3つのスタイルに合わせて「NEAT」を稼げ! ニューノーマルな生活がデブへと導く理由
ニューノーマルがデブへと導く主因はカロリー消費量の低下。週5日出社、週3日出社、そして完全リモートそれぞれの場合における、運動以外の活動でのカロリー消費を見直そう。
取材・文/井上健二 イラストレーション/加納徳博
(初出『Tarzan』No.792・2020年7月22日発売)
コロナ太りの大きな要因。
NEATとは、運動以外で安静時よりも多くのカロリーを消費する活動のこと。通勤やオフィスワーク、家事といった日常生活での活動である。
NEATは1日に消費するカロリーの約3割を占めるから、外出自粛やテレワークなどで日常の活動が減れば、食べすぎなくても太って当たり前だ。
そもそも1日の消費カロリーは活動量で変わり、基礎代謝×身体活動レベルで求める(下参照)。基礎代謝とは、安静時でも消費している基礎的なエネルギー代謝量。身体活動レベルとは、NEATと運動の平均的な強度だ。
身体活動レベルとは?
厚生労働省は身体活動レベルを、低い(Ⅰ)、ふつう(Ⅱ)、高い(Ⅲ)と3段階で設定。高い(Ⅲ)は、移動や立位が多い仕事か運動を活発にする人。大半はふつう(Ⅱ)だが、コロナで低い(Ⅰ)が増えた。
普段の生活でも意外と消費していた。
デスクワーク中心でも週5日出社だと、男性で1日2,650キロカロリー、女性で2,000キロカロリーほど消費する。
それが完全リモートワークになると、男性で2,300キロカロリー、女性で1,700キロカロリーに減り、男女ともに1日約300キロカロリーのダウン。これを約2か月続けるとマイナス1万8,300キロカロリー。体脂肪は1kg7,200キロカロリーだから、体脂肪換算で2.5kg太る計算だ。
新しい生活様式になり、テレワーク併用で週3日出社になっても消費カロリーはビフォーコロナより約10%減。単純計算だが、無策だと2か月ごとに、体脂肪換算で2kgくらいは太る。
週5日出社の場合は。
オフィスワーカーの多くは身体活動レベルが「ふつう(Ⅱ)」。「座位中心の仕事だが、職場内での移動や立位での作業・接客など、通勤・買い物での歩行、家事、軽いスポーツのいずれかを含む場合」とされる。
1日の消費カロリーは「基礎代謝×1.75」で、20代男性で2,650kcal、30〜40代男性で2,700kcal、20代女性で2,000kcal、30〜40代女性で2,050kcal。
完全リモートの場合は。
完全リモートワークだと、身体活動レベルが「低い(Ⅰ)」になると考えられる。「生活の大部分が座位で、静的な活動が中心の場合」とされる。
1日の消費カロリーは「基礎代謝×1.5」で、20〜40代男性で2,300kcal、20代女性で1,700kcal、30〜40代女性で1,750kcal。
週3日出社の場合。
職種や働き方による個人差はあるだろうが、フィジカル・アクティビティは週5日出社と完全リモートのだいたい中間にあると仮定しよう。すると消費カロリーは20〜40代男性で2,450kcal、20〜40代女性で1,850kcalと概算できる。
ニューノーマルではNEATが減りがちで、太る一方。まずはコロナ前の活動量に戻すことからスタート。コロナ前よりNEATを増やして消費カロリーが稼げたら、コロナ太りは解消できる。