ストリートファッションフォトグラファー・シトウレイさんの、ピラティスに欠かせないコスメ。|ささやかだけど、大事なこと。 vol.9
気持ちよく汗をかくときにこそ使いたいコスメやアイテムがある。日々身体を動かしているあの人がどんなものを愛用しているのか、アクティビティに同行して紹介。第9回は、ストリートファッションフォトグラファーでありジャーナリストとして活動する、シトウレイさんがピラティスの前後で使う3つのアイテムの話。
取材・文/佐々木彩 編集/黒木許子 撮影/五十嵐一晴(ロケーション)、鳥羽田幹太(プロダクト)

Profile
シトウレイ/ストリートファッションフォトグラファー、ジャーナリスト。国内外のストリートでスタイルが際立つ人々をスナップし、その魅力を写真と言葉で表現。自身のブログやYouTubeなどのメディアで発信を続ける。独自の分析や視点には世界中にファンがいる。
シトウレイさんは週2回のピラティスを3年弱続けている。運動習慣のために、また、長年継続しているハードなパリコレ取材の時に、ストレッチなどで少しでも自分で不調を軽減する方法を習得しておきたい気持ちから、スタジオに通っている。3年前の年始にその年の目標としてピラティスを生活に取り入れると掲げた。そしてその1月のうちに、自宅近くにスタジオを見つけたことから今に至っている。
「私の場合、運動をするためには、スタジオの場所が家から近いことが一番の条件。とにかくこれが最も大事です」

スタジオに着いたら、その日気になっている身体の部位を先生に伝えて、レッスンメニューを決めていく。
ピラティスを始める前は、7〜8年ホットヨガを継続。けれど、引越したり、予約システムが変わったりしたことで、足が遠のいてしまったそう。
「些細なことでも、面倒になったら通わなくなることがわかっていたので、サボりにつながる要因を徹底的になくしておくことが必須だと思ったんです。運動への参入障壁をとにかく下げる。暑いとか寒いとか忙しいとか眠いとか、行きたくない理由なんてすぐに見つかりますよね(笑)。だから、家から徒歩で通えるスタジオを探すことにこだわりました」
そしてこだわりはもう一つ。シトウさんは一対一のパーソナルトレーニングを選択した。
「初めてのピラティスで正しく体を動かすために最初は細かな指導をしてもらえるパーソナルレッスンにして、慣れてきたらグループレッスンに移行しようと考えていました。でも、結局現在までずっとパーソナルです。グループとは違い、インストラクターの方は私だけのために時間を取ってくれています。そうなるとキャンセルは失礼に感じてしまう。人付き合いと同じで、申し訳なさが募るのでそれは避けたい。すると、忙しかろうが、暑かろうが行かざるを得ない。自転車に乗る必要もない徒歩数分のところにスタジオがあるので、なんとか行ける。立地と個人指導によって、継続してこられたと思います」

背筋を伸ばし、軸を整える。
パーソナルレッスンは1回1時間。それを週に2回。シトウさんの身体は着実に変化しているそうだ。始めて半年が経った頃には、体の動かし方に合点が行き、楽しさも感じられるようになったという。
「最初は先生の指導の意味が理解しづらかった。『お腹と背中に呼吸を入れましょう』と言われても『背中に呼吸は入りません!』って思ったり、『肋骨を膨らませて』というコメントにも『骨なんて膨らまないんですが』と戸惑ったり(笑)。私は筋肉の名前にも詳しくないので、指摘されても本当によくわからなかった。それが、わからないなりに見よう見まねで継続していくうちに、体が少しずつ動くようになっていって。ふと理解できる時がやってきたんです」

身体のサイドを伸ばす。
時を同じくして、身体のラインも変わってきたそう。元々、ファッションモデルとしても活動していたことがあり、かなりスリムなシトウさん。
「以前は、凹凸のない少年のような細い体型が理想で、それを維持しようと毎日体重計に乗っていました。でも、40代になって、ふと鏡を見ると、痩せている身体が貧相に感じることがありました。今後年齢を重ねて筋肉が落ちていくことを考えると、自分の体型に疑問が生まれてきたんです」
体型の変化を受け入れることは、シトウさんにとって、美の価値観を変えることと同義。ピラティスをしながらも、迷いがあったという。
「長年痩せた体型を良しとしてきたので、これからどんな体型を目指したらいいのか、手探りでした。とはいえ、自分なりに何かしらの手応えを感じられるようになるまでは、体重計は封印したんです。新しい方向を目指すためには、これまでの習慣もリセット。中途半端な状態で測ったら、やっぱり痩せてる方がいいと思ってしまうかもしれない。そういう葛藤がすごくありました」
理想の体型を模索しながらも、だんだんと筋肉がついてきたことで、シトウさんの気持ちにも変化が訪れる。
「半年ぐらい経った頃に久しぶりに体重を測ったら、数キロ増えていました。ピラティスを始める前の私なら、体重を落とさなきゃと焦ったと思います。でも、自分の中で、以前のような痩せ型ではなく、つくところには筋肉がある女性らしい丸みも帯びた体型を目指し始めていたので、体重という数字は気にならなくなっていました。むしろ、それまでやってきたことが間違ってなかったと、達成感さえ湧いてきました」
それからは、綺麗な背中を作ることにも意欲が出てきたそう。姿勢への意識も高まり、ボディメイクしていくことのメリットを感じられるようになっていく。

二の腕から背中のきれいなラインを創る。
「姿勢が良ければ当然服も似合いますし、後ろ姿にも自信が出てきました。以前よりも着映えするようになったと感じることが多くなりました。大好きなファッションにピラティスの効果を感じられたことが、何より嬉しいんです。だから通うほどに楽しい。今はそんな気持ちです」
普段の生活でも、パソコンに長い間向かっている時に姿勢が崩れやすいと気づくようになった。そんな時、自ら正しいポジションに修正する癖がついたという。
ピラティスに行く際は、自宅からトレーニングウェアを着て向かう。その後は帰宅することもあれば、仕事のアポイントメントに向かうこともある。
「すごく汗をかくアクティビティではないので、持参するコスメは最小限です」

〈GBH〉のロールオンタイプのデオドラントは、ウッディ系の香り。
制汗剤は、レッスンの前後にひと塗り。
「一対一のレッスンということもありますし、エチケットという意味で必ず使います。これは友人からもらったものですが、とにかくいい香り。制汗剤というより、練り香水のような感じ。よくある、爽やかさや消臭を目的としたシトラスやパウダリーなものではなく、温かみを感じる甘さがある。特に汗をかいてなくても、自分からいい匂いがするので、よくつけています」
そして、運動モードからファッションモードへのスイッチは、リップ&チーク。
「レッスン後にさっとひと塗りしてからスタジオを出ます。サイズも小ぶりで荷物にならないところも助かります」
最後はオイルでヘアを整えることを忘れない。
「レッスンでは仰向けになることもあり、髪型が乱れることも多々。そんな時には、ヘアオイルを付けて結び直します。元々香水が好きなこともあり、ヘアオイルもいい香りのものが好き。これはサラサラのテクスチャーで最近のお気に入り。いつもバッグに入れています」

〈シンピュルテ〉のヘアオイルで華やかな香りに包まれながら艶をオンする。

レッスン後には先生と一緒に振り返りを。
今後の目標は? と尋ねてみると、「70代でもまっすぐな姿勢でハイヒール! 」とシトウさん。
「私は一度好きになるとハマるタイプ。だから、ピラティスはこれから長くお付き合いしていく運動だと感じています。忙しくても、1時間のレッスンを挟むと身体は軽くなるし、集中力も再びアップするので、仕事にもいい影響があると実感しています。インストラクターの方も、私の癖や、しんどくなる部位などを理解してくれています。家族や友人とはまた異なる、心強い日々のサポーターなんです。これからもアドバイスを聴きながら自分の身体に真摯に向き合いたいと思っているところです」

ウェアの上にオーバーサイズのシャツを羽織って颯爽としたスタイルが完成。仕事がある時は、移動は自転車で。
こんなアイテムも、おすすめです。
ピラティスの前後に使いたいシトウさんの愛用コスメに着想したアイテムを、Tarzan Web編集部が見つけました。
デオドラント
自然由来の香りでケアするロールオンタイプ
リップ&チーク
軽量で繰り出し式の1本
ヘアオイル
香り重視のサラサラ質感オイル