チリツモ運動で数値を改善!肝腎膵の健康を取り戻すエクササイズ集。

小さなことからコツコツと。日々無理なくできる肝腎膵に最適化したトレーニングを指南。

取材・文/石飛カノ 撮影/小川朋央 スタイリスト/高島聖子 取材協力/川口 巧(久留米大学医学部主任教授)、高取優二(埼友クリニック外来部長)、伊佐地秀司(ヨナハ丘の上病院理事長) トレーニング指導・監修/河村玲子 編集/星野“cap”徹

初出『Tarzan』No.916・2025年12月11日発売

健やかさを取り戻す、肝腎膵トレ。

臓器に不調が生じたら、即、安静。それが長きにわたる医療常識だったが、現在は適度な運動こそ臓器を健やかに保つ条件のひとつ。

日本で初めて提唱された久留米大学の「肝炎体操」はその代表格。今回は体操+インターバル速歩のプログラムでより高い効果を狙う。

さらに腎臓対策として「腹式呼吸+脚上げ体操」、膵臓ケアには無理なく続けられる「ながら運動」を提案。即、取り入れるべし。

肝臓をケアする肝炎体操+インターバル速歩。

6つの動きで肝臓の脂肪を減らす!久留米大学式・肝炎体操。

久留米大学式肝炎体操の目的は筋肉を鍛え、代謝を高めて肝臓の脂肪を減らすこと。今回はそれに有酸素運動をプラス。「筋収縮で筋肉中のグリコーゲンを消費した後、有酸素運動を行うことで、より大きなエネルギー消費量が狙えます」(久留米大学医学部主任教授・川口巧さん)。できれば毎日実践を。

1.その場で足踏み

1.その場で足踏み

筋トレの前のウォーミングアップ。背すじを伸ばして大きく腕を振り、太腿を床と平行になるまで左右交互に高く上げてその場で足踏み。リズミカルに40歩繰り返し。

2.おじぎ体操

2.おじぎ体操

両足を肩幅に開いて立ち、両腕を胸の前でクロス。股関節を曲げて上体を前に倒したら、ゆっくり元の姿勢に戻る。上体は常にまっすぐを保ったまま10回繰り返し。

3.タオル体操

3.タオル体操

両足を肩幅よりやや広く開いて立ち、左右の手でタオルの両端を持つ。タオルを頭上に掲げたポジションからゆっくり頭の後ろに向かって下ろす。10回繰り返し。

4.スクワット

4.スクワット

両足を肩幅に開いて立ち、両腕を胸の前でクロス。股関節と膝を同時に曲げて、腰が丸まらない位置までゆっくり腰を落としたら、ゆっくり元の姿勢に。10回繰り返し。

5.爪先立ち

5.爪先立ち

椅子の後ろに立ち、椅子の背に両手を添える。両足は肩幅。左右の踵をゆっくり上げて全身を垂直に伸ばす。爪先立ちになったらゆっくり踵を下ろして元の姿勢に。10回。

6.ふくらはぎ伸ばし

6.ふくらはぎ伸ばし

最後はストレッチ。椅子の背もたれに両手を添えて足を前後に開く。後ろ足の踵を床につけて膝を伸ばして20秒キープ。足のポジションを変えて逆のふくらはぎも伸ばす。

速歩きとゆっくり歩きの繰り返し。インターバル速歩。

インターバル速歩

インターバル速歩

筋トレを行った後は間髪入れずに屋外へ。2分間ゆっくり歩いてウォーミングアップをした後、3分速歩き(息が少々切れるレベル)→1分ゆっくり歩き。これを7セット繰り返しでトータル30分、歩き続けよう。

腎臓ケアは腹式呼吸+脚上げ体操。

腎臓ケアの第一歩は腹式呼吸。

「交感神経が優位な状態が続くと血流が滞り、腎臓の血流量が減ってしまうからです。腹式呼吸でリラックスする習慣を」(埼友クリニック外来部長・高取優二さん)。

筋肉から分泌されるマイオカインが腎臓の機能を保護することから、下半身の適度な筋トレも有効だ。

腹式呼吸

腹式呼吸

  1. 床に仰向けになり、両足を肩幅に開いて膝を立てる。片手はお腹に、もう片方の手は胸に置く。
  2. 3秒かけて鼻から息を吸ってお腹を膨らませ、3秒かけて口から息を吐いてお腹を凹ませる。眠る前に数回行うのがおすすめ。
脚上げ体操

脚上げ体操

  1. 椅子に浅く座って両腕を組み、片脚を無理のない範囲で持ち上げたらゆっくり下ろす。これを左右各3回繰り返し。
Advanced

アドバンス

慣れてきたら立って行う。片脚を太腿が床と平行になるまで上げたらゆっくり下げる。左右各3回。

膵臓は「ながら運動」を毎日実践!

代謝低下を防ぐ7つの「膵臓ながら運動」。

脂肪が溜まる臓器は肝臓だけでなく膵臓も然り。筋肉を維持して代謝低下を防ぐことが膵臓ケアになる。

「代謝障害や体重増で膵臓に脂肪が溜まると、炎症が起こりがんの引き金になります。ですから日常生活の中で筋トレを毎日取り入れることは非常に重要」(ヨナハ丘の上病院理事長・伊佐地秀司さん)。

1.通勤中、電車の揺れに耐えながら体幹トレ

電車の中では率先して立つ。揺れに耐えながら足の位置をキープすることで腹横筋など体幹部のインナーマッスルが鍛えられる。安全のため吊り革には摑まること。

2.会議中に内腿引き締め

思っている以上にボリュームが大きい内転筋のトレーニング。会議で座っている間、特定の人を決め、その人の発言中は内腿をピッタリくっつけて力を入れてみよう。

3.歯磨きしながらスクワット

文字通り、歯磨きをしながらスクワットを行う。ブラッシングの手を止めることなくゆっくり股関節と膝を曲げて腰を落とす。膝を90度曲げるハーフスクワットで十分。

4.入浴しながらV字腹筋

胸まで湯に浸かった状態では浮力によって体重は陸上の約30%に。これなら普段はまず無理なV字腹筋も可能。両腕と両脚を同時に上げて体幹を効果的に鍛えよう。

5.皿洗いしながらカーフレイズ

家事は率先して行おう。食事の後の皿洗いの最中は両足を肩幅に開き、踵を引き上げて下ろすカーフレイズを繰り返す。皿を拭き終わる頃にはふくらはぎがパンパン。

6.モップをかけながらフロントランジ

休日にフローリングを掃除するときも筋トレのチャンス。モップを前方に滑らせると同時に片足を前に大きく1歩出して腰を落とす。左右交互に繰り返しながら移動。

7.信号待ちでドローイン

信号待ちはボーッとせずに腹横筋を鍛えるドローインに励む。鼻から細く長く息を吐いてお腹をできるだけ凹ませたらそのままキープし、信号が変わるまで自然呼吸。