東京都内&近郊で「超回復」できるスポット6選 ホテルからスパ、レストラン、ジムまで
“リトリート”専科の宿から、マイナス150度の超低体温空間、極上の寝落ち体験まで。行くだけで超回復するスポットを巡った。
取材・文/松村直斗(ご縁の杜、10ZEN)、神津文人(Cryo Body Care、QUIRON)、門上奈央(ZERO GYM、Pur Spa) 撮影/赤澤昂宥(ご縁の杜)、角戸菜摘(Cryo Body Care)、大内香織(ZERO GYM)、石原敦志、大内香織(Pur Spa)
(初出『Tarzan』No.773・2019年9月26日発売)

目次
1. 湯河原〈ご縁の杜〉〜“リトリート”を追求した宿で体内改善&活力向上。
日常から離れることで心身ともにリフレッシュを図る“リトリート”専科の宿が神奈川・湯河原にある。ここ〈ご縁の杜〉では料理や温泉は無論、各スペースに設けられた瞑想ルームで坐禅を組んだり、カリフォルニア由来のエサレンマッサージを受けたりと、ここならではの回復法を受けることができるのだ。
代表の深澤里奈子さんは「回復といっても一時的な対症療法ではなく、一から見直す根本療法です」と話してくれたが、そんな根本療法を謳うこの宿の最大のウリがエネルギー向上に重きを置いたヴィーガン料理だ。
現代人は肉や魚を多く摂取しすぎているため、腸機能や活力が衰えていることに着目。野菜中心のレシピでデトックス効果と、活力を向上させるメニューを考案し、人間本来が持つパワーを取り戻すことを目的としている。
施設内では前述した温泉や禅、マッサージのほか、朝陽を見に行くツアーまで行っていて、これらすべては利用者が自分と向き合うためのもの。チェックアウト時には体内の調子はもちろん、メンタルも整っていることに気付き、文字通りの超回復を果たす。
湯河原リトリート ご縁の杜

2. 北青山〈Cryo Body Care〉〜-150度の超低体温空間で細胞を活性化!

液体窒素を利用した超低温(-150〜-120度)のキャビン内に2〜3分間入り、カラダを急速に冷却する。クリスチアーノ・ロナウド選手を筆頭とする海外のトップアスリートたちが、こぞってリカバリーのために取り入れているのがクライオセラピーだ。
下着だけになり、用意されたソックスとブーツ、ガウンを身につけキャビンの中に。ガウンを脱いで、手袋をしたらスタート。なのだがキャビン内は冷えているので、既に寒い。
今回は3分間体験。気化された液体窒素が、一定の場所に当たり続けないようにキャビン内をゆっくりと回る。黙っていると時間が長く感じられ、寒さが気になるので、ひたすら喋り続けることに。
ラスト30秒はかなり寒さを感じたが、なんとか完遂! キャビンを出ると、すぐにカラダが温まり、エネルギーの高まりも感じられる。体験した日の夜は熟睡でき、翌朝は気持ちよく目覚められた。
Cryo Body Care

3. 千駄ヶ谷〈ZERO GYM〉〜オールアウト→瞑想でカラダも脳も超脱力。

身体疲労と脳疲労の両方の解消こそ、超回復への近道。ここ〈ZERO GYM〉ではフィットネス×マインドフルネスで構成されたメニューを受けられる。目指すは“最高の脱力”。
「運動習慣のあるスポーツ好きから、運動する時間をなかなか確保できないビジネスマンまで人気がある“疲労回復プログラム”。ほぐす、流す、緩める、抜く―この4ステップで血流改善を促すことで回復が期待できます」(インストラクターのYuukiさん)

千駄ヶ谷店のプログラムは計75分間。前半はストレッチと自体重トレ、後半は瞑想。「筋トレでは筋肉の収縮・弛緩が大事。同様に深い瞑想をするにはオールアウトが重要!」
前半でしっかり追い込めた参加者には、瞑想後の“最高の脱力”の間にいびきをかいて熟睡する人もいるとか。「ここに来た日の翌朝、目覚めのよさに驚く方もいます。睡眠の質も向上するはず」
ZERO GYM SENDAGAYA

4. 高輪〈10ZEN〉〜漢方のプロが手掛けた旨い回復系薬膳鍋。

漢方専門店のパイオニアともいわれる薬日本堂がプロデュースするレストラン〈10ZEN〉に、超回復要素がふんだんに盛り込まれた薬膳料理があると聞きつけた。
“薬膳鍋セット”は疲労回復に直結しうる古白鶏、すっぽんの身、きのこ盛り、漢方和牛、季節の野菜盛りを計20種類の和漢食材が煮込まれたすっぽん塩&烏骨鶏赤辛の薬膳スープに通して食べる。食べたらわかる。これ以上の回復フードはないと言いたくなる内容なのだ。
薬膳、すっぽん…とおののくなかれ、漢方初心者でもかなり美味しくいただけることをしかと伝えておく。しかも食べている最中から汗が滴り落ち、即効性をも感じ取れる。翌日になるとさらに実感、トイレはスルッポン、目覚めも快調でございました。
ちなみにこのレストランは〈ニホンドウ漢方ミュージアム〉内にあるため、専門の相談員に漢方相談をした後、体調に合ったメニューを食べることもできる。
疲れ回復だけでなく、冷えやだるさにも良い食材を揃えた薬膳鍋セット。季節の野菜盛りは内臓ケアに、スープに溶かすすっぽんの活き血ゼリーは筋肉疲労の回復にも。
事前に「風邪をひきやすい」「お腹を下しやすい」など、体質タイプチェックシートで25項目を確認。これを実施することで、元気・スッキリ・美肌・血巡・すらりの5つの特徴メニューから自分に合うものを選択できる。
薬膳レストラン10ZEN

5. 渋谷〈QUIRON〉〜星空を眺めながら極上の寝落ち体験。

プラネタリウムとヘッドスパのコラボレーションで、リラックスした至福の眠りへと誘ってくれるという〈QUIRON〉。
カウンセリングの後に、完全個室の施術室へ。プラネタリウムクリエイターの大平貴之氏と〈セガトイズ〉が共同開発した《ホームスタークラシック》が各部屋に設置されているだけでなく、エアコン、音響も部屋ごとに備えているというからすごい。
照明が落ちると室内がドラマチックな星空に包まれる。その非日常的な空間とヒーリングサウンドの効果で、カラダはリラックスモードに。施術はオールハンドで、水やオイルは使わない。
今回体験したのは60分コース。頭皮を中心に、首、肩、腕などをほぐしていく。もう少し手順を詳しくお伝えしたいところだが、残念ながらそれはできない。そう、開始15分程度で寝落ちしてしまったのだ! いやぁ最高に気持ちよかったです。
QUIRON

6. 自由が丘〈ピュールスパ〉〜五感への刺激と重力を限りなく遮断した、非日常空間で快復。

極限まで五感をシャットアウトし、ほぼ無重力の状態で行うフローティング。ヨーロッパでは心理療法や代替医療にも活用されるという。死海の約6倍もの塩分濃度の湯(約36度)が溜められたタンクに1時間浮かぶ無重力スパが、〈ピュールスパ〉にある。浴室は闇に包まれた無音空間。いかなるにおいも漂わず、もちろん飲み物もない。

「五感の働きを抑えた、重力の負荷がほぼかからない環境づくりに徹してます。体内のミトコンドリアが活動エネルギーの9割以上を疲労回復などに使えて、リカバリーがきっと早まりますよ」(店長の木本さん)
五感のシャットダウンで入眠時と同等の脳波になり、幸福感を導くβ-エンドルフィンなども分泌。1時間の入浴で5〜6時間の睡眠に匹敵する驚異的なリカバリー効果が期待できる。疲れにくいカラダになるには週1〜2で通うとベストだ。
ピュールスパ
