日常もスポーツも快適に！ 4種目で実践する背骨の「総仕上げエクササイズ」
背骨のコンディションを司る頸椎、胸椎、腰椎の3大エリアをエクササイズで改善したら、背骨全体を仕上げる最終エクササイズを行おう！ 日常動作やスポーツに役立つしなやかでダイナミックな動きが手に入る。
取材・文／井上健二 撮影／山城健朗 スタイリスト／笠島康平 ヘア&メイク／音成健
初出『Tarzan』No.818・2021年9月9日発売
まずはチェック＆リセットを実践！
自分の背骨のコンディション。それを知るには、頸椎、胸椎、腰椎という3大エリアごとに細かくチェックするのが近道。3大エリアにはそれぞれ特徴があり、弱みや異変の表れ方が違うからだ。
これまで公開した記事では、3大エリアに詳しい3人のトレーナーに協力を仰ぎ、各々の現状を知るチェック法と、歪みをリセットするエクササイズを教えてもらった。「総仕上げ」の前に、まずは下記3つの内容をチェックしよう。
「背骨の総仕上げ」がなぜ必要？
「背骨の総仕上げ」を教えてくれた人
菅原順二（すがはら・じゅんじ）／アランチャ代表。NSCA公認ストレングス＆コンディショニングスペシャリスト。Body Element Pilatesマスタートレーナー、MasterStretchマスタートレーナーの有資格者。
総仕上げに行いたいのは、頸椎、胸椎、腰椎と、背骨全体をイーブン（均等）に動かすエクササイズ。
「弓矢の中央を持って力をかけると、ポキンと折れる。同じように、背骨も一点に負担が集中するような使い方をしたら、機能不全に陥り、ダメージの蓄積で腰痛などの不調を招きます。
弓矢の両端を持って力をかけても、弓矢はたわむだけで折れないように、背骨をイーブンに動かせると機能が上がり、不調から解放されるのです」（菅原順二トレーナー）
重ねて大切なのは、背骨を中心とする動きの軸を、重力に負けないように長く引き伸ばす意識を持つこと。
「それを、僕が学んだピラティスでは“エロンゲーション”と呼びます。エロンゲーションすると姿勢がすっと伸び、そこに手足が連携すると、野生動物のようにしなやかでダイナミックに動けるようになります」（菅原順二トレーナー）
気持ちよく伸びた背骨を軸に、手足を思い通りに操れるようになれば、肩こりや腰痛などがなくなり、日常動作もスポーツも快適になるのだ。
4種目で実践！背骨の総仕上げ
①ベイビーロール（左右各5往復）
- 仰向けで大の字を描くように両腕と両脚を伸ばす。
- 右腕を天井に向けて上げ、ゆっくり左側へ伸ばす。
- 寝返りを打つように、胸をしっかり横向きに捻り、お腹と腰と両脚はできるだけ元の位置を保つ。
- 背骨のしなりを使ってうつ伏せに。
- 右腕を上げながら胸を開き、逆の動きで元に戻る。
- 左右を変えて同様に行う。
②ロールオーバー（5回）
- 床で仰向けになり、両脚を腰幅で伸ばす。
- 両腕は体側で伸ばし、手のひらを床につける。
- お腹を強く固め、両脚をゆっくり垂直に引き上げる。
- 骨盤を後傾させ、背骨を下から1個ずつ床から剝がすように背中を丸め、爪先を頭の先に伸ばして床にタッチする。
- 背骨を上から1個ずつ床につけるように戻る。脚を床に下ろす際、腰が反らないように注意する。
③ソラシック・エクステンション（左右各5回）
- 床に坐り、両膝を腰幅に開いて曲げて立てる。
- 両手を後ろにつき、上体を軽く後ろに傾け、左右の肩甲骨を寄せて胸を開く。
- 右腕をお腹の前で構え、両足で床を強く押す。
- その反動で骨盤を床と平行に持ち上げつつ、右腕を左上方へ伸ばしながら胸を左に開き、頸椎を回して顔を床に向ける。
- 背骨全体を十分しならせたら、元に戻る。
- 左右を変えて同様に行う。
④ヒップハイク（左右交互に各5回）
- 両足を腰幅に開いて立つ。
- 右足で床を強く押し、その反動で右腕と左膝を引き上げる。
- 右手のひらで天井を押すように右腕を伸ばし、左側の骨盤をさらに高く上げ、その前で左腕を曲げて手のひらを正面に。
- 背骨全体を伸ばして十分しならせ、戻る。
- 左右交互に行う。
詳しい動きを動画でチェック！
