問1. A、B、C、Dそれぞれに当てはまるものを答えよ。
私たちが普段“筋肉”と呼ぶ骨格筋は、細長い線維(細胞)の束から構成されている。「筋原線維(D)」が束になって形成されたものを「筋線維(C)」、筋線維の束を「筋線維束(筋束)(B)」、そして筋束の集まりを「筋(骨格筋)(A)」という。
このうち神経の源である運動ニューロンから電気信号を受け取り、収縮により動作を生み出すのが「筋線維」である。運動ニューロンとそれに支配される筋肉群を「運動単位」と呼び、強度の低いトレーニングを行うとまずは小さな運動単位(遅筋線維)が活動し始め、強度を高めていくと大きな運動単位(速筋線維)が動員されるという特徴がある(これをサイズの原理という)。
ちなみに、一度筋線維が刺激を受けるとその筋線維は完全に収縮し、部分的な収縮は起こらない。つまりスクワットなどの強度の高いトレーニングを行うと多くの筋線維が使われ、運動効果が得られやすいわけだ。
問2. 骨格筋の中で最小の構成単位はどれか?
- ミオシンフィラメント
- サルコメア
- アクチンフィラメント
円柱状のタンパク質構造が平行に走る「筋原線維」。この筋原線維の最小構成単位を「サルコメア(筋節)」という。細いアクチンフィラメントと太いミオシンフィラメントからなるサルコメアは、筋原線維の全長に合わせて規則的に配列され縞模様に見えることから横紋筋と呼ばれている。
アクチンとミオシンフィラメントが互いに横滑りしてすべてのサルコメアが同時に短くなると、筋全体の収縮が起こる。この収縮装置のおかげで効率的に大きな収縮力が得られ、運動、姿勢保持、呼吸といった生命機能の維持に繋がっている。
問3. 次の筋線維は、遅筋線維と速筋線維どちらに分類されるか?
- タイプⅠ線維(遅筋線維 or 速筋線維)
- タイプⅡa線維(遅筋線維 or 速筋線維)
- タイプⅡb線維(遅筋線維 or 速筋線維)
筋線維はいくつかのタイプに分けられる。そのうちの一つが、遅筋と速筋線維に分類する方法だ。
まずは遅筋に分類されるタイプⅠ(SO線維)から見ていこう。このタイプは酸素供給を促進するミオグロビンと脂肪の酸化を促進させるミトコンドリアの量が豊富で、疲労に対する抵抗力が強いという特徴がある。筋肉の収縮と弛緩の速度は遅く大きな力は出せないが、3分以上筋収縮を繰り返すエクササイズやウォーキング、マラソンなど、持久力を要する有酸素運動を行う際に使われる。
次に、速筋に分類されるタイプⅡa(FOG線維)。タイプⅠとⅡb線維両方の特徴を併せ持つこのタイプが発達している人は、30秒から2分程度の中距離走や競技ダンスに向いている。
そして同じく速筋に分類されるタイプⅡb(FG線維)。瞬発的な力強い動きに適したこのタイプは、ウェイトトレーニング、短距離走、跳躍種目に向いている。