ヒトはモルモットと同じで、自分でビタミンCを作れない
多くの栄養素のなかでも、よく耳にする栄養素がビタミンC。ビタミンCは免疫力の強化や体内の酸化防止など、さまざまな働きを担っている。他の生物たちは自前で作り出すことができるのに、実はヒトにはその機能がない。だから、しっかりと食事やサプリを活用してチャージする必要があるのだ。
取材・文/石飛カノ イラストレーション/友田シトウ 取材協力/宮澤賢史(宮澤医院・医師)、武田 猛(グローバルニュートリショングループ) 参考資料/『医者が教える「あなたのサプリが効かない理由」』(宮澤賢史著、イースト・プレス刊)
(初出『Tarzan』No.753・2018年11月22日発売)
栄養を作れないから「食べる」
ヒトが多くの食材を食べなきゃならない理由は、カラダに必要な栄養素を作り出せないから。苦労して自前で作るより、手っ取り早く「食べる」という手段を選んだのだ。
「多くの生物はビタミンC以外の栄養を自分で作れません。ですが、ヒトや猿、モルモットや一部のコウモリはそのビタミンCさえ作れない特殊な生き物なんです」(宮澤医院・医師 宮澤賢史さん)
脳を守るために合成能力を失った?
犬でも猫でも自前でビタミンCが作れるというのに、なぜヒトはできないのか、理由は謎だ。
でも、ビタミンCは免疫力の強化、脳内ホルモンの調整、抗ストレスホルモンの分泌、体内の酸化防止など、さまざまな働きを担っている栄養素。脳、白血球、副腎などの細胞や臓器で常にフル稼働。一定濃度を維持するためには自分で合成した方がよさそうなもの。
ビタミンCの原料はブドウ糖。なので脳のエネルギーであるブドウ糖を確保するため、ビタミンCの合成能力を手放したのではないかという説も。