“脂肪燃焼ホルモン”を引き出す自体重&サーキットトレ。

頑張ってるのにお腹が凹まない? その原因は、テストステロン不足かも。脂肪燃焼ホルモンをテストステロントレで呼び覚ませ!

取材・文/井上健二 撮影/園山友基 ヘア&メイク/村田真弓 スタイリスト/高島聖子 エクササイズ監修/清水 忍(IPF代表)

初出『Tarzan』No.901・2025年4月17日発売

テストステロンを運動で作って腹を凹ます
教えてくれた人

清水忍(しみず・しのぶ)/1967年、群馬県生まれ。インストラクションズ代表トレーニングジム〈IPF〉ヘッドトレーナー、全米スポーツ医学会認定運動生理学士(ACSM/E-PC)、NESTA JAPANエリアマネージャー。西武ライオンズや広島カープをはじめとするプロ野球選手のパーソナルトレーナーの他、健保組合の糖尿病対策セミナーの指導者、スポーツ・医療系専門学校の非常勤講師としても活動。

自体重トレと有酸素で“いい塩梅”の運動を。

“脂肪燃焼ホルモン”ことテストステロンを分泌させることが、ウエストの引き締めにつながる。このことについては、関連記事(“脂肪燃焼ホルモン”ことテストステロンが、お腹痩せの鍵だった!)でも紹介した。

このテストステロン、ある程度強度の高い運動によって分泌されるのだが、疲労困憊してストレスが溜まると、分泌量が下がってしまうという罠がある。

ちょうどいい塩梅にテストステロンを分泌するトレーニングとして紹介したいのは、ジャンプを伴う3種の自体重筋トレだ。通常の自体重トレよりもハードだが、バーベルなどで攻めた筋トレよりは強度は抑えられているため、ストレスの種となる恐れがない。胸や足腰の大きな筋肉をターゲットに定めると、テストステロンは一層分泌されやすい。

また有酸素でお薦めなのは、リズミカルな筋トレを休みなく続けるサーキットトレ。大きな負担がなく、ノーストレス。さらに心拍数が高いレベルで維持されて、筋肉を鍛えつつ体脂肪も燃えるから、お腹がより凹みやすくなる。

筋トレも有酸素も頻度は週2〜3回が目安。そのオプション(選択肢)は3つある。

筋トレ好きなら、高強度筋トレのみを行う(オプションA)。一石二鳥で体脂肪燃焼も狙う人は、サーキットトレのみを行う(オプションB)。ただ両者を交互に行うと、全身バランス良く鍛えられてベストだ(オプションC)。

オプションA 高強度筋トレ 3種目のみを行う。(週2〜3回)
オプションB 6種目のサーキットトレのみ行う。(週2〜3回)
オプションC AとBを交互に行う。(週2〜3回)

オプションA|高強度筋トレ。

上半身を刺激するプッシュアップ系、下半身を攻めるランジ系、スクワット系の計3種目を1セッションで行う。

いきなりジャンプ系(高強度)だとハードルが高すぎて難しいだろうから、低強度のノーマル種目から始める。所定の回数がこなせるようになったら、中強度種目へステップアップ。最終的にはジャンプ系を決めたい。

プッシュアップ

低強度|プッシュアップ(15〜20回×3セット)

プッシュアップ

  1. 両手を床についてうつ伏せになる。
  2. 両手は肩のラインで肩幅よりやや広めにつき、両脚は腰幅でまっすぐ伸ばす。
  3. 頭から踵まで一直線に保ったまま、両肘を曲げて胸を床すれすれまで下ろしたら、両手で床を強く押して元に戻る。

中強度|オルタネイト・プッシュアップ(左右交互に15〜20往復×3セット)

オルタネイト・プッシュアップ

  1. プッシュアップのスタート姿勢を取る。
  2. 右肘を深く曲げて胸を右手の甲に近づけて体重を乗せたら、右手で床を強く押しながら左肘を深く曲げて胸を左手の甲へ近づけて体重を乗せる。これを反復する。

高強度|ジャンププッシュアップ(20回×1セット)

ジャンププッシュアップ

  1. プッシュアップのスタート姿勢を取る。
  2. そこから両肘を曲げて胸を床すれすれまで下ろしたら、両手と爪先で床を強く押して上体を床から浮かせ、両手を胸でパチンと合わせて胸を下ろした姿勢に戻る。
ランジ

低強度|フォワードランジ(左右交互に15〜20往復×3セット)

フォワードランジ

  1. 両足を腰幅に開いてまっすぐ立ち、両手を腰に添える。
  2. 左膝を腰の高さまで引き上げて片脚立ちになる。
  3. 左足を大股1歩分前に踏み出し、右膝を床に突き刺すように前後の膝を90度曲げ、左足で床を蹴って元に戻る。左右交互に同様に行う。

中強度|サイドランジ(左右交互に15〜20往復×3セット)

サイドランジ

  1. フォワードランジの開始姿勢を取り、左膝を腰の高さまで引き上げて片脚立ちになる。
  2. 左足を大股1歩分真横へ踏み出し、お尻を後ろに引いて体重を目一杯左足に乗せる。
  3. 左膝を90度曲げたら左足で床を蹴って元に戻る。左右交互に同様に行う。

高強度|ジャンピングジャック(左右交互に20往復×1セット)

ジャンピングジャック

  1. フォワードランジで両膝を曲げ、深く沈み込んだ姿勢を取る。
  2. 両足で床を強く押して高くジャンプ。
  3. 空中で前後の足を入れ替えて着地。深く沈み込んだ姿勢を取り、同じように反復する。
スクワット

低強度|スクワット(15〜20回×3セット)

スクワット

  1. 両足を肩幅に開いてまっすぐ立ち、爪先を少し外側へ向ける。
  2. 両腕を胸でクロスして、肘を正面に向ける。
  3. 太腿が床と平行になるまでしゃがみ、両足で床を強く踏み込んで元に戻る。

中強度|ワイドボトムスクワット(15〜20回×3セット)

ワイドボトムスクワット

  1. 両足をできるだけ左右に大きく開いて立つ。
  2. 爪先を外側へ向け、両腕を胸でクロスして肘を正面に向ける。
  3. 太腿が床と平行になるまでしゃがむ。そこから15cmほどお尻を上げ、元に戻って反復する。

高強度|ジャンプスクワット(20回×1セット)

ジャンプスクワット

  1. 両手を腰に添えてスクワットの基本姿勢を取り、太腿が床と平行になるまでしゃがみ込む。
  2. 両足で床を強く踏みつけて真上にジャンプ。
  3. 両膝を曲げて着地してしゃがんだ姿勢に戻り、同様に反復する。

オプションB|サーキットトレ。

有酸素のなかでも、ウォーキングより強度が高く、激しいランや辛いHIIT(高強度インターバルトレ)より強度は低めなのが、サーキットトレ。

各種目は20秒間にできるだけ多くの回数をリズミカルに続ける。心拍数を下げないように1から6まで休みなく行うのが肝心。余力があれば1分休み、もう1サイクルやってみる。

1.ショルダータッププランク(20秒で、できるだけ多く)

ショルダータップ

  1. 両手を床について腕立て伏せの開始姿勢を取る。
  2. 頭から踵まで一直線に保ったまま、右手で左肩をタッチ。
  3. 右手を床に戻したら、今度は左手を右肩にタッチ。左右交互に繰り返す。
2.ニーレイズランニング(20秒で、できるだけ多く)

ニーレイズ

  1. 両足を腰幅に開いて立つ。
  2. 膝を高く上げ、その場で左右交互に腿上げ。太腿が床と平行になるまで高く上げる。走るときのように片膝を上げるときは同じ側の肘を後ろに引き、反対側の肘を前に出す。
3.マウンテンクライマー(20秒で、できるだけ多く)

マウンテンクライマー

  1. 両手をついてうつ伏せになり、腕立て伏せの開始姿勢に。
  2. 頭から踵まで一直線にキープしたまま、爪先を床につけないように片膝を胸に近づけ、元に戻したら左右交互に続ける。腰を上げすぎない。
4.ヒールタッチ・レッグカール(20秒で、できるだけ多く)

ヒールタッチ・レッグカール

  1. 両足を腰幅に開いてまっすぐ立ち、両手をお尻に当て、手のひらを後ろに向ける。
  2. その場で軽くジャンプしながら、膝を曲げて片側の踵で同じ側の手のひらにタッチ。左右交互にリズミカルに続ける。
5.クロスカントリー(20秒で、できるだけ多く)

クロスカントリー

  1. 両足を腰幅に開いてまっすぐ立つ。
  2. 片足を1歩後ろに引いて爪先を立て、前脚側の肘を後ろに引き、後ろ脚側の肘を前に振る。
  3. その場で軽くジャンプしながら、両足と両肘を入れ替える。スキーのクロスカントリーの動きをイメージしながら続ける。背中を丸めないこと。
6.バーピー(20秒で、できるだけ多く)

バーピー

  1. 両足を腰幅に開いてまっすぐ立つ。
  2. その場で素早くしゃがみ、両手を両足の外側につく。
  3. 両脚をまっすぐ後ろに伸ばし、両腕を伸ばして腕立て伏せの開始姿勢に。
  4. 両脚を元に戻したら、両脚で床を強く蹴ってその場でなるたけ高くジャンプ。両手を合わせて元に戻る。