「調子悪い時、負けてる時に、どれだけ声が出せるか」笑いとウェルビーイング。カナメストーン(前編)
笑うことは心身の健康に良いと言われています。では、日々誰かを笑わせているお笑い芸人は、自身も健やかな状態になっているのでしょうか。芸のために筋肉を鍛えることもあれば、不摂生が爆笑を生むこともある。ウェルビーイングの形は人それぞれです。本連載では放送作家の白武ときおさんが聞き手となり、芸人一人ひとりが考える「笑いとウェルビーイング」を掘り下げます。第10回前編のゲストは「M-1グランプリ2025」で敗者復活戦から勝ち上がり、ラストイヤーでファイナリストの切符を掴んだカナメストーンの山口誠さんと零士さんです。
interview: Tokio Shiratake edit,text: Neo Iida photo: Wataru Kitao
Profile
カナメストーン/山口誠と零士によるお笑いコンビ。鹿嶋市立鹿島中学校のサッカー部で知り合い、2009年にNSC東京校へ入学(NSC東京校15期)し、2010年にコンビを結成。2017年にマセキ芸能社に所属。『M-1グランプリ』では2023年、2024年に準決勝へ進出し、ラストイヤーとなる2025年に決勝初出場を果たした。ポッドキャスト番組『カナメストーンのカナメちゃん村』、YouTube『しゃれこめカナメストーン』配信中。
特殊な数え方、“何回行動”。
白武ときお(以下白武)
最近の生活はどうですか?
零士
いやー、忙しいですね。さすがに。でもまあ、頑張りたいっていう気持ちはあるので。マネージャーさんがいい感じで仕事を入れてくれています。
白武
さすがに忙しいですか?
零士
さすがに忙しい! M-1の決勝に出るまで何もなかったっていうのもあるんですけどね。
山口
タシカニ。
零士
もう昼過ぎに起きてっていう生活で。
山口
朝起きるもんな、今は。
零士
でもみんなそうだからね。それが普通だから。
白武
起きる時間はどんなふうに変わったんですか?
零士
えっと、もともと14時起きとかだったかな。
山口
夜のライブに備えて。
零士
そう。で、準備して、ネタをちょっと修正して、夜のライブに持っていくみたいな感じだったのが、今は平均で8時起きとかになったから…。
山口
タシカニ。
零士
それでも遅いよ?それでも遅いって、働いてる人からしたら。俺ら「うわー!」とか言ってるけど、きっとこれを読む人からしたらめちゃくちゃ遅いね。
山口
「ふざけんな!」って。
零士
「ふざけんな!」って。

白武
(笑)。一般的な会社員の方は7時に起きて8時くらいに出社して、17時に帰るじゃないですか。お2人は何時頃に仕事のピークと終わりが来ますか?
零士
俺らは…どうだろうね。でも21時終わりとかが多いのかな。で、そこからちょっと飲んで。
山口
いくら遅くても22時とか。
零士
21時、22時、23時終わりが多いのかもしれないですね。
山口
20時ぐらいにかなりこう、ボルテージが上がって。
零士
仕事のピークな。でもそうかもしれないですね。ライブも出番がそれくらいの時間帯だし。
山口
タシカニ。
白武
M-1以前と比べたらガラッと変わったんですか?
零士
変わりましたねえ。前までは、“何回行動”みたいなのがなかったんですよ。
白武
“何回行動”?
零士
そう僕ら数えてるんですけど、ライブ1本が1回で、あとこの仕事があって、これがあって、これがあって…全部で5回行動みたいな。
白武
ひとつの仕事を1行動とカウントするんですか?
山口
電車の乗り換えも入ってるから。
零士
そうなんだよな、乗り換えも行動に入れる。まだ俺たち、全てタクシーでっていうレベルではないからな。
山口
モチロン。

白武
回数がどんどん増えてるんですね。
零士
朝5時に起きて夜22時までのロケみたいな、1回行動だけどロング1回とかが結構体力的にしんどくて。運動しててよかったなって思いますね。部活やっててよかったな、活きるんだなって思いました。メンタル的にも。
白武
昔の体力の貯金というか。
山口
特にメンタルはそうか。
零士
メンタルはもっとそうかもね。もう部活生みたいなメンタルで今も働いてるというか、仕事してるんで。
山口
「ざけんじゃねえ!」。
零士
「ざけんじゃねえ。負けないよーっ!」みたいな(笑)
調子悪い時、負けてる時、どれだけ声出せるか。
白武
中高はどんなスポーツをやっていたんですか?
零士
中学はサッカー部で一緒だったんですよ。その時の教えがもうめちゃくちゃ身に染みちゃってるよな?
山口
先生が。
零士
先生が熱かったんですよ、とにかく。
山口
金歯の。
零士
前歯が金歯の。
山口
カネダ先生。いつもショートパンツでサッカーパンツ。昔のあのサッカーパンツでいつも登校してて、その下にトランクスを履いてて。で、こういう風に座ったりすると金玉が見えるっていう。
零士
まあ話せるわけないけどね、このテーマで。ウェルビーイングで。
山口
まあまあ、ちょっとウォーミングアップみたいな感じで。

零士
でもめっちゃいい教えがあって、調子いい時、勝ってる時なんてみんな声出るんで、「調子悪い時、負けてる時、どれだけ声出せるか」。
山口
それカネダ先生だっけ?
零士
俺それ超好きなの。だから今も疲れてる時、どれだけこう励まし合えるかって。
山口
あと「来た時より美しく」もあったよ。
零士
それもある。どの現場でも来たときよりも美しくして帰るっていう。それが今できるかはあれですけど、そういう教えはもうずっと残ってますね。
白武
それが中学時代で。高校でも結構バリバリですか?
零士
高校もめっちゃバリバリ。お互い。僕はボクシングで、その中で色々学んでいくじゃないですか。
山口
タシカニ。
零士
高校生だし、より自分でどうにかしなきゃいけない。特に僕はサッカーからボクシングに行ったんで。
山口
タシカニ。
零士
団体から個人になるんで、本当に自分がどうにかするしかない。
山口
タシカニ。
零士
自分にめっちゃ矢印向くみたいな。
山口
タシカニ。
零士
ねえ聞いてる!?(笑)だから、自分に矢印が向くっていうメンタルの名残はめっちゃあるかもしれないですね。
白武
よりストイックに。
山口
しかも零士は茨城から離れたんですよ。
零士
そうです、高校から寮生活をしたので。より自分でどうにかしねえと、みたいな。
白武
でもそれってもう20年以上前の話ですよね。
零士
そうですねえ。なんでこんな残ってるんですかね。でもそうじゃないですか?皆さんも部活とか学校とかで。
山口
そこで形成されんのかな。
零士
形成され過ぎたのかもしれないですね。僕らは特に。
白武
2人でいるから、ずっと学生の教えを守ってるっていう部分もあるんですか?
零士
確かに。再確認しますからね、こまめに。「あの時ああいうこと言ってたよな、先生」とか、1人でいるよりかは思い出す機会が多いのかもしれないですね。
白武
この20年間、教えもそうですけど、運動や体力的な部分も継続してきてるんですか?
山口
零士は散歩を毎日。
零士
ウォーキングね!やめて。
山口
弁当作って。
零士
弁当作って散歩行ってねえよ朝から!ウォーキングです。ウォーキング行ったり、ヨーグルトとか食べたりはしてますね。だって、筋トレしてるでしょ?
山口
俺はね。
零士
それも名残じゃない?運動してたほうが調子上がる、みたいな感じもあるからな。

山口
弱りたくねえみたいな。
零士
いつまでもこうありてえみたいな。負けず嫌いなんすよね、結局ね。
白武
こうありたいという理想像はあるんですか?
零士
いや、でもやっぱり過去の自分たちには負けたくないよね。
山口
確かに。
零士
ネタの面白さとかもそうですけど。
山口
過去の自分が笑うかどうかみたいな。
零士
笑わせたい。笑わせたら勝ちじゃないですか。過去の自分たちを。
白武
それって何歳の頃の自分ですか?
山口
中学だよね。それは。
零士
中学かも。中学の自分たちを笑わせたいってめっちゃある。「あの時お前らめっちゃ楽しんでただろ?今もっと楽しめよ」っていう感覚がありますね。何だろうな、この感覚。
白武
今のブレイクの前後で活動量が違いますよね。
零士
ブレイクしたって言っていいんですか?
白武
はい。
零士
そうさせていただきます!
山口
したとしよう。
零士
したとしよう。
白武
まだブレイクしてないですか?
零士
まだ売れてるっていう感覚はないですね。
山口
ブレイクしたいなあとは思う。
白武
この先何があったらブレイクしたと言えそうですか?
山口
レギュラーとか冠とか。
零士
わかりやすいな、それは。
山口
まああと、月収…。
零士
月収か!
山口
金じゃない?
零士
本当だな。1年間通してこんだけアベレージ行ったなみたいな、それは達成したいですね。いろんなことできるんだろうな。
山口
タシカニ。

睡眠不足で体からのサイン「寝ろよ」。
白武
M-1に出てから、この4ヶ月ぐらいは生活が変わったじゃないですか。忙しすぎてメンタルがブレたことはありました?
零士
うーん、なんか、その時はわかってなかったですけど、体に出てるなっていうのはありました。毎年花粉症になるんですけど、睡眠時間が取れなかった時期にめっちゃ皮膚が乾燥しちゃったんですよ。これは今までなかった症状で。多分今やられてんだろうな、体が「寝ろよ」ってサイン出してんだろうなって思いましたね、今年は特に。免疫下がってるんだろうなって。
山口
タシカニ。
零士
でも休まず仕事に行ったんですよ。「すごいよ!」って声に出して言っちゃいましたもん。「寝てないのに風邪も引かないでちゃんと仕事行くじゃん!」みたいな。それは言っちゃいましたね。
山口
この4ヶ月で1回だけなんですけど、M-1後に2人とも同時に声出なくなって。
零士
本当に同時に声出なくなっちゃって。あれだけだよね。多分。
山口
年末年始は仕事ゼロだったから。
零士
ありえないだろ。働けよ。実家帰れちゃってるじゃん。でも10日ぐらい声が出なかったのか。たぶん油断したんでしょうね、体が。休みだっていうので。M-1の緊張の糸が一気に切れて本当に同時に声出なくなって。あそこだけです。
山口
同時に声出なくなってめっちゃ長引いた。
零士
それが1月の初めで、そこからは何もないですね。
普通かなと思ってたら普通じゃなかった。
白武
今、2人で一緒に暮らしてるんですよね?
零士
はい。
山口
17年間。
白武
今後も?
零士
そうですね。まあ引っ越してもいいんですけど、引っ越すとしても同じマンションだなっていうのはありますね。
山口
そうだね。
白武
それはどうしてなんですか?
零士
楽しいからですね。
山口
それはね。
零士
本当にそれに尽きる。
山口
一緒にいた方がいいから。
零士
けっこう理由を探すんですよ、なんで一緒に住んでるんだろうみたいな。でも楽しいからだなって最近またちょっと思ってますね。
白武
珍しいですよね。
山口
コンビだったらそういうのあんまないのかなあ。
零士
そうだよね。そうだよね。
白武
売れる前までは一緒に住んで、会話の強度を高くするみたいなことはあると思うんですけど。共感できる話がたくさんあるんですか?
零士
共感かあ。小学校とか中学校の時に、多分1回くらいは友達と「将来さ、何々屋さんとかやろうよ」とか「一緒に住んだら楽しいんじゃない?」とか言ってたと思うんですよ。それを今もやってるだけというか。やりゃいいのにと思います。みんな昔はそうやって言ってたんだから。
白武
始める人は多いかもしれないですけど、10年20年一緒にそれをやり続けるっていうのは難しいんじゃないですか?
零士
そうか。
白武
売れたりとか、結婚するとかで解消していくっていうか。
零士
結果が出ないと。確かにね。
白武
奇跡なんじゃないですか。
山口
ナニッ!
零士
奇跡っすね。
山口
いないもんね。
零士
普通かなと思ってたら普通じゃなかったっていう。それは嬉しい。
山口
でも「キモい」とか「怖い」とか言われちゃったりして。

零士
「いい」とかじゃなくてね。もはや「怖い」とか言われ出して。
山口
モキュメンタリーとかフェイクドキュメンタリーだろ、みたいな。
零士
あの恐怖。
白武
家ではどんな生活なんですか?家事の分担とか。
零士
分担で言ったら山口が結構やってくれてますね。
山口
まあでもそこはね。うまいことみんな2人でバランスを取りながら。
零士
まあ僕はどっかで諦めたんですよ。皿洗うとちょっと汚れが残ってたりして、下手っていうかダメなんですよ。で、結局山口が俺の見てないところでもう一回洗ってくれたことがあったんで、じゃあ俺は別のところで貢献しようと。それで結局山口が洗うようになっちゃって。
山口
そこは別にね。
どこでも2人で行くのは当たり前。
白武
食生活はどうですか?外食が多いとか、お酒を飲みに行くとか。
山口
酒は2人で毎日飲んでて。
零士
テイクアウトすることもありますけど、今は外食が多いかな。メシがめっちゃ好きで、食事の時間を大事にしてるので、うまいもん食うのは毎日の喜びというか。例えば仕事終わって飯食ってる時がオフモードに切り替わる瞬間、みたいな感じはありますね。
白武
最近お気に入りの店はありますか?
零士
近所の定食屋ですね。刺身も揚げ物もある。その日の気分でセットとかもあって、もう食いたいもの全部食えるみたいな店で。うまいです。
山口
タシカニ。
零士
なんかご褒美感あるな、あそこね。うん。
白武
自炊はするんですか?
山口
するとしたら鍋を作って2人で食います。
白武
飲み会には2人一緒ではなくバラバラに行くこともあるんですか?
零士
ないですね。1回もないですね。
白武
ええ。
山口
怒られたりもしたよな。
零士
俺が先輩に誘われて、山口に「行こうぜ」って言ったら、先輩に「2人で来るんなら言えよ」って注意されて。「え?知らなかったです」「いや、予約の人数とか言っちゃってるから」「あ、そうなんすね」みたいな。そうか、当たり前じゃないんだって。
山口
タシカニ。
白武
靴みたいに2人でセットなんですね。
零士
そうですね。
山口
臓器のように。
零士
あ〜もう、靴って例え出してくれたのに!気味悪い。肺とか腎臓とか。
白武
でもそれって何でなんですかね。お互い違う飲み会に行ってもいいじゃないですか。お互いそこでの出来事を持ち寄って、夜にその話をするっていう。
零士
別々に行くっていう考えはまったくなくて、だって一緒に過ごしたら楽しいじゃないですか。で、帰り際に「あそこめっちゃ面白かったよな」って話せた方がいいっす。
山口
「あの人意外と優しいんだ」とか。
零士
「あの発言めっちゃかっこよかったよな」とか。もう二人で行くのは当たり前で、ライブのメンバーとか見て、じゃあ今日オズワルドいるから畠中誘うか、みたいな。
山口
パンポテ(パンプキンポテトフライ)とかね。2人同時に誘ったりすると「ちょっとやめてください。コンビでは行かないんですよ、僕たち」って怒られたり。
零士
コンビで一緒にいるのって当たり前じゃないんだ。幸せなんだなっていうのは感じてます。照れてるだけなんだよな、みんな。コンビとはそういうものだって勝手に思ってるだけな気がしますけどね。だってやってんだもん、お笑い。ひとつのオモシロに向かって。
山口
モチロン。
零士
照れてんだよ、あれ。カッコつけてるんすよ。
白武
経済的余裕があったら喧嘩することもないけれど、売れてない時期は「あいつのせいで売れてない」とお互いのせいにして仲悪くなっていくパターンもありますよね。
零士
なるほど、そうなんだ。でもどっちかが金持ちだったらまた違ったのかもしれないですけど、売れてないうちは収入は変わんないしな。それに見てますしね、バイト行ってる姿とか。働いてるしなぁって。食うものも一緒だし、ギリギリでやってるのがわかってるし、お金をどこに使ってるかも見えちゃうんで。だから「俺と一緒だ、安心安心」みたいな感覚でしたね。
山口
なんなら俺より少ないっていう気持ちもあるでしょ?零士からしたら。
零士
え?どういうこと?
山口
俺の方が借金あったから。
零士
そういうことね。まあ俺もあったからね。あんまり金とか気にしてないから、まあ売れりゃいいっしょ、売れるっしょとずっと思ってた。関係なかった。売れりゃいい。売れた時の自分に前借りしてるイメージみたいな感じでした。ずっと。

白武
でもいつ売れるかわかんなくて、やめるっていう選択肢もあるじゃないですか。しんどい時期ってありました?
零士
金はずっとしんどかったですけど、売れないかもっていう不安はまったくなくて。
山口
でも本当にそうなんだよな。
零士
なかったよね。「俺らは面白い」ってずっと思ってました。だけどやってるうちに面白いから売れる世界ではないってこともなんとなくわかってくるわけですよ。これしかできないし、面白いことだけをずっと続けていればいつか、という信念でやってましたけど、最悪「別にいいよな、2人で雇ってくれるところで働けばいいよな」っていう気持ちがあって。
山口
最後の最後。
零士
だから怖くなかったっていうのがあるかもしれないですね。
山口
M-1だけは行ってやるぞって。
零士
そこは行きたいって気持ちだったもんな。漫才に全力を注いでいて、漫才で勝ちたい、ってことは俺らが今出るのはM-1だ、という気持ちでした。売れようというより勝ちたいんだ、面白いってことを証明したいんだ、みたいな。
白武
2人で同じ方向を向いて、ずっと冷めずにいるのって相当難しいですよね。
零士
マジでラッキーっすよね。
山口
冷めずにずっとやってるもんな。
零士
何も考えてなかったのかな。今考えると。
山口
冷めるって考えもなかったし。
零士
冷めるほど考えなかったし。アハハハ!
山口
そうそうそうそう、考えなかった。現実あんま見てないし。
零士
頭いいんですよ、多分冷めてる人ってたぶん。
山口
こう自分を俯瞰で見られてね。
零士
そうそうそう。あー、なんだこういう世界かって、寂しい気持ちで冷めていっちゃうんだと思うよ。
山口
俺ら茨城だから。
零士
そう。
山口
いけるっしょ!
零士
運が良かったか、合ってたのかもしれないですね、僕と山口のお笑いをやる気持ちが。
白武
後輩や仲間とかから相談されたりもします?
零士
します。でも答えたのに「参考にならねえよ」って言われたこともあります。「だってさ、自分が一番面白いと思ってこの世界入ってきてるわけだろ?じゃあ面白いことをやればいいじゃん、それがお前になるじゃん」とか言うから、「何を言ってんだ」みたいな。
山口
カナメストーンに言われても響かないよ。魂のことしか言ってこない。

零士
技術的なことは知らないっていうか、いらない。下手くそでも笑ってもらえるのがお笑いだろみたいな。魂さえ持っておけばって。
白武
そのモチベーションは何なんですか?面白いと思われたい?
零士
めっちゃそれですね。お客さんに面白いと思われたい、笑わせたい、ウケたい。M-1の前まではそう思っていて、今はご一緒させてもらってる先輩たちにもそう思われたい気持ちが出てきて。面白いと思われたいって気持ちは昔よりめっちゃ強くなってますね。
白武
その思いは共通なんですか?
山口
そうですね。今までライブシーンの人たちとしか絡みがなくて。トップが虹の黄昏さんで、そういう人たちと近づきたいなと思ってやってきて。今は現場にテレビで見てた人たちがいるぞっていう状況になって。
零士
今度はこの人たちをいいねと言わせなきゃいけないんだって。
山口
えっ、急に川島さんと一緒…?
零士
次は千鳥さん…?
山口
タカアンドトシさん…?
零士
かまいたちさん…?みたいな。大丈夫かな、面白いって思ってもらえるのかな、の連続で。そういう先輩たちに面白いと思われたいっていう欲が今はめっちゃ出てきてますね。何やってでも絶対笑わせて帰る、みたいな。
白武
そのハングリーさがずっとあるのはどうしてなんでしょう。
零士
ハングリーさなんですかね。欲だと思ってますけどね、僕は。考えてみると、人生の一番の目標なのかもしれないですね。M-1が終わって見てもらえる機会が増えたから、うわぁ、ラッキー、面白いって思われるチャンスだみたいな。
白武
その気持ちがメインだとして、例えばモテたいとか、お金持ちになりたいとか、そういう欲はあります?
零士
めっちゃあります。服欲しいとかも全然ありますけど、かっこよくなりたいって欲がめっちゃある。モテたいに近いのか。でも、かっこいいを掘り下げていったら、結局面白い人がかっこいいんですよ。
山口
なんかそこだもんね。面白けりゃかっこいいだろうと。
零士
そうなんですよ。見た目はかっこいいに越したことはないんですけど、いやいやいやいや面白い人が一番かっこいいでしょって。面白いイコールかっこいいっていう思いがめっちゃ強いんで。結局全部につながってくるかもしれないですね。面白かったらお金も稼げるだろうし、根元に面白いがある。特に芸人って職業だったらそれだけでいいような気がしますね。
山口
タシカニ。




