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毎日の通勤がジムになる!? エネルギー消費が増える、効果的な歩き方を知ろう

暖かくなるこれからの季節、運動を始めたいという人は多いだろう。新習慣で一番の懸念点は、しっかりと継続できるかどうか。そこで、毎日の通勤ついでに運動する「通勤ジム」をおすすめしたい。最新の研究によると、ガムを噛みながら歩くことでカロリー消費が10%も増加するという。好きなガムをお供にウォーキングすれば、いつもの通勤コースが運動の場になる。

「通勤ジム」を習慣にしよう!

時間を捻出して休日に1回、平日にどうにか1回ジムに通って行う週1〜2回の運動に比べたら、毎日の通勤にウォーキングを取り入れるほうが、無理なく身体活動の積み上げになる。

日常生活活動でのエネルギー消費を増やす方法としておすすめなのが、ガムを嚙みながら歩く「通勤ジム」だ。特別な準備がいらないから普段の生活サイクルに無理なく取り入れられる。さっそく明日から始めて、ぜひ習慣化してほしい。

「通勤ジム」の3つのポイント

「通勤ジム」の3つのポイント

「通勤ジム」の効果を高めるエクササイズ

「通勤ジム」を実践するとき、さらに効果を高められるウォーキング・エクササイズ3種目をご紹介。どれも歩きながら簡単に試せるので、積極的に行おう。

1. カラダの左右差を 歩きながら解消

カラダの左右差を 歩きながら解消

通勤バッグ自体の負荷や、日頃のスマホ使用によって多くの人に生じる左右差を解消しよう。バッグを持つ側の肩を上げ下げ。歩きながらリズミカルに行おう。左右交互に5回×3セットがおすすめ。僧帽筋に効くシュラッグは「通勤ジム」の一押しエクササイズ。

2. リラックスして 正しい姿勢を作る

リラックスして 正しい姿勢を作る

背中の肩甲骨を寄せて、左右の肩をやや下げる。これで自然と正しい姿勢になるので、キープしながら30歩歩こう。歩行リズムに伴い菱形筋のエクササイズになる。以後は意識しすぎず、リラックスして歩くのがおすすめ。うっかり猫背になったら、再びキープ。

3. やや高く腿を上げ 心身ともに活性化

やや高く腿を上げ 心身ともに活性化

いつもの自分の歩き方より、腿を意識して高く上げる。腸腰筋のエクササイズになり、高く上げた足を前に出すと逆足の蹴り出しも促される。大きめのアクションで30歩歩こう。着地の刺激が脳を活性化させるので、「通勤ジム」を実践した後は仕事の能率も上がる。

歩行の疲れを解消するストレッチ

「通勤ジム」を開始してすぐは、慣れない運動量で疲れを感じるかもしれない。そんなときはオフィスでも気軽にできるアフターケ・ストレッチで疲れを解消しよう。

1. イスに座って腰を丸める

イスに座って腰を丸める

ウォーキングによる腰と背中のこわばりをほぐすストレッチ。オフィスでも自宅でも実践できる。イスに座って両脚を軽く開き、上体を前に倒していく。その際、両腕を伸ばすと効果的。30秒キープ。

2. 上体を横に捻ってキープ

上体を横に捻ってキープ

イスに座って両脚を軽く開き、右手を左膝へ。同時に左手をイスの背に送り上体を回旋させて30秒キープ。その際、首も回旋させて顔をなるべく後ろに向けるとよい。逆側も行う。

3. 頭を倒して首と肩を伸ばす

頭を倒して首と肩を伸ばす

「通勤ジム」の実践後は肩こり解消の下地ができているので、リフレッシュを兼ねて肩こり解消ストレッチを行いたい。左手を頭に乗せて、頭を左へ倒す。右の首筋から肩を伸ばして、30秒キープ。逆側も行う。

4. ふくらはぎの張りを解消

ふくらはぎの張りを解消

たくさん歩いた後は、ふくらはぎのストレッチも忘れずに。壁などに両手をついて上体を固定し、右足を一歩後ろへ。左膝を曲げながら、右ふくらはぎを伸ばす。30秒キープ。逆側も行う。疲れをほぐして明日も歩こう!

「通勤ジム」を支える2つのパートナー

紹介したエクササイズと冒頭の3つのポイントを意識するだけでも、普段の通勤よりも多くのエネルギー消費が見込める。さらに、より快適により効果的に「通勤ジム」を実践したいなら、歩きやすいシューズとガムを取り入れてみよう。

ストレスのないシューズを選ぶ

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男性用・女性用ともにビジネスシーンに対応した多彩なウォーキングシューズが出ている。履き替えずに「通勤ジム」が実践できる。

ガムでカロリー消費も気分もアゲる

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最新研究によると、ガムを噛んで歩くことで、より多くのカロリー消費を期待できる。咀嚼による運動効果の向上もうれしいけれど、好きな味のガムを嚙んで歩けば気分もすっきり。「通勤ジム」のお供にガムを。

ウォーキング中の消費カロリーが高まる「ガム咀嚼」研究結果

早稲田大学スポーツ科学学術院の宮下政司准教授研究グループらが行った最新の研究により、ウォーキングの際にガムを嚙むことで歩行速度が増加し、脂肪消費が13.6%増加、またカロリー消費も10.0%増加することが確認された。

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男女の脂肪消費量の変化
*:ガム咀嚼条件 vs. 無咀嚼(タブレット)条件(対応あるt検定、平均、p<0.05)
出典:Kanno et al. The Journal of Physical Therapy Science 2019.2.1採択, in press

ウォーキングなど一定のリズムで行う運動時には心拍リズムと運動リズムの同期現象(Cardiac-locomotor synchronization=CLS)が生じ、カラダにメリットをもたらすことが知られている。例えば筋肉に送られる血流の増加や、静脈から還流する血流の増加に伴う心臓からの拍出量の増加などが挙げられるが、ガムを咀嚼することで歩行速度が増加した要因の一つとして、このCLSが促進された可能性が考えられるという。

教えてくれた人

早稲田大学・宮下政司准教授
早稲田大学・宮下政司准教授/早稲田大学スポーツ科学学術院准教授として身体活動による動脈硬化予防を主なテーマとしている。専門は運動代謝学、運動生理学、運動栄養学で、子供から高齢者を対象に研究を行っている。

問い合わせ先/ロッテ www.lotte.co.jp

撮影/鈴木大喜 イラストレーション/3rdeye トレーニング指導/池田佐和子 監修/宮下政司(早稲田大学スポーツ科学学術院准教授)

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