股関節を柔らかく&体幹を鍛える。太極拳の4つの動き
股関節を使う運動はあまたあれど、この3つの股関節トレなら願い通りのカラダが手に入る。ヨガで正しい姿勢を、バレエでしなやかに開脚を、そして太極拳で強い体幹を。自在に動かして、強い股関節の御利益に与かろう。
取材・文/石飛カノ イラストレーション/竹田嘉文
初出『Tarzan』No.814・2021年7月8日発売

太極拳で股関節&体幹を鍛える。
太極拳の基本姿勢は股関節を緩めて中腰で立つというもの。股関節の可動域とブレない体幹が肝になる。
「ただしこれは健康目的の太極拳ではなく“基本功”や“太極功”という武術の太極拳の話です。股関節を柔らかくし、背骨や腰を主体とする体幹の力を四肢に伝える。全身が一体となって動くということが重要です」と言うのは、医療気功の専門家、鵜沼宏樹さんだ。
教えてくれた人

「ラバーチューブなどの負荷がかかった状態をイメージしながら鍛錬していくと、リラックスした状態で相手を倒すことができます。これはスポーツのパフォーマンスアップにも必ず役立つはず」
ウォーミングアップとして「弓歩(きゅうほ)」「仆歩(ぼくほ)」を行った後、2種類の“基本功”を行う。といっても頭の中で想像力を駆使して負荷をかけるので、やりすぎは心身の疲労につながる。各10回程度に留めておくこと。
ステップ① 弓歩(きゅうほ)
- 両手を前脚の太腿の上に乗せて前後に開脚。
- 次に後ろ足の踵を浮かせる。
- 呼吸に意識を向けると重心が自ずと下がっていく。
- 左右行う。
ステップ② 仆歩(ぼくほ)

- 今度は両足を真横に開いて重心を下げていく。
- 呼吸に意識を向けると
- 股関節まわり、仙腸関節まわりの筋膜が緩んでくる。
- 左右行う。
ステップ③ 開合昇降法
- 空気の入ったゴムボールを抱えて
- 全身で押しつぶすようなイメージで重心を下げる。
- 伸び上がるときはゆっくりボールを膨張させる。
ステップ④ 前後纏絲(てんし)法
- 手首から腕全体がラバーチューブで逆方向に引っ張られているようなイメージで行う。
- 手だけ動かすのではなく股関節の力で腕を戻す。
※濃いピンクの矢印が腕の動き、薄いピンクの矢印がイメージ上のラバーチューブの動きです。