体脂肪を爆速で減らすには、どんなサプリメントをどう使うべきか。今回話をうかがったのはコンディショニングスペシャリストの桑原弘樹さん。大手メーカーで長年サプリ開発に携わったサプリの達人だ。
桑原さんに、「体脂肪がメラメラ燃えるサプリを教えて!」と勢い込んで聞いたら、意外な答えが返ってきた。
体脂肪を減らすには、まず土台作り
「体脂肪を減らしたいなら、土台作りが不可欠。ボクサーやボディビルダーが“今日から減量期だ!”とサプリを摂り始めても、思ったように体脂肪は減らないもの。体脂肪を燃やす基礎ができていないからです」
まして減量を要するほど太り気味だと代謝は低く、体脂肪を溜めやすい。それを代謝が高く、体脂肪が減りやすい体質に変えておくことが重要。するとサプリが機能しやすくなり、減量がスムーズに進む。
「まずは、3食をきちんと食べる、早食いを避けるといった基本を徹底します。そのうえで、定番のプロテイン、マルチビタミン・ミネラルで不足しやすい栄養素を補う。加えて、還元型CoQ10、甘草のグラブリジンといった成分が、土台作りに役立ちます。
とくに注目なのが、グラブリジン。減量時は筋肉が減りやすいのですが、グラブリジンは筋肉の合成を助けて、筋肉量を保ちます」
ここまでに最低2週間かける。長いと思うかもしれないが、この助走期間が確実な脂肪減少を約束する。ここからいよいよ本論。
分解にはカフェインとコレウスファルスコリ
体脂肪を減らすには、①分解→②運搬→③燃焼という3つのステップがある。最初は、体脂肪の分解から。
「実は3段階でいちばん難しいのが、分解。体脂肪はいざというときに備えた定期預金のようなもの。手続きを踏まないと解約=分解できない。それを助けるのがカフェイン、コレウスフォルスコリです」
コレウスフォルスコリ
オーガランド《コレウスフォルスコリ》
体脂肪の分解を促すのは、運動時などに分泌されるアドレナリンというホルモン。カフェインは、アドレナリンが長く働けるようにしてくれる。カフェインは、サプリに頼らなくてもコーヒーなどから摂れる。
アドレナリンが、β3アドレナリン受容体というアンテナにキャッチされると、体脂肪を分解する酵素が活性化する。
だが、日本人にはこのアンテナに変異があり、アドレナリンを上手にキャッチできないタイプも多い。コレウスは、アドレナリンに代わり、酵素を活性化。体脂肪の分解を押し進めてくれるのだ。
体脂肪の運搬にはL-カルニチン
お次は体脂肪の運搬だ。
体脂肪は、脂肪酸とグリセロールに分解される。このうち体脂肪の燃焼とは、脂肪酸の燃焼をいう。分解された脂肪酸が燃えるのは、筋肉などの細胞内にあるミトコンドリア。いわば脂肪燃焼工場だ。
「脂肪酸がこの工場に入るには、入館証が必要。その入館証がL-カルニチンです。L-カルニチンは体内でも合成されますが、加齢で合成力が落ちると、脂肪酸の運搬が滞ることがあります。そこでL-カルニチンをサプリで補うのが有効です」
L-カルニチン
ネイチャーメイド《L-カルニチン》
最後の燃焼にはHCAを
そして燃焼。桑原さんのイチ押しは、ガルシニアのヒドロキシクエン酸(HCA)。働きは次の通りだ。
燃焼工場のミトコンドリアには、クエン酸回路と電子伝達系という2工程がある。そのどこかが滞ると、脂肪酸は“返品”されてしまい、脂肪細胞へ逆戻り。元の木阿弥だ。
「なかでもキャパオーバーになりやすいのが、クエン酸回路。そこを元気にしてくれるのが、HCAです。HCAは“返品”を抑え、代謝サイクルを回して次の電子伝達系へつなげる働きがあります。
個人的には、HCAと分解系のカフェインを組み合わせると、体脂肪がラクに落ちやすくなるという実感があります」
ガルシニア(HCA)
パワープロダクション《【機能性表示食品】エキストラバーナー》
最後にトドメ。体脂肪燃焼と並行し、新たな火種となる余計な脂質や糖質が体内に入るのをブロックしてやれば、体脂肪はもう溜まらない。
「キトサンは脂質、白インゲン豆は糖質、難消化性デキストリンは両方の吸収を抑える成分です」