トップ選手が持つ、尋常じゃない執念を見習いたいです。
実は僕、小学生の頃にテレビでシュワちゃん主演の『コマンドー』を観て、筋トレを始めたんですよ。その後、自分もボディビルを始めることになるんですが、『アーノルド・シュワルツェネッガー 筋肉の神話』は、その前後に原点回帰的な意味で読みました。
「アーノルドとは何者か?」ってことが、彼のトレーニング理論とともに紹介されている一冊なんですが、とにかく彼の肉体が完成されていてかっこいい。それを眺めているだけでも、モチベーションが上がります。
想定外の出来事が起きたときの対応力の大切さ。
2012年末から柔道日本代表の体力強化部門長をしているのですが、『改革』はその監督である井上康生さんが書いた本。この中で、試合中に想定外の出来事が起きたときの対応力の大切さが説かれているんですね。これはトレーニングにも当てはまります。
例えば、出張先などでいつもの器具がないときどうするのか? それを工夫によって乗り越えることが大事になってくるわけです。そういう気付きを与えてくれる本ですね。
読んでいると、自分がいかにちっぽけか痛感させられます。
最後はボディビルのアジアのレジェンド、合戸孝二さんの半生記が書かれた『執念 覚悟に潜む狂気』。題名にもなっていますが、合戸さんは体を大きくすることへの執念が尋常じゃない。トレーニングのしすぎで左目の視力を失ったにもかかわらず、治療せずにトレーニングを選ぶ方ですから。
読んでいると、自分がいかにちっぽけか痛感させられます。僕も執念は強いほうだと思っていますが、これを読むとまだまだ。そういう意味で、やる気をもらえる一冊ですね。
PROFILE
岡田隆(おかだ・たかし)/骨格筋評論家。1980年、愛知県生まれ。総合病院などに勤務後、2016年4月より日本体育大学体育学部准教授に着任。柔道全日本男子チーム体力強化部門長、理学療法士としても活躍し、「バズーカ岡田」の異名で筋トレなどを各メディアで解説する。