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ローカルとシティを自在に行き来する、《エクリプス クロス PHEV》の実力

《エクリプス クロス PHEV》を試した人・黒澤祐美(くろさわ・ゆみ)/1986年、神奈川県生まれ。蓼科へ移住し、〈HYTTER LODGE & CABINS〉のPRとライターの二足の草鞋を履いて活動。趣味は登山やトレラン。スポーツインストラクターの資格も持つ。

奥深い山中でも電気が使える。《エクリプス クロス PHEV》は、アウトドアを主戦場とするライター兼キャンプ場スタッフの強い味方だ。

世間は春めいてきたが、こちらはまだまだ積雪が残る蓼科のキャンプ場〈HYTTER LODGE & CABINS〉。名残惜しそうに今季最後の雪上キャンプを楽しむのは、本誌をはじめライターとして活躍する黒澤祐美さん。

実は彼女、今年意を決して、神奈川から長野へと移住。新たにキャンプ場のPR担当という肩書きが加わった。仕事の合間を縫って仲間とするキャンプは格別。その脇に停車するのは、三菱の《エクリプス クロス PHEV》。

エクリプス クロス PHEV
【全長】4,545×全幅1,805×全高1,685mm【エンジン】2,359cc、4B12MIVEC4気筒DOHC16バルブ【乗車定員】5名【カラー】7色【燃費】16.4km/L(ハイブリッド燃料消費率WLTCモード)、EV走行換算距離=57.3km(WLTCモード)【車両価格】3,848,900円〜(税込み)

昨年暮れにマイナーチェンジを果たし、待ちに待ったプラグインハイブリッド仕様が登場したこのクルマに乗ってもらいたかった理由がある。というのも、スノボや登山で汗を流すアクティブ派で、日頃から《アウトランダー》を愛車にする三菱ユーザーだったから。

「クルマはアウトドアを楽しむのに不可欠な相棒でした。最初の頃は何より移動することが大好きで、見た目は二の次で乗れればいいやくらいの感覚。そんなカーライフの中で出合ったのが、アウトランダーだったんです。ダイナミックシールドを配した精悍なフロントフェイスは私好み。初めて心から欲しいと思えるクルマを手に入れた感動もあったのか、山へ行く機会も格段に増えて、いつの間にか蓼科へ移住しちゃいました(笑)」

ダイナミックシールド
三菱の新しい顔・ダイナミックシールドは街でも山でも映える。
トランク部分
登山用の大容量バックパックも楽々積める。

そんな運命的なモデルとエクリプス クロスは兄弟分。素人目には見分けがつかないが、黒澤さんの目にはどう映るのだろう?

「クールでかっこいいですよね。アウトドアに寄りすぎず、都会に寄せすぎず、ちょうどいい面持ち。東京に出向いても、そのまま街に溶け込む雰囲気だし、コンパクトだから狭い道もストレスなく通り抜けてくれそう」

と、山道でステアリングを握りながらの印象は上々。プラグインハイブリッドならではの静かな走りもだいぶ気に入ってくれたようだ。ちなみにフル充電で走れる距離は57km。普段はEVで、東京に出張するときはガソリンで発電しながら。自然に優しい使い方ができるのも黒澤さんにぴったりな気がする。

どこでも事務所に早変わり
AC電源でパソコンも給電可。テーブルと椅子を積んでおけば、どこでも事務所に早変わり。

「何といっても、荷室に備わった充電用コンセントが嬉しいですね。プロのトレイルランナーをサポートする仕事もやってるんですが、コースや路面を事前に確認することも多くて。そのつど、車内でPCを広げて作業するんですが、山の中で充電が切れたら一巻の終わり。これならそんな心配もいらないですよね。やっぱり三菱ってアウトドアユーザーの強い味方。移住記念に乗り替えようかな」

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後部座席のAC電源
後部座席のAC電源は1500W給電が可能。

充電の差し込み口
左が普通充電(目安は4.5時間)、右が急速充電(25分、80%)の差し込み口。満充電の状態で、一般家庭の約1日分の電気量を賄うことも可能。

SAVE/CHRGスイッチ
コンソールに備わったSAVE/CHRGスイッチ。これを押すと、走行中も停車中も駆動バッテリーに電気が貯まる仕組み。

大型ディスプレイ
スマホと連携した8インチの大型ディスプレイもドライブの良き相棒。

モータージャーナリストが語る、「このクルマを買うべき理由」。

1回のフル充電でEV走行できる距離は57km。平日は電気で賄い、週末の遠出は主にガソリンで、というW使いができ便利です。バランスの取れたプラグインハイブリッドは、戦車のように4輪が独立したS-AWC(スーパーオールウィールコントロール)を搭載した名車ランエボ譲りの足回りも頼もしい。無駄なく駆動力をタイヤに伝えることができ、通常走行はもちろん悪路やコーナリングでも常に安定。まさに三菱の持ち味といえるヘビーデューティな4WDとちょうどいい電気の使い方がハイブリッドしたクルマ。日本は住宅事情もあり、完全なEVが根付くのはまだ先なので、今、ベストな選択肢のクルマといえるかもしれません。


石井昌道(いしい・まさみち)/1967年、東京都生まれ。専門誌を経て、モータージャーナリストに。日本カー・オブ・ザ・イヤーの選考委員を担当し、内閣府の自動運転推進委員会にも参加。

取材・文/豊田耕志 撮影/五十嵐一晴 撮影協力/HYTTER LODGE & CABINS

初出『Tarzan』No.806・2021年3月11日発売

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