100年使える足腰は、シングルレッグでつくろう。

人は、足腰から衰えていくもの。しかし自分の下半身がどういう状態なのかはなかなか実感しにくい。そこでまずはテストに挑戦。自身のレベルにあったトレーニングで、百年使える足腰を養っていこう。

取材・文/井上健二 撮影/内田紘倫 スタイリスト/高島聖子 ヘア&メイク/坂西 透 監修/中村雅俊(西九州大学准教授) エクササイズ監修/白戸拓也

初出『Tarzan』No.900・2025年4月3日発売

シングルレッグで100年使える足腰
教えてくれた人

中村雅俊(なかむら・まさとし)/西九州大学リハビリテーション学部リハビリテーション学科理学療法学専攻主任・准教授。理学療法士。ストレッチや筋トレの新常識を聞いた。

白戸拓也(しらと・たくや)/パーソナルトレーナー。フィットネス業界黎明期から、プログラム開発やトレーナーの育成を担当。昨年MSFitness鷺沼のディレクター就任。

やっぱり下半身が肝。まずは立ち上がりテストから!

筋力は30歳前後をピークに年1%ずつ低下する。「老化は足腰から」で、特に衰えやすいのは下半身。100歳まで余裕で自由に動けるように、どこよりも先に下半身を強化しておきたい。

まず下半身の現状を確かめる。肝心なのは、体重を支える主役となる太腿前側の大腿四頭筋。

「四頭筋の筋力を体重で割った体重支持指数(WBI)が0.6を切るとジョグなどの軽い運動に支障が出るといわれます」(パーソナルトレーナーの白戸拓也さん)

WBIは、椅子から片脚で立ち上がるテストで手軽にチェックできる。両脚ともできない人は、WBI0.6未満で足腰が衰えている恐れ。まずはスプリットスクワットを週3回以上続けて足腰を立て直し、テスト合格を目指そう。

テストをクリアしたら、四頭筋を中心に足腰が鍛錬できるブルガリアンスクワットを行う。フォームを崩さず所定の回数がこなせたら、次のシングルレッグスクワットへ。片脚立ちで行う種目は強度が高く、ダンベルなどを使わなくても百年足腰が養えるのだ。

立ち上がりテストのやり方。

立ち上がりテスト

  1. 椅子に浅く坐り、両腕を胸でクロス。胸を引き上げ、上体を床と垂直に。右脚を前へ伸ばし、左脚の脛は70度前後。
  2. 反動を使わず立ち上がり、片脚立ちで3カウント(3秒)キープ。左右を変えて同様に行う。左右どちらともできたら合格。本来は高さ40cmの台でテストするが、今回は簡易的に通常の椅子(高さ45cm)を使う。

できなかった人は基礎筋力作りをしよう。

スプリットスクワット(左右各12回×3セット)

スプリットスクワット

  1. 両足を腰幅に開いて立ち、右足を大股1歩分後ろに引く。両腕を胸でクロスし、上体を床と垂直に保つ。
  2. 右膝を床に突き刺すようにしゃがみ、前後の膝が90度に曲がり、左脚の太腿と右脚のふくらはぎが床と平行になったら立ち上がる。左右を変えて同様に行う。

できた人は2ステップでさらに強化。

ステップ1|ブルガリアンスクワット(左右各12回×3セット)

ブルガリアンスクワット

  1. 後ろに置いた椅子から半歩離れて、座面に右足の甲を乗せる。両腕を胸でクロスする。
  2. 上体をまっすぐ保ったまま、右膝を床に突き刺すようにしゃがみ、左膝が90度になったら元に戻る(その際、膝を爪先より前に出さない)。左右を変えて同様に行う。

ステップ2|シングルレッグスクワット(左右各12回×3セット)

シングルレッグスクワット

  1. 右側に椅子を置き、右手を背もたれに置く。右脚を前に伸ばして床から浮かせ、左手を右胸に添える。
  2. 左膝が90度になるまでしゃがみ、元に戻る。背中を丸めないこと。左右を変えて同様に行う。できるようになったら軸脚の太腿が床と平行になるまでしゃがむ。