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【棚橋弘至・連載】第4回:減量への固い意志表明。100日後に仕上がる棚橋!

©️新日本プロレス

新日本プロレス「100年に一人の逸材」棚橋弘至。『Tarzan』本誌で連載していたコラムが、TarzanWebにお引っ越し。大胸筋のように厚く、起立筋の溝のように深い筋肉コラム第4回のテーマは「減量」について。

減量で生まれる“良い連鎖”。

ついに始動しました。決意したのです。それはもう、かなり強固な決意であって、今後の現役生活を左右するであろう案件なのです。

と、大げさな煽りで始まりましたが、ダイエットを始めただけです。いちアスリートとしては「ダイエット」というよりは「減量」という言い方の方がしっくりくるかもしれませんね。

さて、具体的にどうしたいか? なのですが、筋肉量を落とさずに、体脂肪だけを落としたいのです。もっと理想論を言うと、減量中もトレーニングはハードに行い、体脂肪率はどんどん落ちていくけれども、筋量は増えていくイメージ。

体脂肪を落としていくと、筋繊維が浮き出てカットが出てきます。カットとは一つ一つの筋肉部位がはっきりと分かれて見えることを言います。そうなってくると不思議なことに体重は落ちても、カラダが大きく見えてくるという現象が起きます。

こうなるとビジュアル的に美しい。そして、大きく見える。なおかつ、体重は軽くなっているので膝への負担が軽減されるという良い連鎖が生まれます。プラスアルファでビジュアルが決まると自信を持ってリングに向かえるという、さらに良い効果があります。

そう、あれです。デート行くときとかに、私服のコーディネートがバッチリ決まると「よしっ!」って、気分が上がるじゃないですか。同じです(笑)。

ビジュアルは「リング上での活躍」に直結する。

えっ? と、思っているそこのあなたのためにさらに説明しておきましょう(脱線上等)。例えば、同じ実力の選手がいたとします。自信満々の選手と、そうでない選手が闘ったとしたら、自信を持っている選手の方が実力を発揮出来そうな気がしますよね。スポーツの分野でもメンタルトレーニングが重要視されている昨今、どういった心理状態で競技に臨むかが大事なのです。

で、話を戻すと、ビジュアルを自信に変えていくタイプの僕は、試合前にどれだけ準備できているのかがとても大切で、リング上での活躍に直結していると言っても過言ではないのです。

実際、2015年(30代後半)あたりまでは、思うように体重(体脂肪)をコントロールできていて、年間を通してコンディションを維持できていました。それが、40代になり(厄年とも重なり)新日本プロレスのメインストリームからフェードアウトしていくことになります。

悔しかったですね。自分では、まだできる! まだ動ける! と思っていても、年々落ちていくカラダのキレ。原因は調整失敗にありました。ある程度の期間、節制した生活を送れば。バシッとコンディションを整えられた30代とはもう違っていたのです。

年齢に合った調整法が必要だったのに、今までやってきた方法を盲信し過ぎた結果でした。そこで、理想の体に近づけるため、ある企画を考えました。

ナイスアイデアに落とし穴…。

それが2年前から年末に開催されている「新日本プロレスコンクルソ」。

レスラーによるボディビルコンテストですね。その結果、年末にはある程度、カラダも仕上がり、年間最大のビッグマッチ、東京ドーム大会に出場できることになりました。我ながらナイスアイデアでしたね。

しかし、落とし穴がありました。1月のドーム大会を終えると、反動で2月にはもう太っていたのです。ええ、リバウンドってやつです。プロレスは年間を通して試合があるので、常に良い状態でいるのが理想です。

飯伏幸太選手なんかは、常に同じ状態を維持しているので、素晴らしいですね。一方、棚橋の体重のアップダウンときたら…。マジで±10kgで増減を繰り返しますからね。絶対、カラダにも良くないですよね。

というわけで、長い長い前置きになってしまいましたが、現在、絶賛減量中です。そして、その決意がちゃんと続くようにタイトルも決めました。それは「100日後に仕上がる棚橋」。

棚橋弘至選手
2020年末のコンクルソのときの仕上がり(100日後の目標)
©新日本プロレス

はい、これでやるしかなくなったわけですね。退路を断ちました。この計画、現在41日目(7月2日現在)。−5kgくらいですね。

棚橋弘至選手
「100日後に仕上がる棚橋」42日目(7月3日撮影)

まだまだ、お腹周りの脂肪にあまり変化はありませんが、引き続き強い意志でやっていきます。

「変動基礎代謝制」をいかに打破するか。

そして、やっと、ここからが本題です。体脂肪を落とすには、どういったやり方があるのか? ということです。

普通、考えてしまうのは、運動量を増やそう、とかだと思うのですが、いろんなサイトや書籍、『Tarzan』なんかを読み込んでみると、運動ももちろん大切なのですが、どうやら食事内容の方が比重が大きいということが分かってきました。

そうなのです。何を食べているかで、体型が決まると言っても過言ではないのです。逆に言うと、体型を見れば何を食べているのかが分かってしまうということでもあります。

人には基礎代謝というものがあります。これは、1日何もしなくても使われるカロリーの事です。この基礎代謝より摂取カロリーが多ければ太るし、少なければ痩せるということですね。そう、減量とは簡単な足し算引き算なのです!

…と言いたいところですが、この基礎代謝が曲者なのです。摂取カロリーが少なければ、少ないカロリーで生きていくために基礎代謝が下がります。分かりやすくいうと、カラダが省エネモードになってしまうのです。理想は高い代謝のまま、カロリーの少ない食事を続けていき、ガンガン体重が落ちて欲しい。

しかし、変動基礎代謝制(造語)とでも言いましょうか、ここにやられます。基礎代謝が落ちると、体重も落ちなくなるのです。そこで、考えられるのは、チートデイといって、ある程度節制した食事を続けながら、時々たくさんカロリーを摂って基礎代謝を通常に戻すことが大事になります。

…なりますが、このチートデイのさじ加減がとても難しい。ついつい食べ過ぎてしまったり、1日だけの予定が、2日、3日と伸びてしまったり…。

そんなとき、重要になってくるのは、目標ですね。なぜ体重を落としたいのか? ダイエットを始めるときに「なんとなく始める」のはオススメしません。必ずしっかりとした目標を決めることが大切です。そうすれば、きっと理想の体型に近づけるはずです。

え? 棚橋の目標は何なのかって? それは、もちろんもう一度、頂点に立つこと。IWGP世界ヘビー級王者になることに、決まってるでしょーが!

次回「100日間ダイエット経過報告」の予定です。

棚橋弘至

たなはし・ひろし/1976年生まれ。新日本プロレス所属。立命館大学法学部卒業後、1999年デビュー。低迷期にあった同団体をV字回復に導き、昨今のプロレスブームをリング内外の活動で支える。

本連載『モテ筋肉でいいじゃないか』は毎月・第2金曜日に公開予定。次回は、2021年8月9日に公開予定です。

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