ご褒美の高原ソフトも。天空の回廊トレイル・霧ヶ峰に挑戦。
たいした上りなし、スタート地点までクルマで行ける。そして大きな樹木もなく、コースまるごと見渡せちゃう。トレラン別天地=霧ヶ峰を『Tarzan』が案内します。
text: Tsuneo Uchisaka photo: Eiri Motoyoshi styling: Yutaka Aoki illustration: Grace Lee
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Profile
ルーク・サバス/東京・赤坂のピザ店〈Sabasu〉オーナー。オーストラリア出身のロードランナー。本物のピザ作りをナポリでみっちり習って東京に。東京周辺のトレイルに行くことが多いけど、こんな気持ちのいいトレイルは初めて! 青空がいっぱい、見通しがいい、と大満足です。
コースが丸見え、世の中すべてが足元です。

「走る」という痛快、爽快を、ただでさえ気持ちのいい大自然の中で行うのですから、トレイルラニングは楽しいに決まっています。それに走るから、同じ時間でひとつ先の山にいけちゃいます、遊びの幅が広がります。
初心者が走るならどこがいいの? にお答えしましょう。あらゆる意味でトレラン天国といえる霧ヶ峰です、ただしクルマでのアクセスです。中央道諏訪ICからビーナスラインで40分、霧ヶ峰の駐車場からなんと50mほどでトレイルの入り口。今回の霧ヶ峰周回コースの起点終点です。

霧ヶ峰はそもそも標高が高いので大木はありません(ちょっとウソ)、つまり前後左右見通しがいい、めざすトレイルの先の先まで丸見えです。しかも、周辺に山なし、ここより高いところなし、1800m超えの高原の中でもさらに高い山彦尾根を行きます、すなわち世の中すべてが足元、ここ霧ヶ峰は天空の回廊なのです。さあ行くよ。

起点終点にはサインが立っています。今回は車山山頂には行かず、車山湿原経由で車山乗越へ進みます。

車山乗越の分岐から北に曲がると真正面に樺の丘のどーんと開けた斜面。ちょっと後ろを振り返ると、車山山頂の「長野気象レーダー」がぽっこり可愛い、という重要地点。

大きな山桜の類い。新緑の葉と白い花が青空に映えて美しい、こんな自然の妙に出合えるのもトレランの魅力です。
コースイラストがあるのでご覧ください。コースは反時計まわり、起点終点にある〈ころぼっくるひゅって〉から東に進みます。ここから車山乗越までは車山湿原の脇を通るための板張り歩道。ですから走ってはいけません。また狭いのですれ違いの際も相手に配慮を。車山乗越の分岐で北に向かいます、さらにさらに大絶景の山彦尾根をめざします。ここからは山道、トレイルです、いよいよ天空の回廊の大舞台へ。
おっと、ですからここは晴天じゃないと意味がありません、丸一日「晴れ」間違いなしの日に。
コースマップ

クルマでしかアクセスできないけど、日本一といっていい高原の周回トレイル。〈ころぼっくるひゅって〉から反時計まわりに山彦尾根、八島ヶ原湿原横へと進みます。初心者でも休憩しながらゆっくり走ればたっぷり楽しめます。
〈ころぼっくるひゅって〉
1956年にできた山小屋。喫茶室で提供しているボルシチが人気になり、宿泊者の朝食としても出すようになりました。週末の朝、昼はたくさんのお客さんが並びます。混雑するタイミングを避け、ラン後とか、時間を選んで訪れましょう。ボルシチと丸パン、ドリンクのセット1,700円、厚切りバタートースト700円。
長野県諏訪市霧ヶ峰車山肩、9:00〜16:00(ラストオーダー15:30)、木曜休(冬季は土・日10:00〜15:00のみ営業)。Instagram:@korobokkuru_hutte
上りは走らない。GPSつき心拍時計推奨。
トレイルラニングの基本のキは上りは走らない、歩く。だって苦しいのはイヤでしょう、遊びですから。クルマやバス、ロープウェイなどで標高の高いところに到着しておくのもいい作戦です。上りでラクして、そのエネルギーを平坦なところ、下り坂に使います。

ここは1800mを超える高山、真夏晴天でも風が吹けば体感温度は下がります、汗冷えもこわいし、ぺらぺらでもいいのでウィンドシェルを携帯しましょう。

トレランはロードと違って急な下りがあります、靴の中で足がずれて爪を痛めます。ロードの靴より、紐をきつめに締めておきましょう。
そして、GPSつき心拍時計を用意してほしいなあ。ナビができます。自分がいまどこにいるのか、どこに向かっているのか、目的地まであと何km、あと何分、これがわかります。とはいえ、紙の地図を万が一のために携帯しておきましょう。手首を見て走り、ときどき紙地図で確認、大事です。
さあ、霧ヶ峰コースの中でも特に特におすすめの山彦尾根にやってきました。ごらんの通り、世の中全部が足元、前後左右丸見えです、尾根の東側はなかなかの急斜面、気をつけて、スキー場です。
山彦尾根には南の耳1838m、続いて北の耳1829mというふたつのピーク(双耳峰)があります。まず、南の耳のピークで後ろを振り返ってみてください、ルークさんも思わず「ワオッ!」と声が出るほどのビューですよ。

途中でコースチェック、GPS電波が正しい位置とコースを教えてくれます。紙地図でも確認しましょう。
〈COROS〉の《APEX4》で消費カロリーを計測。トレイル名が記載されたオフラインマップ機能も。63,800円〜。WEBサイト
名物の高原ソフトと名物のハンバーグ。
さあ、コース後半。北の耳から先は男女倉(おめぐら)山、別名ゼブラ山に下ります。走りやすいけれど、ところどころ狭くて石がごろごろしているのでご注意です。
男女倉山から八島ヶ原湿原の縁に下る区間、いやあ、快適快適。ゆるい斜度の草原をばんばん走れます。霧ヶ峰がトレラン天国である理由は、見晴らしのいい尾根ばかりでなく、ひろーい、しかも絶妙な下り斜度の草原があること。体軸を前傾するだけでどんどん足が前に出てゆきます。さあ、八島ヶ原湿原。周回コースもあるけど今回は湿原の横を抜けて林道へ。沢渡までちょっと上りだけどずんずん走れます。
そして沢渡から最後の上り、スタートした〈ころぼっくるひゅって〉が遠くに見えます。足元がごろごろ石のトレイルになりました、ゆっくり歩いて進みましょう。また、この尾根道は湿原をめざして下る人も多いので、すれ違いには気をつけましょう。

沢渡でいったん舗装路に出て、またトレイルに。スタート地点への最後の上りです、ここもまた大パノラマ。
さあ、起点のころぼっくるに帰ってきました。およそ3時間15分の天空ラン、おなかは空いていませんか? スタート前にころぼっくるで軽食を食べていないなら、そちらへ。もし“軽食は食べちゃったよ、でもおなかぺこぺこ”というのなら、さっきの山彦尾根のスキー場の近く、ハンバーグの名店はいかがでしょう、クルマでちょっと移動します。
あ、途中に名物ソフトクリームのお店があります。ハンバーグの前か後か、これも悩むなあ。
くれぐれも。ここは晴れたら天国ですが、標高1800m超えの高山。天候の急変にはご注意。

〈霧や茶房〉
霧ヶ峰の駐車場からクルマを白樺湖方面(ビーナスライン)に走らせて5分くらい、進行左側(山側)に可愛いトレーラーショップがあらわれます。開業5年目。茶房というくらいでカフェだけど、ソフトクリーム(500円)がおいしくて有名。プレミアム扱いされる信州安曇野牛乳を使っていて、ひとなめするだけで違いがわかります。
長野県茅野市北山3413(ビーナスライン沿い)。夏季の10時〜17時営業、ただし雨天休業。Instagram:@kiriyasabou
〈レストラン ひいらぎ〉
クルマで15分、霧ヶ峰からビーナスライン経由で大門街道に入って姫木平別荘地へ。ここに1976年創業のハンバーグステーキの名店があります。アメリカン、メキシカン、ロシアン、ジャーマンの4種類の特製ソースから選べて、サラダ+パン/ライス+コーヒー/紅茶のセットで2,500円。
長野県小県郡長和町大門3518-2355、TEL:0268-69-2031。11:30〜14:30、17:00〜20:00、火・水休(8月8日〜17日は無休)。

















![雑誌連載 Tarzan Trails[霧ヶ峰]トレイル GPSデータ(823号)](/_next/image?url=https%3A%2F%2Ftarzanweb.jp%2Fuploads%2F2021%2F11%2F823gps_top.jpg&w=1920&q=75)