“走るカラダ”を作るトレーニング&ストレッチ。

走る力は“走る”だけでは育たない。カラダを動かすための筋肉を目覚めさせ、ケガを防ぎ、より軽やかに前へ進む。自宅でできる20分トレーニングとストレッチで、走るための土台をつくろう。

取材・文/近藤直輝(MANUSKRIPT) 撮影/山田 陽 スタイリスト/牧野英明(BEAMS CREATIVE)ヘア&メイク/宮本佳和(BE NATURAL) イラストレーション/藤田 翔 モデル/畔柳隼弥

初出『Tarzan』No.912・2025年10月9日発売

教えてくれた人

中野ジェームズ修一(なかの・じぇーむず・しゅういち)/日本では数少ない、メンタルとフィジカルの両面を指導できるトレーナー。理論的かつ結果を出すアプローチで多くのアスリートから絶大な支持を得る。2014年から青山学院大学駅伝チームのフィジカル強化も担当。健康寿命延伸のため啓蒙活動も行う。

まずは20分!走るカラダになる6種の自宅トレ。

ランニングを始めたばかりでは、走ることで精一杯なのは当然。トレーニングと聞くと気が引けるが、高負荷な筋トレは必要ない。ケガを防ぎ、走るカラダを作るには、必要な筋肉を鍛えるだけで十分だ。

それでも、なかなか余裕はないかもしれないが、まずは「20分」だけ時間を確保してほしい。取り組む頻度は、日々の隙間時間を使い、自分のペースで大丈夫。自宅にあるものを賢く使い、大きな筋肉を効率よく刺激しよう。

1.オープンブック|胸郭が広がれば深い呼吸で走れる。

オープンブック

オープンブック

オープンブック

  1. 片脚の股関節と膝を90度に曲げ、クッションに乗せる。
  2. 膝が動かないよう手で押さえて、水入りペットボトルを持ち、上体をひねる。左右20回。
2.ドローイン|腰痛改善・予防にも効く基礎的な体幹トレ。

ドローイン

  1. 腰椎を前彎させて息を吸い、吐きながらお腹を凹ませ、腰椎を元の位置に戻す。肩や太腿に力が入らないように。20回を2〜3セット。
3.ニーリフト|骨盤を前傾&腸腰筋を鍛え安定したラン姿勢を。

ニーリフト

  1. 椅子に浅く座り、背もたれに腰を当てる。
  2. 座面を両手で持ち、両足を同時に持ち上げて、膝を胸に近づける。20回を2〜3セット繰り返す。
4.スプリットスクワット|ランに重要・お尻まわりの筋肉を引き締める。

スプリットスクワット

  1. 体重が前脚と後ろ脚に6:4で乗るよう立ち上がる。
  2. 頭から鼠蹊部まで一直線を意識し、爪先と膝の向きを揃える。1回4秒、左右20回2セット。
5.ニーアップ|下腹部を引き締め、体幹も強化。

ニーアップ

  1. 片手を机に置いて、脚を大きく前後に開く。
  2. 机側の脚を上げて、膝が水平より高く上がるように。この時、上体が後傾しないように注意。1回4秒かけて左右20回を2セット。
6.スプリットスクワット&ニーアップ|2種目をミックスして追い込む!

スプリットスクワット&ニーアップ

  1. 体重が前脚と後ろ脚に6:4で乗るように立ち、後ろ脚の膝を水平より高く上げる。頭から足まで一直線に、上体が後傾しないよう注意。1回4秒、左右20回を2セット。

走る前より重要。ラン後に行う5種のストレッチ。

静的ストレッチはラン後にこそ効果がある。運動時、筋肉は縮むことでエネルギーを生み出す仕組みになっている。走り終えたあとも、その反応はしばらく続き、筋肉は縮もうとしたまま。車でいえば、運転を終えてもエンジンが回り続けているような状態だ。

静的ストレッチは、その縮もうとする筋肉をゆっくりと伸ばし、エンジンを停止させる役割を果たす。ここでは、ケガを起こしやすい部位ごとに適したメニューを紹介する。

▽あわせて読みたい
目標距離は何キロがベスト?初心者のためのランニングQ&A。

1.腰痛予防|腰はカラダの要。胸腰筋膜をほぐす。

腰痛予防

  1. 仰向けの状態で両腕を広げ、両膝と両股関節は90度に曲げる。両肩が床から浮かないよう、ゆっくりと腰をひねることがポイント。左右それぞれ30秒ずつ、2〜3セットを繰り返す。
2.鵞足炎予防|薄筋を伸ばしてビギナーに多い膝痛を予防。

鵞足炎予防

鵞足炎予防

  1. 細長いタオルを伸ばした足の裏に当て、股関節を外側へ90度倒す。左右30秒ずつ、2〜3セット。
3.シンスプリント予防|前脛骨筋のストレッチで予防。

シンスプリント予防

  1. 正座して足の甲を床につけた状態からスタート。
  2. 同じ側の手で膝を持ち上げるように脛を伸ばす。左右30秒ずつ、2〜3セットを繰り返す。
4.ふくらはぎ痛予防|むくみ改善も期待!下腿三頭筋のストレッチ。

ふくらはぎ痛予防

  1. 脚を前後に開き、後ろ脚の膝をまっすぐ伸ばす。
  2. 両手で片膝を押すように、前脚に体重をかけていく。左右30秒ずつ、2〜3セット。
5.足底筋膜炎予防|ランナーを悩ます足裏の痛みを防ぐ。

足底筋膜炎予防

  1. 足裏を垂直にして膝で立ち、踵にお尻を乗せ、体重をかけてストレッチ。左右30秒ずつ、2〜3セットを繰り返す。