オーシャンビューの部屋で目を覚まし、ヨガスタジオへ。
今回の滞在では、ジュメイラ地区に投宿した。ダウンタウンまでは車で20分弱。滞在したホテル《Rove La Mer Beach Jumeirah》から歩いて、人気ウェルネス施設である《SEVA Wellness Center & Cafe》に向かう。ここはヨガやメディテーションのプログラムが受けられるスタジオと、オーガニックな食材で提供される料理が楽しめる施設だ。
《Rove La Mer Beach Jumeirah》
1泊1室10,000〜30,000円。※時期によって変動する
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《SEVA Wellness Center & Cafe》
Wellness Center:8または9時〜20時(曜日により異なる。希望クラスをウェブサイトで要確認)。最初の一回3,600円、1クラス5,200円〜。
Cafe:8時~22時。
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ジュメイラ地区は瀟洒な邸宅が立ち並ぶ高級住宅街。各戸の門扉からは色鮮やかな花が咲き乱れていて、歩くだけで楽しい。一体どんな人が中に住んでいるのだろう。

今回宿泊したのはドバイに9施設を構えるリーズナブルなホテルブランド〈Rove Hotels〉のジュメイラ地区にある一室。部屋からは美しいビーチが望めた。館内にはジムも併設。

左/《SEVA Wellness Center & Cafe》のエントランス。 右/開催されているプログラムの一覧。

左/ヨガのクラスを受講。インストラクターの”inhale=息を吸う=exhale=息を吐く”の声が大きく教室に反響する 右/メディテーションボウルやお香などを購入できるショップも併設。

ヨガのクラスを受講してもしなくても、緑豊かな中庭でヘルシーな食事やティータイムが楽しめる。朝イチで身体を動かして、太陽の陽を浴びながらコールドプレスジュースを飲むのは気持ちがいい。ジュメイラ地区の雰囲気もあいまって、ここはアメリカ西海岸? という錯覚に陥る。


ドバイは歩く人のためには道が作られていない完全な車社会。道の反対側に渡るだけでも一苦労。旅行中の移動はUberを使用するのが現実的だろう。
奇天烈な形状の人工島にある巨大水族館で、”サウンドバス”体験。
ヨガで身体を動かしたら、Uberを呼んで沿岸をひとっ走り。「パームジュメイラ」という、巨大な人工島へ向かう。
Google Mapで地形を確認すると、名前の通り、見事に椰子の木の形状に作られている。少々狂気じみているような気もするがここはドバイ。その発想とスケールも楽しみながら円環に沿って車を走らせていくと、目的地である《Atlantis, The Palm》へ。ここは宿泊施設、レストラン、巨大水族館などがまとまった豪華リゾートだ。
ここを訪ねたのは、館内の巨大水族館の水槽を前に、さまざまなウェルネスプログラムを受けられると聞いていたからだ。
《Atlantis, The Palm》
水族館「The Lost Chambers Aquqriums」でのヨガやサウンドバスのウェルネス・アクティビティはこちらから。*一部プログラムを変え、2025年10月下旬リニューアルオープン予定
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地図を見て、島の形状に驚いた。

まるでテーマパークのようなゲートが見えてきたら、そこが《Atlantis, The Palm》の入口。

人工島の上に建つ巨大なアーチ。これが今回の目的地であるリゾート施《Atlantis, The Palm》だ。

やってきたのは館内の水族館。ここで魚に囲まれながら、身体を動かすという。
サウンドバス体験45分7,000円。※2025年3月時点の情報。10月下旬プログラムリニューアル予定。
この日体験したのは「サウンドバス」と呼ばれるプログラム。実際に体験してみると思いのほかシンプル。仰向けになった状態で、シンギングボールから鳴る音に身体を委ね、呼吸を重ねるというもの。魚が行き交う様子を眺めながら、まさに”音に浸かる”ような体験。薄暗い空間と音が、心地よく眠気を誘う。副交感神経優位になっているのだろうか。

イスラム名物”ハマム”も超高級リゾートで。
“音への入浴”を済ませたら、今度はイスラム式の公共浴場「ハマム」へ。といっても庶民的なスタイルのそれでなく、やはりここはドバイ。高級リゾートが提供するマッサージが付帯したサービスにトライする。場所はパームジュメイラの人工島を出てすぐの〈One & Only Royal Mirage〉をチョイス。ここは数々のハリウッドセレブも訪れるという。
One & Only Royal Mirage
09時〜21時(女性のみの時間:午前9時から午後1時)。ハマム体験60分27,000円〜。要予約
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〈One & Only Royal Mirage〉の外観。高級車が次々と車寄せに停まっていく。余談だが、UAEは石油の産油国にもかかわらず、ドバイで最も見た車は電気自動車の〈テスラ〉だった。

エントランス。強い日差しが降り注ぐ外から入るだけで、身体が休まるような気がした。

更衣室。ここでバスローブに着替え、次の部屋へ。扉を開けるとどんな空間が待ち受けるのか、全く想像がつかない。

左/浴場。館内にはサウナも併設されており、ハマムの利用客は施術の前後で自由に使用できる。 右/施術室。筋肉質な大男がざばーん、ざばーんと音を立てて、湯を溜めたシンクから熱湯をかけてトリートメントがスタート。写真に映る硬い台座の上でモロッカンオイルを使ったマッサージを受ける。
ディナーはローカルフード。ただし、超モダンな趣で。
ヨガ、サウンドバス、ハマムと朝から身体を動かしたり労ったり忙しかったこの日を締めるのは、競馬場や一流ヴィラが立ち並ぶ、ナド・アル・シェバ地区に位置しているドバイ屈指のトレンディーなレストラン〈GERBOU〉での夕食。エミラティ料理と呼ばれるUAEの伝統食をモダンにアップデートした超人気店だ。
《GERBOU》
7時〜23時(土日は8時~)。ディナーで一人予算10,000円〜(ドリンク別)。
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1980年代の別荘を改築したという〈GERBOU〉の外観。

ガフの木で作られたというレセプション。水滴を模したシャンデリアも壮観。

テイクアウト用にアイスクリームスタンドも併設されている。

敷地内に植えられたレモンガーベラの香りが鼻腔をくすぐる。
イスラムの大切な文化を垣間見れて、不便さは感じない。なんなら、旅費も抑えられる。ドバイに行くなら、あえてのラマダン期間だ!
前日に見た旧市街のアラビックな風景、香辛料の匂いも記憶に鮮やか。朝から身体を動かして、サウンドメディテーションとハマムで整い、最後はオーガニックな食材で作られたモダンエミラティ料理をいただく。少々駆け足ではあったものの、大満足の1日。
ラマダン期間中のイスラム都市を旅する、と身構えていた自分はどこへやら。なに不自由ない快適な小旅行となった。むしろ観光客が減るラマダンの期間中は、航空券やホテル代も控えめになるため、高級なイメージのあるドバイを旅するハードルもぐっと下がるに違いない。2026年のラマダンは2月半ばから。まだ肌寒い日本を飛び出して、温暖な気候のドバイに足を伸ばす。そんな旅のアイデアはいかがだろうか。
前編と後編で紹介したスポットはいずれも1日ずつあれば十分回れる行程。トランジットでドバイに滞在することがあったなら、ぜひどれか一つだけでも訪れてみてほしい。スポット間の移動はおそらくUberに頼ることになるだろうが、それもいい。道路を走れば、ドバイの街並みが猛スピードで視界を流れていき、この都市のダイナミズムを体験できるはずだから。
