ファン ウェルメスケルケン 際 選手の、しなやかな動作を生むストレッチ。
守りの一瞬、攻めの一歩。動きのひとつひとつが、カラダの奥でつながっているからこそ、ファン ウェルメスケルケン 際 選手のプレーには無駄がない。しなやかな動作を生み出すストレッチ法についてインタビュー。
取材・文/井上健二 撮影/吉松伸太郎
初出『Tarzan』No.915・2025年11月20日発売

Profile
ファン ウェルメスケルケン 際(ふぁん・うぇるめすけるけん・さい)/1994年生まれ。川崎フロンターレ所属。対人戦の強さやビルドアップ能力、機を見た攻撃参加が特徴のサイドバック。高校卒業後オランダに渡り、2024年までプレー。
力むことなく全身を連動させたい。
動作に、無駄がない。肩甲骨と股関節の動きが連なり、力が自然に伝わっていく。ロングスローのフォームにさえ、全身のしなやかさが宿る。ファンウェルメスケルケン際選手の動きを見ていると、“つながるカラダ”という言葉の意味がわかる気がする。

「意識があるのは体幹部分。そこがブレなければ、股関節に勝手に力が入って、そのまま脚が飛び出してくれる。そんなイメージですね。特に相手選手に対応する受動的な動きのときは、股関節を動かそう、力を入れようとすると無駄な動きや力みが出て、反応が遅れて振り切られてしまう。体幹を崩すことなく、股関節が自由に動かせる姿勢と状態をキープできるようにしています」
力みを生まないために、股関節や肩甲骨を意識はしない。とはいえ、動きを連動させることは非常に重要なことだと考えている。
「ボールを蹴る際に飛距離を出そうと思ったら、腕の振りや上半身を捻る動作で生まれたパワーを無駄なく下半身に伝える、つまり肩甲骨と股関節をしっかりと連動させてボールを蹴る必要がある。腕を伸ばして体側にくっつけたまま蹴っても遠くには飛ばせません」
スローインの動作では一転、下半身で生んだパワーを、体幹を経由して腕へと繫げていく。
「腕だけで投げても、遠くには飛びません。遠くへボールを蹴るときと同じように、カラダ全体を連動させる必要があります。相手にカラダをぶつけるときも同じですね。当たり負けしないように、地面を踏んだ力をしっかりと肩まで伝える必要があります」
自由に動かせる股関節と肩甲骨、全身の連動性を維持するために、筋肉がピチピチの状態をキープしたいと際選手は言う。
「あくまでイメージなんですが、筋肉がパサパサしたささみのようだと、滑りが悪くて上手く連動せず、ケガもしやすい。トレーナーと相談しつつ、トレーニング負荷の調整とケアで、ピチピチな状態を維持できるようにしています」

連動するカラダの作り方。
脊柱の動的ストレッチ
全身の連動には体幹部は強いだけでなく、チーターのような柔軟性も必要になる。両足を肩幅程度に開いて椅子に座る。背中を丸め、両腕を足の間に。背骨だけを使うイメージで、上体を起こして背中を反らせる。繰り返す。
股関節の動的ストレッチ
地面に座り片方の膝を立てる。立てた膝に反対側の足首をかける。脛が地面と平行になるようにし、両手は地面についてバランスをとる。立てた膝を外側に倒して地面に。これを繰り返す。股関節を自由に動かすために必須。
胸郭・脊柱の動的ストレッチ
胸郭の柔軟性を高めることが際選手の現在の課題なのだそう。椅子に座り、両腕を横に広げる。上体を動かす側の掌を上に向け、手でリードするように上体だけを真横に動かす。そのまま反対側へ。これを繰り返す。








