ウチサカさんのトレイル案内。[笠戸島 アイランドトレイル。]

本誌『ターザン』の連載『Tarzan Trails』では、毎号トレイルラニングの楽しさを紹介しています。927号は笠戸島・アイランドトレイル。こちらのページでは、コースのGPSデータを公開中!

text: Tsuneo Uchisaka photo: Sho Fujimaki

大会名物の海上遊歩道。大城をスタートすると選手たちは海ぎりぎりまで下り、ついには海の上を走って、はなぐり海水浴場へ。

ウチサカさんってこんな人

笠戸島アイランドトレイル。

はるか昔、595年(推古3年)。都濃郡鷲頭庄青柳浦(現在の山口県下松市)の老松に大きな星が降りて七日七夜光り輝き「われは北辰(北極星)の精なり、3年の後、百済の国の太子が来朝される、その守護のため、ここに天降ったのである」と。

百済の太子とは、後の周防(現山口県の東半分)を治めた大内氏の祖といわれる百済の斉明王の第三子・琳聖太子のこと。星を使いに出す琳聖太子、ただものではありません。

そして「星が降りた松」が「降松(くだりまつ)」、転じて「下松(くだまつ)」が土地の名になったという。地名の由来には諸説あるけど、この星降る説は素敵です。 この「星降る町」下松の市街から瀬戸内海に突き出た笠戸(かさど)島で開催されている『くだまつ笠戸島アイランドトレイル』が2026年で10回目を迎えました。

参加選手はリピーターが多く、つまり満足度が高いってこと。理由はいくつもあって、まずはプロトレイルランナーの奥宮俊祐氏が大会プロデューサーであること、レース運営百戦錬磨の彼と彼の率いるスタッフがコース設定も含め、この大会を安全で楽しいものにしています。

ふたつ目が、島だから当たり前だけど、海が近い。近いどころか海の上を走っちゃう区間もある、これはすごいなあ。そして山に上がるや圧倒的な絶景が待っています、尾根筋に出ると左右に青い海が広がります、え、ここ、ニュージーランド!?

美しい海と点在する島々のビューを称して多島美というらしいけど、尾根に上がると、左右足元に見事な景観が広がっています。

エイドステーションは3つ。A1白浜、A2深浦、A3本浦。平らを走って山に上がり、山を下りてエイドステーション、これを繰り返して島を一周します。それぞれのエイドはそれぞれの地域の人たちの「選手への想い」であふれています。大きな大漁旗を翻したり、子供たちがずらっと並んで大声援とともにハイタッチを待っていたり。これが高評価3つ目の理由です。

笠戸島のいちばん奥の深浦は海っぷちのエイド。手前では大漁旗が大きく振られ、子供たちが並んで歓声をあげている。

この大会は常連選手が多いのだけど、2018年の豪雨災害の際、彼らがボランティアで支援活動に駆けつけました。そんなことからますます島の人たちはランナーたちへの「おもてなし」に熱いのです。

『RUN to FUN』という歌とダンスまで用意されてる。

そうそう、笠戸島といえばひらめが有名だけど、エイドでこの《ひらめラーメン》が供されます、大盤振る舞いです。 レースそのものは走り応えたっぷり、標高グラフをご覧いただければわかるけど、30㎞コース(17㎞もあります)だと標高差累積はおよそ1500m。特にコース最後のスカイ1号のピークへ上り切った達成感はそうとうなものです。次回、27年大会で、ぜひお試しください。

島のトレイルは表情豊かです、こんな竹林も。

コースマップ

島の国民宿舎大城(おおじょう)が大会会場。標高200m前後の山がいくつかあって、最高峰が256mの高壺山。低いといえば低いけど、海抜ほぼ0mからの上ったり下ったりだから、そりゃ達成感は大きいのです。そして山の前後にエイドステーション、うまくできています。

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