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50歳にして世界最高峰『UTMB』に挑戦! 鏑木毅の“生涯現役力”に迫る

人生100年時代を生き抜くヒント。生涯現役アスリートが語る、健康キープの秘訣とその生き方。年齢に甘えず、いつも全力を尽くすプロトレイルランナー・鏑木毅さん。彼の“現役力”の源とは?

適度にカラダを動かすことは、健康増進につながります、そしてあなたが健康だと家族も友人もみんながうれしい。運動することは、年齢とともに起きやすい「万が一」を減らすことになります。

運動にもいろいろあるけれど、頂点は競技スポーツでしょう。さらにその競技の中で野山を駆け巡るトレイルランニングはなかなかタフな種目です。そのトレランの日本の第一人者、鏑木毅さんは52歳。なのにまだまだ現役。元気に山を駆けています。そのあきれるほどの現役力を語ってもらいました。

鏑木毅さん
鏑木毅(かぶらき・つよし)/群馬県生まれ、52歳、プロトレイルランナー。早大競走部出身。卒業後、自堕落なサラリーマン生活を変えようと地元の山岳競技に出場し優勝、見事にトレイルランニングにはまる。国内メジャー大会をすべて制覇し、2007年に『UTMB』に出場。以来海外の100マイルレースで活躍する。

——世界一のトレイルランニング大会といわれる100マイルレース『ウルトラ・トレイル・デュ・モンブラン/UTMB』、鏑木さんは40歳のときに3位になりました。文字通りの世界第3位、またそれまでに富士登山競走を3度優勝するなど、国内の有名大会を総ナメ、向かうところ敵なし、圧倒的な強さです。そもそも山を走るって、とても苦しいと思うのですが、何が楽しいのでしょう?

まず、登山やハイキングと同じで、山という非日常に身を置くことの楽しさがあります。街とは違う空気、景色、鳥の声や花など、そこにいるだけで気持ちがいいですよね。それとランニングという爽快感。これを合わせたものがトレイルランですから、つまらないわけがないんです。

『UTMB』に出場する鏑木毅さん
世界一のトレイルランニング大会といわれる『UTMB』。フランス、イタリア、スイス3か国を巡る100マイルレースで制限時間は46時間30分。

スイッチひとつで、苦しいことが楽しく思える。

——それでも上り坂はつらいですよね。

苦楽の感じ方は人それぞれじゃないかな。はた目にはつらそうだなあ、と思えることでも、本人はけっこう楽しんでいたりします。100マイルレースではたいてい120kmを越えると苦しくて苦しくて、あと100m走ったらやめよう!なんて思い始めるけど、そこでスパッと頭を切り替えるんです。

幻覚や幻影が出てきたり、生涯最大の足の痛みとか、カラダは大変なことになっているんだけど、これって面白いな、いったい自分はどうなっちゃうんだろ、この状態でどこまでいけるかな、ってポジティブに考えるんです。

もうダメだ! ネガティブに考えるとカラダの機能は低下していきますけど、スイッチを切り替えることでカラダは元気になるし、復活して100マイルを走り切れるんですよ。日常生活でだって、考え方ひとつで良くも悪くもなることありますよね。

『UTMB』に出場する鏑木毅さん
2007年に『UTMB』に初挑戦し、あまりの過酷さに悶絶するも12位。2008年に4位、2009年についに3位となる。2009年の活躍はNHKのハイビジョンで日本全国にオンエアされた。

他人の目は気にしない、こうありたい自分でいる。

——でも年齢とともに衰えはあるでしょう。

その通りです。世界3位になったので、レースに出れば周囲は同じレベルを期待するし、自分でも可能だと思い込んでいます。でもそううまくはいきません。無理なトレーニングをして故障して、ますます結果が出せない、負のスパイラルです。

ふっと気づいたんです。山に身を置く非日常感や、走る爽快感もまったく味わっていない、自分のトレイルランニングってちっとも楽しくない、と。

3年くらいかかりましたけど、人に見られ評価されるトレイルランニングではなく、自分の心の思うままに競技をしていこう、って考えられるようになりました。

山を走る鏑木毅さん

——50歳でUTMBへ挑戦、いかがでした?

かつて世界3位の男の10年後です。もちろん当時の走りができるはずがないし、恥をさらすことになります。でもその年齢でできる限りの、これ以上はできない、ってくらいのトレーニングを積んで臨みましたから、満足していますよ。125位でしたけど。

『UTMB』に出場する鏑木毅さん
2019年、鏑木さんが50歳で挑戦したときは、愛娘を行く先々のエイドステーションで待たせていた。「日頃のトレーニングはこの日のためなんだよ、がんばることは大事なんだよ」、父親はまさに身をもって伝えたかったという。

うれしかったのは同世代の人たちがこのチャレンジを応援してくれたことです。自分の気持ちに素直に従って競技すれば、何かを感じてもらえる、そんな立場になったのかなと思います。

——レースで危険な目に遭ったことは?

これは死ぬかもしれない、と思ったことが3回あります。ひとつは2014年のアフリカ・レユニオン島でのレース、100kmを越えたあたりで、心臓を誰かにわしづかみされたよう、息ができなくなりました。不整脈でした。

同じ14年米国のレースでは落石がアゴに当たってぱっくり、口がふたつになりました(笑)。標高3000mで大量出血すると酸素が体内に回らなくなるんです、これも危なかったですねえ。

3つ目は16年の南米最南端パタゴニアでの大会。極寒であることはわかっていて準備していったのですが、それ以上の悪天候、ほんとうに人がすっ飛ばされるくらいの強風なんです。実際にひとり選手が低体温症で亡くなりましたからね。

——無事に帰れてよかったですね。

44歳のときに娘を授かったんです、もうできないかなと思っていた子なので、可愛くて可愛くて。その3回とも、娘に会いたい、抱きしめたい、絶対に生きて帰る、と願い、そう行動しました、だから生還できたのかも。いまでは自分の限界を超えたレースはしません、家族の力ってすごいですね

山を走る鏑木毅さん
トレーニングは嫌いな短距離ダッシュや階段上り、重り(25kg)を背負ったトレッドミルなど。「やりたくないことが、その人に必要なもの、大切なものなんですよ」と。

いちばん簡単な健康法は歩くこと、走ることです。

なぜ歩くこと、走ることがカラダにいいのでしょう? 足には第2の心臓があります。正しくはふくらはぎの血管に逆流防止の弁がついていて、足を一歩踏み出すごとに下半身の血液を上半身に押し上げてくれます。つまり歩くだけでカラダのすみずみに酸素と栄養が送り込まれ、老廃物が取り除かれます。健康にならないわけがありません。

また、歩くこと、走ることは有酸素運動といって糖質より脂肪を多く消費します。そもそもこれらは軽い運動なので、長く続けられます、カロリー消費も知らず知らずに大きくなります。

散歩、ウォーキングを楽しく記録できる ! 『リンククロス アルク』で山時間をもっと楽しく。

ウォーキングアプリ「リンククロス アルク」

そこで、楽しく歩く、楽しく走るための無料アプリ『リンククロス アルク』はいかがでしょう。

スマートフォンに距離、歩数、カロリーはもちろん、歩いた(走った)軌跡、途中で撮った写真などが記録されるので、トレーニングノート代わりになります。またたくさんの人の歩き走り体験を地図上で見ることもできるのでコースがどんどん広がります。

ウォーキングアプリ「リンククロス アルク」
地図:©ゼンリン

さらに全国のおすすめ散歩コースも用意されています。地元でも旅先でもおもしろそうなコースを見つけて訪れるというプチ冒険も楽しめます。距離、歩数、所要時間も掲載されていますから、とても安心です。

鏑木さんに教えてもらう山の楽しみ方。

スマートフォンを見る鏑木毅さん

鏑木さんにおすすめコースを選んでもらいました。①山岳経験者ならぐんま県境稜線トレイル、日本最長のトレイルです。②市内から簡単に行き来ができる京都一周トレイル。しっかりした地図や案内板が用意されています。③富士山自然休養林は富士山中腹にある林間コース、森林浴にぴったり。

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① ぐんま県境稜線トレイル

ぐんま県境稜線トレイル

② 京都一周トレイル

京都一周トレイル

③ 富士山自然休養林

富士山自然休養林

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取材・文/内坂庸夫 撮影/藤巻翔

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