じっとしていると、かえって疲れてしまう|専門家に聞く「疲労の正体」vol.12
どうして人間は疲れるのか? 頑張る男子くすぶりくんの漫画と疲労の専門家・梶本先生の解説をテーマごとに読めば、謎が解ける! 今回は、「じっとしているストレス」について。
取材・文/石飛カノ イラストレーション/沼田光太郎
初出『Tarzan』No.797・2020年10月8日発売
じっとしていることも、またストレス。
くすぶりくん(以下:く) 温泉もダメ、サウナもダメってことで一日家の中でじっとしていたんですけど、かえって疲れてしまいました。
梶本修身先生(以下:梶) まったくストレスがないより適度なストレスがあった方が健康にはいいことが分かっています。
く 適度というと?
梶 個人差があって難しいんですが、運動であれば週に3〜4回、合計150分程度の運動をしている人は長寿といわれています。運動強度は隣の人と会話ができる程度です。
く へえ〜、週3〜4回だらだらジョギングしてるくらいがちょうどいいんですね。
梶 逆に一日何もせず同じ体勢をとり続けるというのも、かえってストレスになるんですよ。じっとしていると下半身の血流が心臓に戻っていきません。血流の調節もまた自律神経が行っているので疲れが溜まりやすくなるんです。
く あぐらかきっぱなしでかえって疲れていたのかー!
梶 リモートワークが多くなった最近では、座っている時間が長くなっているので要注意ですね。オフィスではなにかと歩く機会がありますが、家では座りっぱなしという人も多いと思います。
く 確かに、食事とトイレ以外は座りっぱなしです。
梶 女性の場合ですけれど、7時間座っている人は5時間以内の人に比べて死亡率が30%高いというデータがあります。
く 毎日それくらい座ってます〜。
梶 そういうときは貧乏ゆすりをして血流を心臓に戻しましょう。
く (ガクガクガク)こうですね!?