筋トレ嫌いでも野生的なしなやかボディは作れる|クリエイティブディレクター・田中嵐洋さんのBig3
いいトレーニーはアンテナを張っている。だからいろいろ知っているし、トレーニング法も柔軟。幅の広さを知る第一歩として、みんなのお気に入りBIG3を聞いてみた。本来はベンプレ、スクワット、デッドリフトだけど、どんな種目が出てくるんだろう。今回は、アウトドア系スポーツブランドのプロモーションを担当するクリエイティブディレクター・田中嵐洋さんの「私の好きなBig3」。
取材・文/井上健二 イラストレーション/モリタクマ 編集/門上奈央
初出『Tarzan』No.872・2024年1月25日発売
田中嵐洋さん
教えてくれたひと
たなか・らんよう/クリエイティブディレクター。大手ブランドのプロモーションを長年担い、2022年に独立して合同会社ステラーズジェイを設立。アウトドア系スポーツブランドのプロモーションを担当。雑誌『SKI CLUB』のクリエイティブディレクターを務める。
遊びを楽しみつつ、野生的なボディへ
高校卒業から20年以上、体重が1kgも増えていないというのが、アウトドアブランドのプロモーションを得意とする田中嵐洋さん。
「でも、いわゆる筋トレは大の苦手。小さい頃から登山とスキーに親しみ、仕事も趣味もウィルダネス(原野)でカラダを目一杯動かすことですから、幸いにも贅肉は付きません。友人にはクライマーも多いのですが、みんなジムで筋トレしなくても筋肉バキバキですよ」
ビッグ3に挙げてくれたのは、大好きなトレイルランニングやクライミングといったアウトドアスポーツの動きに直結するものばかり。いわばアウトドア系トレーニーへの招待状だ。
「一時期キャンプがブームになりましたが、多くの人は道具を揃えてキャンプ場で1〜2泊し、SNSで発信して満足していた。そこから少しだけ足を延ばせば、日本には豊かな自然が残されており、いろいろなスポーツが楽しめるのに、もったいなさすぎます。海や山で遊びながら鍛えると、野生動物のようなしなやかなボディになれます」
このビッグ3で実践的な筋力と体力を養っておけば、アウトドアを満喫しながらカラダはさらに無駄なく引き締まるに違いない。
① 公園でトレラン(5~10km)
「近所に三保市民の森という公園があります。そこのトレイルは起伏が結構あり、10kmも走ると累積標高600mほど取れて良いトレーニングになります。混むと嫌なのでホントは教えたくないのですが(笑)」
② クライミングボードで懸垂(朝晩×10回)
自宅の壁に取り付けたクライミングボードで懸垂。チンニングバーを握って行う通常の懸垂とは違い、岩山を登るときと同じように指先だけを引っ掛けて行うのでより難度が高い。「サクサク10回できるかどうかで体調が判断できます」。
③ マウンテンクライマー(左右交互に50~100回)
両手を肩の真下についてうつ伏せになり、両脚を腰幅でまっすぐ伸ばし、爪先を立ててディスクを踏む。ディスクを床で滑らせながら、左右交互に片膝を胸に素早く引き寄せる。「トレランで脚の可動域を広げるのが狙いです」。