走るタイミングは夕方以降?朝?|ジョギングの“痩せる選択” part2
痩せようと決意して、まずジョギングをする自分が思い浮かぶ人は多いはず。気軽に始められるジョギングはダイエットの最強のパートナーと言える。もっと効果的に痩せ効果を期待するなら、走る環境やウェア、食事にも気を配りたい。ダイエット目的で走り始めた男女が取るいろんな行動。コース、タイミング選び、痩せるのはどっち?
取材・文/石飛カノ 撮影/内田紘倫 スタイリスト/高島聖子 ヘア&メイク/天野誠吾 取材協力/石井好二郎(同志社大学スポーツ健康科学部スポーツ健康科学科教授)
初出『Tarzan』No.851・2023年2月22日発売
普通のランニングシューズ vs 厚底シューズ|ギアは?
答え|どちらもOK
近頃ではマラソンランナーも駅伝の選手も、ほぼ全員が厚底シューズを履いている。理由は明白。ソールが厚めに作られているからクッション性が高く、反発力が高いので歩幅が大きくなり、スピードが向上するから。
実際、マラソンのトップクラスの選手は厚底シューズが登場して以降、記録が向上している。とはいえ、このシューズはある意味で履き手を選ぶ。高い反発力を制御する筋力が必要だし、フォームが不安定だと足が左右にブレる可能性もある。
痩せるという意味では通常のランニングシューズでも十分だが、もし導入するなら初心者でも履きやすいタイプを吟味しよう。
なのでどちらのシューズもあり。バリバリの上級モデルは脚力を養い、フォームを整えてからのお楽しみに。
朝 vs 夕方以降|走るタイミングは?
答え|どちらもOK
生き物は地球の自転に合わせ、24時間周期で体内環境を時々刻々変化させている。これをサーカディアンリズムという。
このリズムからすると、一日のうちで最も体温が高く、代謝効率がいいのは夕方のタイミング。ならば、痩せるためには夕方に走った方がおトク? いや一概にそうとも言えない。朝起床後に運動した方が、それ以降の一日の代謝の底上げに繫がるという説もあるからだ。
朝か夕方以降かという時間帯が痩せ効果にもたらす影響はそれほど大きくないと考えていい。結論から言うと、どちらでもオッケー。
自分のライフスタイルに合わせたタイミングで走る方がストレスフリーで長続きもする。無理のないスケジュールで走ろう。
トレッドミル vs 屋外ラン|屋外と屋内は?
答え|B 屋外ラン
ジムのランニングマシンで一定ペースで走るのと屋外を走るのとでは果たしてどちらが痩せやすいか? 明確な科学的根拠はない。ただ、屋外を走る方が走りやすいと考えることができる。
というのは、生物は「ゆらぎ」の中で生きているから。実際、心拍数も一定ペースではないし自律神経の活動にもゆらぎがある方が健全とされている。
屋外を走るときは風の抵抗を受けたり、ちょっとした地面の凹凸や傾斜の影響も受ける。そのつど無意識に体幹を安定させ、筋肉の動きをアジャストさせることで人は走っているのだ。
屋外でゆらぎを感じながら走る方がおそらく走りやすいはず。その結果、距離が延びていけば痩せ効果も得られる。
住宅街 vs 公園|走るコースは?
答え|B 公園
自宅近くの住宅街を走るか、樹木が生い茂っている緑豊かな公園を走るか? 後者の方が気持ちがいいことは誰もが経験的に知っているだろう。これを証明するような学術研究が近年、増えている。
2019年、アメリカ・コロラド州立大学をはじめとする研究で、都市の緑化が死亡リスクを下げる可能性があることが報告された。家の周辺の緑が増加すると早期死亡率が減るという結果が見られたという。日本でも、緑地の多さが自殺リスクの低さと関連しているという全国調査の報告がある。
上記アメリカの報告によれば緑の多い環境で過ごすことでストレス軽減、メタボの低下などが期待できる。なら痩せ効果を狙いどちらのコースで走るかは決まったも同然。