダル。50m、100mの女子背泳ぎ日本記録保持者。現在はスポーツキャスターなど多方面で活躍中。ミズノ所属。
写真提供/アフロ

そんなトップアスリートでさえ、2013年に現役を退いてからはこんなカラダの変化を感じたとか。

「それこそ昔は“肩が凝るってどんな感じなんだろう?”と思っていたんですけれど、選手時代に水中にいる時間が長かった分、競技を離れて日々重力のかかる空間で過ごすようになって腕や頭が重く感じたり、それによってメンタル面での浮き沈みもあったり。やはりカラダがフィットしていてこそ健全な毎日が送れるんだなあと強く実感しました」

そこで日常に取り入れたのが、現役時代から馴染み深かったというバランスボールのトレーニングだ。

「シンプルなのにストレッチから筋トレまで多様な用途があって、全身をくまなく動かせる点でも水泳と親和性が高かったように思います。小さくまとめられるので合宿や遠征先に持っていくのにも便利でした。そして何より、バランスボールって純粋に楽しいんですよ。そこは私の中でトレーニングを負担に感じず行ううえでとても大事なポイントですね」

確かに今回提案いただいたメニューはどれもバランスボールなしでも可能だが、あることで遊び感覚が加わってよりストレスなく楽しめる。

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水泳の動きとリンクした「肩甲骨トレーニング」。

寺川綾

写真の体勢からボールをカラダと平行に転がすイメージで添えた手をスライドさせ、前方に真っ直ぐ突き出してまた戻す。肩甲骨が動いていることを意識しながら、左右10回×3セット。

「どこか水泳の動きにも似た、肩甲骨を開いて閉じるトレーニングは肩こり予防に。ボールを使うことで左右対称にやりやすいんですよ」。

内転筋にも効く、ボールを挟んでの「ヒップロール」。

寺川綾

仰向けに寝た状態で脚を左右に大きく振って腹斜筋を鍛える「ヒップロール」。そんなお馴染みのメソッドをバランスボールを両脚で挟んで行うのが寺川さん流。10往復×3セット。

「腹筋だけでなく内転筋にも効きます。通常のトレーニングにいろんなプラスのメリットをもたらしてくれるのがバランスボールの魅力です」。

遊び感覚で鍛えられる! 進化系「レッグレイズ」。

寺川綾

腹直筋下部を鍛える「レッグレイズ」を進化させたのがコレ。脚上げと同時に上体も起こして脚で挟んだボールをキャッチし、今度はボールを両手で抱えて元の位置へ。可能なら10往復×3セット、苦手な人は5往復×3セット。

「これは結構きついですが(笑)、程よく遊びの要素があるので思いのほか楽しみながらできます」。

「これ一つリビングに置いておくだけで、気が向いた時に上半身、下半身をバランスよく動かせるので手軽に心身をリフレッシュできますね。何なら私はテレビを観る時なども無意識にバランスボールの上に座りながら揺れていますよ(笑)」