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ジュニア時代からトップ選手として活躍し、男子新体操界でその名を轟かせた三つ子がいる。それが佐藤三兄弟だ。新体操の名門・青森大学を卒業し、今はパフォーマーとしての道を歩み始めた。アクロバティックな演技で、まず重要なのが股関節と言うのは長男の綾人さん。
「男子新体操には、深く、美しく、大きくという言葉があります。深くというのは、たとえば腰を落とすような動作で、どこまで深く沈み込めるかといった意味。より深く見せるためには股関節の柔軟性が必要」
もちろん柔らかさだけでは、求められる大きな演技はできない。筋力も大切だと三男の嘉人さんは言う。
「太腿の内側の筋肉と、股関節まわりの筋肉はバック転やバック宙の高さを決めるんです。ジャンプするときは、実は全身が棒のように一直線になると、地面からの反力が大きくなって高く跳べる。股関節まわりの筋力が弱いと、この棒のような状態になれず、グシャッとつぶれる。そうすると、反力が小さくなって大きな演技はできないんです」
三兄弟が行うストレッチを三男の嘉人が実演。
演技の際は、流れの中での“変化”を考えていないとダメ、とは次男の颯人さん。
「深いところから高いところへ。小さい動きから、大きな動きへ。差があればあるだけ見応えがある。股関節の柔軟性と筋力は、その変化の自由度を増してくれると思っています」
新体操という圧倒的な武器を手に、佐藤三兄弟はより高い次元へと進もうとしている。その素材はダンス。
「ただ、ダンスは難しい。動きが速いので、股関節を使って左右の体重移動をすばやく行わないといけない。でも完成すれば新しいパフォーマンスになると思います」(綾人さん)
取材・文/鈴木一朗 撮影/小川朋央 スタイリスト/高島聖子(佐藤三兄弟)
初出『Tarzan』No.814・2021年7月8日発売