進むほど過酷になるトレイル「ココクレーターアーチ」:ターザン的オアフ島ガイド
【ターザン的オアフ島ガイド】ではハワイ・オアフ島のフィットネスな魅力を紹介。ハワイは海だけじゃなくて、山も最高に面白い。今回はワイキキから東側に30分ほど車を走らせた場所にあるトレイル「ココクレーターアーチ」のガイド。
取材・文/編集部 撮影/熊谷晃 コーディネイト/パトリック・マッカラ
初出『Tarzan』No.868・2023年11月2日発売
山の岩肌を攻略しアーチを目指す
ココクレーターアーチ(Koko Crater Arch)
火山の噴火によって形成された噴石岳が、長い年月をかけてアーチ状になったもの。ワイキキから東側に30分ほど車を走らせた場所にある。
住所:Kalanianaʻole Hwy., Honolulu
オアフのトレイルが優れている点は、海や住宅街なんかのすぐ裏手にあって、登山というよりは軽いハイキングのように楽しめるコースも多いこと。「ココクレーターアーチ」もその一つだ。
ここは1953年に公開されたハワイを舞台にしたハリウッド映画『地上より永遠に』の名場面「波打ち際のキス」のシーンで使われた「ハロナ・ビーチ・コーブ」のすぐ上にあるトレイル。片道20分ほどのコースと聞いて油断をしていると、文字通り足元をすくわれることになる。ケガや命の危険もあるので、自己責任で。
ハイウェイから岩をよじ登り、いざトレイルがスタートすると、最初の5分は緩やかな上りが続く。日陰もなく、終始太陽に照らされながら進むことになるが、序盤はまだ余裕。と思っていたら、突然足元が乾燥した岩場に変わり、道も狭くなっていく。
横風も強くて、幾許かの不安を感じ始めた頃に、目の前にポッカリと口の開いた宇宙船のようなアーチが現れる。で、ここからは手を使わないと登れないほどの急勾配。気分的には、雪のないゲレンデを這っているような感じに近いだろうか。
歩くたびにごろごろと石が落ちていくので、安定した岩を選びながら、確実に進んでいくしかない。やっと到着した頃には、とてつもない達成感で満ち溢れているはずだ。
斜めったアーチの中では、立っているのも結構大変。自分の重力をモロに感じながら見下ろすサンディー・ビーチは、旅一番の情景として心に残るだろう。
ココクレーターアーチ:トレッキングコース
START:車で来たら「ハロナ潮吹き岩展望台」の駐車場へ。下に見えるのが「ハロナ・ビーチ・コーブ」だ。
2:大学生のグループはパンパンに膨らませたリュックを背負って頂上へ。ピクニックをするらしい。
3:こちらもハイウェイ沿いに入り口がある。分かりづらいけどガードレールの切れ目が目印だ。
4:傾斜も緩やかなので序盤は全然余裕。しかし歩くほどに道は狭くなっていく。
5:え、ここ登れるの…? 突如現れた「アーチ」に言葉を失う。難度も一気にアップ!
6:強風で飛ばされそうになる。足だけでは頼りないので、手でしっかり岩をホールド。
GOAL:こんな感じでアーチの下に潜って記念撮影するのがロコたちのお約束。風が超強いので足はすくみっぱなしだった。
ついでにこのトレイルにも挑んでみない?
もっと刺激が欲しい君には、ロッキーも悲鳴を上げそうな階段登山を。「ココヘッド」は上のアーチからすぐ近くにある登山道。頂上には今年新しくプラットホームが設置された。手すりすらない1046段の階段を、ただ上るのみ。傾斜も急でハードだけど、カーディオとしては超優秀。