40代で閉経してしまったのですが、早いですよね?(40代女性)
読者から寄せられた質問に、『ターザン』推薦の専門家がズバリ回答! 生理とカラダのお悩みには、レディースクリニック『イーク表参道』の副院長・高尾美穂先生が向き合います。今回は、閉経とそれに伴うカラダの変化について。
取材・文/黒澤祐美 イラストレーション/中島ミドリ
今回の質問
40代で閉経してしまったのですが、早いですよね。どうして閉経してしまったのか、閉経後にカラダはどう変化していくのか知りたいです。エイジングが進んでいくのでしょうか? (40代女性)
閉経が早まる要因は、喫煙や脂質の摂取量、運動不足など。
お母さんのお腹の中にいるときにたくさんあった卵母細胞(卵子を形成する元となる細胞)が、年齢を重ねるごとに消費していく仕組みが女性にはあります。卵母細胞の数がなくなる、つまり在庫を使い切った状態がいわゆる「閉経」。
消費されるスピードは個人差があり、誰でも40歳を超えたら閉経する可能性はあるのです。閉経が早まる要因は、喫煙、動物性の脂質が多い食事、反対に脂質が少なすぎる食事、運動不足、慢性的なストレスといったことが考えられます。
閉経後のカラダはどうなるの?
閉経してエストロゲンがなくなると、今まで嵐のように女性ホルモンに揺さぶられていた状態から、いわば凪の状態になります。『ターザン』読者のように運動をしている人にとっては、気分に左右されず効果が感じやすいという前向きな捉え方もできますね。
一方で、エストロゲンがなくなると筋肉が萎縮の方向に傾くため、筋肉量のキープが難しくなるのも事実。さらに骨密度の低下やコレステロール値の上昇をはじめ、自律神経がうまくいかなくなることで起こる動悸、ほてり、発汗といった症状がみられることがあります。
治療や検査も選択肢に入れよう。
いずれも閉経による自然な現象ですが、カラダが順応するまでは不調も出ます。その場合は「ホルモン補充療法」という選択肢もあります。エストロゲンを投与することで症状を緩和するもので、むくみや動悸、イライラといった代表的な更年期症状であれば、1か月で90%が改善することが分かっています。
それから、骨粗鬆症を未然に防ぐためにも、特に閉経が早い人は1年に1度は骨密度を測定しておくことをおすすめします。