“脂肪燃焼ホルモン”ことテストステロンが、お腹痩せの鍵だった!

ダイエットしてもお腹が凹まない…そんな人はテストステロン不足かも。このホルモンは筋肉を育て、脂肪を燃やす重要な存在。効果的な運動で自然な分泌量アップを目指そう。

取材・文/井上健二 エクササイズ監修/清水 忍(IPF代表)

初出『Tarzan』No.901・2025年4月17日発売

テストステロンでお腹が凹む

テストステロンの分泌で腹が凹む理由。

お腹が凹みにくい人は、ホルモンに問題アリかも。男性ホルモンのテストステロンが減っている可能性が考えられるのだ。

テストステロンは性機能やメンタルなどに深く関わるが、実は体型も左右する。テストステロンはタンパク質を筋肉に転換しやすくするほか、体脂肪が燃えやすい体内環境を整えてくれるのだ。テストステロン濃度が十分高ければ、腹筋が発達しやすく、お腹の贅肉は燃焼しやすくなる。

だが困ったことに、テストステロンは加齢により減少していく。加えてストレスの影響を受けると分泌はダウンしやすく、仕事などでストレスを抱える40〜50代は、60代以上よりテストステロン濃度が低いという報告もある。

落ち込んだテストステロン分泌の回復には、運動刺激が不可欠。運動不足だと20〜30代でもテストステロンは減りやすく、それはお腹がなかなか凹まない理由の一つとなっているのだ。

年代別のテストステロン分泌量の日中変化

年代別のテストステロン分泌量

健康な日本人男性81人と40〜50代のLOH(加齢男性性腺機能低下)症候群患者20人を募集。午前9時から午後9時まで2時間おきに唾液中のテストステロン濃度を測定。20〜30代が高く、40〜50代は60代以上よりも低いという意外な結果に。

出典/The Journal of Men’s Health & Gender 2007; 4(2): 149-155

テストステロンを運動で増やすコツ。

テストステロンを増量する運動のポイントは、ある程度強度が高いこと。高強度なら、筋トレでも有酸素運動でもテストステロンの分泌は促される。とはいえ、強度は高ければ高いほどいいわけではない。疲労困憊してストレスが溜まると、逆にテストステロン分泌が下がることも考えられる。

そこでおすすめしたいのは、ジャンプを伴う自体重筋トレ。有酸素運動なら、リズミカルな筋トレを休みなく続けるサーキットトレを推奨したい。(関連記事:“脂肪燃焼ホルモン”を引き出す自体重&サーキットトレ。

有酸素運動によるテストステロン分泌量の変化

有酸素運動によるテストステロン分泌量の変化

66〜76歳の坐りがちだが健康な男性7人に45分間の固定式自転車を漕いでもらい、血清テストステロン濃度を測定。別日にも同様に計測して比較した。自転車漕ぎでテストステロン濃度が上がっている。

出典/Zmuda et al. Metabolism 1996