名医が推薦する「腕の良い歯科医」とは?
自分に合う歯科医と出会うには何が手がかりになるか。答えはここに!本誌『Tarzan』の監修にも携わる名医から、おすすめの歯科医をヒアリング。名前の挙がった9名に、ポリシーを聞いた。
編集・取材・文/宮田恵一郎 イラストレーション/高橋将貴
初出『Tarzan』No.913・2025年10月23日発売

推薦された歯科医への共通質問。
Q1.治療で大切にしていることは?
Q2.得意な治療分野は?
Q3.患者との向き合い方で心がけていることは?
Q4.院内環境や設備面で整えていることは?
インプラント専門医が勧める、自費治療の分野も得意な3名。
教えてくれた人
平井友成(ひらい・ともなり)/日本審美歯科協会会長。九州大学歯学部臨床教授、水上歯科クリニック副院長を経て、平井歯科クリニックを開設。院長として歯周病治療などに携わる傍ら、インプラント専門医としても研鑽を積み、患者に最適な処置を提案している。
斉田歯科医院・斎田寛之さん|歯を残存させるための情熱と技術はピカイチ。

さいだ・ひろゆき/斉田歯科医院院長。東京医科歯科大学歯学部卒。約20年にわたり、数々の論文を発表。
「高い専門性と倫理観を持っていて、子供から高齢者まで歯を最大限活かすために技術を惜しまず、手抜きゼロの治療を徹底しています。特に歯周病への造詣が深く、学会に数々の論文を提出するほど。最近、院内をリニューアルし、設備が一層充実しています」(平井先生)
A1.機能しうる歯はできるだけ残し、守ること。そして、不調の歯だけにアプローチするのではなく、口腔内全体を包括的に捉え、口の健康を長期的に維持すること。それが生活の質を向上させ、豊かな人生の助けになるよう心がけています。
A2.歯周病、インプラント、義歯、矯正。
A3.麻酔、器具の使い方、唇の引っ張り方まで細心の注意を払い、患者さんごとに最適で過不足のない医療を提供すること。
A4.衛生管理や感染対策への投資は惜しみません。マイクロスコープ、CT、レーザーなど大学病院にも負けない設備を揃えています。
医療法人貴和会銀座歯科診療所・松井徳雄さん|最先端医療を習得する世界のトップドクター。

まつい・とくお/医療法人貴和会理事。大阪大学歯学部卒。元〈JIADS〉理事長。
「講演や執筆に引っ張りだこの松井徳雄先生は、日本を代表する名医のお一人です。歯科医療の先端技術を習得するための研修機関で理事長兼講師を長年務め、その経験からどの分野もハイレベルな治療を行います。温厚な性格で患者やスタッフからの信頼も厚い」(平井先生)
A1.良い治療を行い、その状態が長持ちすることを目指しています。そのために必ず複数の治療法をご提案し、メリットとデメリットをお互いが十分に理解したうえで方針を決めています。また症状に対し最適な治療を行うため、自費治療のみ受け付けています。
A2.歯周治療です。重度な歯周病は、欠損修復も含めた補綴、矯正、インプラントなどが必要となるため連携治療にも力を入れています。
A3.院内がワンチームで信頼関係を築くことに努めています。
A4.施術台からトイレまで、衛生管理と感染対策は可能な限りの対策を講じています。
岩野歯科クリニック・岩野義弘さん|日本では数少ない、二刀流の専門医です。

いわの・よしひろ/岩野歯科クリニック院長。新潟大学歯学部卒。
「日本歯周病学会と日本口腔インプラント学会の指導医をどちらも取得している、通称、ダブルライセンス取得ドクターです。いわば、両分野のスペシャリスト。どう処置するかの引き出しが豊富で、患者ごとの症状に合わせて、理論に基づいた治療を実践しています」(平井先生)
A1.「歯を残すために技術がある」という信念のもと、高度な技術に裏打ちされた治療を行っています。歯を保存したことにより他の健康な歯に悪影響を及ぼす可能性が高い場合は抜歯し、欠損部を適切に補うことで残りの健康な歯を守る方法を提案するようにしています。
A2.歯周病とインプラント。
A3.科学的根拠に則った正しい情報をわかりやすく丁寧に伝えるようにしています。
A4.医療スタッフ一人ひとりが、「素晴らしい環境で仕事できている」と感じられる環境こそ患者さんにとっても最良の院内環境であると考え、取り組んでいます。
大学教授が勧める、歯周治療をリードする3名。
教えてくれた人
菅野太郎(かんの・たろう)/東北大学大学院歯学研究科教授。
大磯デンタルオフィス・郭 玄さん|最良の医療を提供する町のスペシャリスト。

かく・げん/大磯デンタルオフィス院長。北海道大学歯学部卒。
「『最新の治療法こそ、最良の治療』というポリシーのもと、口腔内の健康を第一に考え、設備投資を惜しまない。町の開業医で、この姿勢で取り組んでいる方は稀有。歯周病治療器《ブルーラジカル P-01》を日本で初めて導入した医院でもあります」(菅野先生)
A1.安心安全な環境を整え、常に基本に忠実で、誠心誠意向き合った歯科治療を大切にしています。
A2.歯周病治療。特にマイクロスコープを用いた精密な外科手術が得意です。
A3.治療のゴールは患者さんの希望や要望で大きく変わります。お互いが共通のゴールを目指すことができるように話し合いの時間をしっかりと確保するようにしています。
A4.2014年の開業以来、感染対策には力を入れています。全て個別包装して滅菌し、不測の事態にも備え、歯科医療器具などのハンドピース類は来院患者数の2倍程度を用意して対応しています。
神田橋デンタルオフィス・帆足公人さん|海外で経験を積んだ、予防&歯周治療の名医。

ほあし・きみと/神田橋デンタルオフィス院長。
「ミシガン大学の歯周病治療の名医の下で研鑽し、補綴学と歯周治療学のダブルマスター(2つの専門医)を取得したプロ中のプロ! エビデンスを積み上げるアメリカ式の先端歯科医療を軸に、患者のライフステージに応じた予防医療にも力を入れています」(菅野先生)
A1.歯科治療と一口に言っても非常に多岐にわたります。患者さん一人ひとりの病状や生活習慣を深く理解し、結果として、全身の健康と美を保つために最適な歯科治療計画を立てるよう心がけています。
A2.歯周病治療、予防歯科、インプラント。
A3.歯科医主導ではなく、患者さんが主役となる治療を進めるため、機能や審美に関わる口腔の悩みや解決したいことをできるだけ多く聞き取る対話を大切にしています。
A4.基本的に、患者さんごとに担当する医師や歯科衛生士を決めておりますが、それぞれのご予定に合わせて柔軟に対応しています。
弘岡歯科医院・弘岡秀明さん|歯を保存する技術で、右に出る者はいない。

ひろおか・ひであき/弘岡歯科医院院長。九州歯科大学卒、イエテボリ大学歯学部大学院修了。
「老後の残存歯数が最も多いスウェーデンで歯科医療を学び、世界でも権威あるイエテボリ大学歯学部歯周病科大学院を日本人で初めて修了したドクター。数々の症例を見てきましたが、重度の歯周病を患った歯を保存する技術で弘岡秀明先生ほどの名医を知りません」(菅野先生)
A1.長期にわたり歯を残す“スカンジナビアンアプローチ”を実践しています。予防、歯周病、むし歯、インプラントを含む補綴のリハビリテーションを通じて生涯にわたって機能的な歯列を維持することを目標に治療にあたっています。
A2.歯周病、インプラント、補綴。また、重度歯周病に罹患すると歯列不正が生じることがあるため、院内で矯正専門医とチームを組み対応にあたっています。
A3.優しさと思いやりが第一と考えて治療に臨んでいます。
A4.開業以来、どこよりも厳しい、スウェーデン式の衛生管理と感染対策を講じています。
歯科院長が勧める、外科・睡眠・訪問に特化した3名。
教えてくれた人
藤巻弘太郎(ふじまき・こうたろう)/ぶばいオハナ歯科院長。日本歯科大学大学院修了。日本睡眠歯科学会認定医、日本スポーツ歯科医学会専門医・指導医、ジャパンオーラルヘルス学会予防歯科認定医・指導医など。
エビナ歯科医院・蛯名勝之さん|多くの難症例を診てきた町の口腔外科医。

えびな・かつゆき/エビナ歯科医院院長。東京医科大学大学院口腔外科修了。
「東京医科大学病院で経験を積み、口腔外科症例数は群を抜いています。肝炎やHIVなどの感染症患者への対応も適切で、医療連携がとても丁寧。老若男女問わず、穏やかに診療を行い、言うべき時は言う姿勢も含めて同業としてリスペクトしています」(藤巻先生)
A1.さまざまな有病者の歯科治療経験を生かし、何でもできる「町の歯医者さん」を目指しています。
A2.感染症患者や軽度障がい者の歯科治療。HIV感染症、血友病の方の歯科治療はかなり多くの症例数を経験しています。どのような全身疾患をお持ちの方でも診ることのできる「かかりつけ強化型歯科」の体制を取っています。
A3.お互いに構えずに話しやすい空気を作るため、節度は守りながらフレンドリーに応対。時には診療時間の多くを雑談に費やすことも。
A4.誰でも通えるよう院内はバリアフリー、院外はスロープを設置しています。
エビナ歯科医院

診療:9時30分~13時、14時30分~19時30分(土曜9時30分~14時)、木・日・祝休。東京都新宿区西早稲田2-11-24。
田賀歯科医院・田賀 仁さん|睡眠歯科専門医として1700人以上を処置。

たが・ひとし/田賀歯科医院院長。日本大学歯学部卒、新潟大学大学院博士課程修了。
「複数の総合病院を渡り歩いてきた実績は、腕のある証しです。底抜けに人が良くて、高圧的な雰囲気は全くありません。1700人以上の睡眠時無呼吸症患者と向き合ってきた経験も含めて、私の医院に通う患者さんを安心して紹介できる数少ない歯科医の一人です」(藤巻先生)
A1.患者さんに考えられる可能な限りの治療選択肢を提示し、それぞれのリスクとベネフィットをよりわかりやすく伝えられるようにしています。また栄養士や保育士が在籍し、乳幼児から高齢者まで予防歯科の観点から食事指導も行っています。
A2.睡眠歯科、口腔外科、一般歯科。
A3.基本的には保険診療が標準治療と考えていますが、必要に応じて自費診療も選択肢に加え、本当に必要な治療や処置であるのかを確認しながら患者さんと向き合っています。
A4.院内はトイレやレントゲン室までバリアフリーにしています。
ふれあい歯科ごとう・五島朋幸さん|医療と介護を連携させた訪問歯科の第一人者。

ごとう・ともゆき/ふれあい歯科ごとう代表。
「医療を必要としながら通えない患者のために、30年近く訪問歯科診療を続けている先生です。平日午前は外来、午後は訪問診療を行っています。地域支援にも積極的で自治体と連携し、『最期まで口から食べる街づくり』実現のため奔走する姿はまさに歯科医の鑑」(藤巻先生)
A1.すべての方に平等に歯科医療を提供すること。「障がいのある方も来院できる、たとえ来院できなくても訪問できる」というスタンスで医療と向き合い、取り組んでいます。
A2.義歯治療、訪問診療。
A3.私自身、患者として歯科医院を訪れた時の体験が、歯科医を目指すきっかけとなりました。その時の思いから、常に患者の立場に立ったコミュニケーションを心がけています。
A4.院内はバリアフリー。車椅子、ベビーカーでお越しいただけます。訪問診療に出かける午後は、当院のスタッフルームを地域に開放し、ミニサロンを開催しています。
番外編!アスリートのかかりつけ医たち。
パーソナルトレーナーが勧める、正しい予防を教われる場所|DENTAL TANIZAWA・谷澤綾乃さん
教えてくれた人
澤木一貴(さわき・かずたか)/パーソナルトレーナー。SAWAKI GYM代表。全国でセミナーを展開し、トレーナーも育成。書籍『体力おばけへの道 ェも体も疲れにくくなるスゴイ運動』が発売中。

たにざわ・あやの/DENTAL TANI ZAWA院長。日本歯科大学卒。
「スウェーデンスタイルを取り入れた谷澤綾乃先生の予防をメインにした診療は私好みでした。歯磨きや食生活まで、私の習慣に基づいたケア法を的確にアドバイスいただけて、検診も正確で素早い。だから定期検診も続けられる」(澤木さん)
A1.健康な歯を長く残すことができるようスウェーデンスタイルの予防歯科をベースにした診療を行っています。被せ物や詰め物は、医院内に併設した歯科技工所で精密なものを製作しています。
A2.歯周病、予防歯科。
A3.自分自身が、歯科医院が苦手だったため、カフェのような居心地のよさや痛みに配慮した治療にこだわり、患者さんが何を求めているのかをしっかりと聞くようにしています。
A4.世界で最も厳しいヨーロッパ基準をクリアした滅菌器と洗浄機を採用。院内はスリッパの履き替えが不要でベビーカーも入室できます。
ハイパフォーマンスコーチが「心地よい」と思う歯科医|医療法人清貴会小川歯科・小川勝久さん
教えてくれた人
栗原 嵩(くりはら・たかし)/ハイパフォーマンスコーチ。アメフトとボブスレー日本代表としても活躍。トレーニング指導を行う〈TKアカデミー〉を開講。Netflixシリーズ『ファイナルドラフト』にも出演。

おがわ・かつひさ/医療法人清貴会小川歯科院長。城西歯科大学卒。書籍も精力的に執筆。
「現役時代にマウスピースを作りに来たのがきっかけで、それからかかりつけ医に。自費診療が必要な場合は、理由と価格の説明がとても明瞭。施術台からの眺めも最高で、病院に来たとは思えないくらい心地良い気分で帰れる」(栗原さん)
A1.医療の基本は、優しさと丁寧さに尽きると考えているので、患者さんが仮に私の家族だとしたらどう治すのかを親身に考え、治療方針を決めるようにしています。
A2.審美、歯周病、嚙み合わせ、マウスピース、インプラントなど。
A3.個室診療のため、患者さんの不安や緊張を高める恐れもあるので、治療時はもちろん説明時にも歯科衛生士などのスタッフを必ず同席させるようにしています。
A4.衛生管理や感染対策はもちろんのこと、大学病院が整えている設備の多くを備え、プライバシーの観点からすべての患者さんに個室診療で対応しています。
フィットネスプロデューサーが勧める、トレーニーを熟知した提案をする歯科医|五十嵐歯科医院・馬庭暁人さん
教えてくれた人
AYA(あや)/フィットネスプロデューサーやフィットネスモデルとして活躍。クロスフィットを踏まえて、「最高のトレーニング」を目指すAYAオリジナルメソッドを考案。

まにわ・あきひと/五十嵐歯科医院非常勤医師。マニーデンタルクリニック院長。
「歯科医療だけでなく、ジムワーク経験も豊かな先生で、『ウェイト時にグッと食い縛っちゃうと思うからココは隙間空けとくね』という具合に、私のトレーニング習慣を加味した治療を行ってくれます。こんな先生は他にいない」(AYAさん)
A1.約20年間、大学病院の口腔外科に携わった技術や知識を生かし、人それぞれの価値観を尊重した治療を優先しています。
A2.特に口腔外科。他に顎関節症、インプラント、スポーツマウスガード、睡眠時無呼吸症候群も得意。
A3.歯の治療が苦手な方は大勢いると思います。そのイメージが少しでも払拭できるように、レントゲンや手描きした絵図などを用いて治療内容を丁寧に説明し、じっくり対話するようにしています。
A4.基本的に担当医制ですが、よりプロフェッショナルな治療が必要な場合、分野ごとの担当医が複数人体制で対応します。















