ウチサカさんのトレイル案内。東京都[陣馬山]
トレイルランニングのシーンを黎明期から取材してきたレジェンドエディター・内坂庸夫さんが、さまざまなトレイルをランナーの視点で紹介。コースのGPSデータも公開中!今回紹介するのは、東京都[陣馬山]。
取材・文/内坂庸夫 撮影/石原敦志 トレイルランナー/山下晃和

ウチサカさんってこんな人

陣馬山 大快走トレイル。
「初めてのハイキング」「初めてのトレイルラニング」、そんなタイトルで紹介されることの多い東京の高尾山。京王線高尾山口駅から山頂へは1、2、4、6の研究路と稲荷山コースの合わせて5つもあるけど、どれもハイカーさんや観光客で大賑わい。
どのコースも走るのは無理です、人の間をすり抜けるばかりで楽しくないし、歩く人たちに迷惑をかけるだけ。やめましょう。そもそも1号路(東海自然歩道の東の始まり部分)は東京都の公園ガイドラインでトレラン禁止ですし。そんなことから高尾のランナーは高尾山には近寄りません、高尾山以外の高尾の山域を楽しんでいます。
たとえばのおすすめ。高尾山の西に陣馬山という大絶景の山があります。そしてそこから明王峠に進み、JR中央本線藤野駅に下るトレイルがなんとも素晴らしい、大快走ダウンヒルです。これには誰もが歓喜の声を上げると思います。さあ行くよ、GPSをダウンロードしてください。
まず、高尾駅北口からバスで陣馬山直下の陣馬高原下バス停へ。大混雑の高尾山には近寄らないけど、このバスは人気です、早めに並んでおきましょう。終点の陣馬高原下バス停から舗装路を20分くらい上がると分岐、左に陣馬新道というトレイルが出てきます、それ。40分ほどで陣馬山山頂、白馬が待っていて、富士山つきの360度大絶景、お見事です。山頂にはお茶屋さんが2軒、週末に営業しています、給水に。

高尾山域のいちばん奥が陣馬山。武田信玄が陣を張ったといういわれからの白馬は、南西方向、富士山を向いています。

陣馬山山頂の〈清水茶屋〉、このとおり富士山がどどん、素晴らしい場所にあります。
さ、次に進みます。いったん陣馬山高尾山縦走路に出て、明王峠まで進みます。この縦走路はハイカーさんが多いのでご注意ください。すれ違うときは走ることをやめて、歩いてすれ違いましょう。
いよいよ、明王峠を南に下ります、ここからはハイカーさんが少なくなります。最初は木段ですが、林道(舗装路)を横断すると走りやすくなります。すぐに分岐で奈良本・虎杖(イタドリ)沢ノ頭」方面と「与瀬神社・相模湖駅」方面とあります。あえて、ここは「与瀬神社・相模湖駅」方面へ。
そして20mほど先にまた分岐、「矢ノ音山頂」とありますから、そっち。つまり最初の分岐は矢ノ音のまき道、ふたつ目の分岐は矢ノ音山頂コースってこと。

ふたつ目の分岐(矢ノ音山頂コース)を選ぶと笹トレイル、山頂までずーっと。
矢ノ音から虎杖沢ノ頭まで、気持ちよく走れる斜度の下り、もう最高、走りっぱなし。でも虎杖沢ノ頭から先は突然急なガレた下りです、ゆっくり進みましょう。集落に出たらトンネル(クルマ通行に注意)を抜けて藤野駅。素敵な13kmです。
コースマップ
コース前半の明王峠までは、高尾山域の人気コースです。歩く人たちにご配慮ください。標高グラフの通り陣馬山に上がってしまえば、あとは下り(ちょっとウソ)です、距離は13kmと長いですが、楽しく走れます。初心者でも大丈夫です。
GPSダウンロードはこちら!
GPSデータは「.gpx」形式です。GPS時計各ブランドのアプリで読み込めます。GPS時計がなくてもスマートフォンの地図アプリを使ってダウンロードできるし、「Googleマップ」を開いて「マイマップ」に取り込むこともできます。また、「.gpx」形式はMacアプリの「トレイルノート」で開いて編集することができます。