• 東京と大阪に存在する“レジェンド”たちのジムを知っているか?
COLUMN
2018.10.10

東京と大阪に存在する“レジェンド”たちのジムを知っているか?

20181015rm_20181009_rm_16

フィットネスブームより遥か昔に、カラダを作りボディビルダーとして名を上げた男たち。そんなレジェンドがいるジムで、歴史の重みを感じながら鍛えてみたい。訪れたのは東京と大阪。日本を代表する2大都市で、そのジムは門戸を開いて明日のトレーニーたちを待っている。

36年間、ここで幾人ものトレーニーが鍛錬を重ねてきた

恵比寿駅からほど近いビルにある〈シルバージム〉。今年の夏に訪れると酷暑の中、数人の会員がマシンに向かっていた。

「基本的にエアコンはつけないの。せっかく鍛えているのにカラダを冷やしちゃ意味ないでしょ?」

斉藤隆廣さんは1960年代からトレーニングを始め、66年に日本ウエイトリフティング協会主催ボディビル選手権に出場。ミスター全日本とミスター社会人の2部門を制した。

1/20

斉藤隆廣さん

20181015rm_20181009_rm_11

斉藤隆廣さん

20181015rm_20181009_rm_10
50年前の斉藤さん。純粋にトレーニングが好きだったと言う。

「当時は今みたいにネットがあるわけじゃない。海外のトレーニング雑誌を立ち読みして内容を頭に叩き込み、そのあたりに転がっている鉄くずを集めてバーベルやダンベルを手作りして鍛えていたんです。〝こんなやり方はどうかな?〟と思ったら自分のカラダで試してみる。そういった知識と経験の積み重ねで少しずつカラダを作ってきました」

そうしてミスター全日本に輝いた斉藤さんは、その後社会人生活を経て1982年、念願の自分のジムをオープンさせた。

20181003_45A1030

「ずっと好きでやってきたトレーニングを、なるべく多くの人に伝えたい。その気持ちを36年間ずっと持ち続けてひとりでやってきました」

話を聞いているうちに汗が噴き出してくる。お世辞にも快適とは言えないこのジムだが、それでも大勢が門を叩く。それは斉藤さんがひとりですべての会員の面倒を見て、親身に相談に乗るから。決してシステマチックではない、人間同士の温かみがひしひしと感じられるのだ。

「時代が変わっても人間のカラダの作りは同じだから、あくまで愚直に鍛えるしかないの。マシンに頼らない。ひとつひとつの動きをゆっくりやる。この基本は変わりません」

1/20

20181003_45A0971
会員の細野光広さんを指導。「スクワットは動作をゆっくりと。シンプルな動きだからこそ難しくやらないと効かないよ」。

20181003_45A1123
こだわりの背筋マシン。持ち方、角度を変えるだけで背中の各部をまんべんなく鍛えられる。

20181003_45A1013
これも斉藤さん特製の全身をパンプできる複合マシン。「他のジムから移ってきました。斉藤さんの指導は理にかなっている。カラダも変わりました!」(細野さん)。

〈SILVER GYM〉

20181003_45A1201
東京都渋谷区恵比寿南1-2-10 エビスユニオンビル3F、(TEL)03-3710-8707。営業:月~土13:00~23:00、祝13:00~19:00、日曜休。入会金10,000円、個人指導コース月会費15,000円(予約不要、時間、回数制限なし)。個人指導なしのコース、学割、女性割引あり。斉藤さんの指導は火、木、土。他曜日は横浜・綱島にある〈シルバージム横浜〉で指導することも。

大阪の下町にある、男の汗と涙が詰まった虎の穴的なジム

一方、西のレジェンドは杉田茂さん。杉田さんは1976年にボディビルの世界大会、ミスター・ユニバースに出場し、各国の怪物級のビルダーたちを抑えて階級別(ショートマンクラス)および、他階級優勝者とのオーバーオール(総合)のタイトルも獲得。日本人で唯一ボディビル世界一に輝いた「伝説中の伝説の男」。現役時代の圧倒的な肉体美の写真がそのすべてを物語っており、あのアーノルド・シュワルツェネッガーと一緒にトレーニングした経験を持つ。

1/20

杉田 茂さん

20181015rm_20181009_rm_12

杉田 茂さん

20181015rm_20181009_rm_13

「マニュアルも少ない時代に世界一になれたのは、自分の骨格を正しく理解していたことに尽きます。従来のトレーニングは欧米人の骨格がベースで、日本人の骨格には効きやすいトレーニングと効きにくいトレーニングがあることに、試行錯誤するなかで気づいていった。自分に合ったやり方を見つけてからはどんどん筋肥大していきましたね」

世界を制した翌年に自身のジムを開き、80年代には個人経営ジムとしては日本最大の大きさを誇るまでに。閉鎖後はここ〈キングジム〉の顧問を務め、ほぼ毎日顔を出して指導にあたっている。現在同ジムに並ぶ器具は、すべて40年以上前に杉田さんが手掛けたものだ。

20181003_DSC_0847

「このダンベルも、従来のものだと強度不足だったので友人のマンホール業者に特注で作ってもらったんです。負荷を細かく変えられるようプレートのバリエーションをいくつも作ったり、グリップの太さを日本人の手に合うよう工夫したりね」

そんな杉田さんのスピリットがいまなお息づいているキングジム。関西のビルダーの聖地として、いい意味で男くささに溢れた空間だ。

1/20

20181015rm_20181009_rm_15
10月のJBBF日本ジュニアボディビル選手権に出場予定の川村将輝さんが杉田さんの指導を受ける。「一言一言に重みがありますね」(川村さん)。

20181003_DSC_0900
特にこだわって作ったベンチ。「ベンチプレスで肩甲骨の可動域が広がるよう先を細く作りました」。

20181003_DSC_0967
杉田さんがビルダーを目指して鍛え始めた頃に参考にしていた貴重な専門誌。

〈KING GYM〉

20181003_DSC_0834
大阪市城東区鴫野西2-19-8、(TEL)06-6969-0569。営業:平日9:00~23:00、日・祝12:00~17:00、無休。入会金1,000円、男性月会費9,000円、女性月会費8,000円、3か月、半年、年払いで割引あり。パーソナルトレーニングあり、ビジター1回2,000円、初回体験無料。杉田さん、プロレスラーのZEUSさん、菊池悠斗さんら精鋭トレーナーたちが直接指導する。

取材・文/黒田 創 撮影/石原敦志(シルバージム)、吉村規子(キングジム)
(初出『Tarzan』No.748・2018年8月23日発売)

Tarzan 公式アカウントから
最新情報をお届けします。

雑誌『ターザン』759号

ここにエラー文言が入りますなりゆきですここにエラー文言が入35文字以内

ご登録いただくと、弊社のプライバシーポリシーとメールマガジンの配信に同意したことになります

完了

ご登録ありがとうございます。

雑誌『ターザン』759号
雑誌『ターザン』759号